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急増する「前立腺がん」を予防する食べ物とは?
		        	    
 今、日本で最も増えている「前立腺がん」。それはなぜなのか、そして、予防するにはどうしたらよいのでしょうか?
前立腺がんの治療・予防の最前線について、順天堂大学医学部大学院医学研究科教授・泌尿器科医の堀江重郎先生が「10MTVオピニオン」の中で解説されていますので、その話をみていきましょう。
もう一つは免疫器官としての働きです。人間に限らず哺乳類のオスは、尿を出すところと精液を出すところが最終的に一緒になっています。この尿を出すところにバイ菌が入ってきた場合、精巣までの侵入を防いでくれるのです。
じつは、一番のリスクとなるのは「脂肪」です。脂肪摂取量が多いと前立腺がんの危険が高まります。堀江先生によると、前立腺がんで亡くなる方は、残念ながら今後15年ぐらいで2倍~3倍に増えると言われているそうです。アメリカでは現在、約6人に1人が前立腺がんになり、がんで亡くなる人のおよそ10人に1人が前立腺がん。男性にとっては脅威の病気といえます。
一方、日本やアジアの国々では、これまで欧米に比べて前立腺がんが少ない状況でした。それが、なぜこれほど増えてしまっているのでしょうか。その主な理由は「食生活」にあると言われています。堀江先生はこう説明しています。
“例えば、ハワイの日系2世の方々は、ちょうどアメリカ本土と日本の前立腺がんの発生率の中間くらいだということがわかってきています。彼らはDNAとしては日本人ですが、食生活は欧米風です。前立腺がんはまず食生活が非常に大事なのです”
そして、なかでも注目すべきは脂肪の摂取量とのこと。
“前立腺がんの一番のリスクとして従来から知られているのが、脂肪です。過去60年間で日本人に最も増えている脂肪の摂取量。1970年代から80年代にかけて、日本人の食生活のカロリーはぐんと増えましたが、実は最近、摂取カロリーそのものはどんどん減っています。しかし非常に興味深いことに、糖尿病はうなぎのぼりに増えているのです。この現象に脂肪の摂取量が大きく影響していると言われています。同じように、前立腺がんや乳がんの増加にも脂肪の摂取が大きく関係しているのです”
特に脂肪の中でも動物性の脂肪、つまり脂肪を含んだ肉、油で調理した料理、脂肪分が調整されていない牛乳などが特に前立腺がんの危険を高めるそうです。
“アジアの国々でこれまで前立腺がんが少なかった理由の一つと考えられているのが、大豆です。欧米では、大豆が食生活に登場してくることは極めてまれですが、われわれアジア人は大豆から多くのたんぱく質を摂取してきました。大豆には、前立腺がんの発症を抑制する効果が認められています。同様に、われわれはカレーのスパイスに含まれているクルクミンという機能因子も前立腺がんを抑えることを突き止めています。また、わさびなどにも抑制効果があることがわかってきています。アジアの食生活には、この病気を抑える作用があるのです”
ということは、予防をするためには大豆を食べることが大きなポイントといえそうです。豆腐、納豆など、われわれ日本人が古来から食べ続けてきた身近な食材、大豆がこんな働きをしてくれていたとは驚きです。あらためて大豆の持つパワーを見直して、日々の食生活に取り込んでいきたいものです。
			            
		            
		        前立腺がんの治療・予防の最前線について、順天堂大学医学部大学院医学研究科教授・泌尿器科医の堀江重郎先生が「10MTVオピニオン」の中で解説されていますので、その話をみていきましょう。
前立腺の働きとは?
前立腺といっても男性にしかない器官なので、特に女性にはいまいちどんな働きをしているのかがわからないところですが、前立腺の大きな働きは二つあります。一つは尿を切ることです。男性においても日常生活において前立腺の存在は感じにくいものですが、尿の最後を振り切るとき、前立腺がきゅっと収縮します。これは前立腺が尿を最後に出し切るために働いているため。もう一つは免疫器官としての働きです。人間に限らず哺乳類のオスは、尿を出すところと精液を出すところが最終的に一緒になっています。この尿を出すところにバイ菌が入ってきた場合、精巣までの侵入を防いでくれるのです。
脂肪摂取量が多いと、前立腺がんのリスクが高まる
前立腺がんは、現在、先進国のどの国でも男性がかかるがんの中でナンバーワン。日本でも最も増えているがんです。その一番のリスクとなるものは何でしょう?じつは、一番のリスクとなるのは「脂肪」です。脂肪摂取量が多いと前立腺がんの危険が高まります。堀江先生によると、前立腺がんで亡くなる方は、残念ながら今後15年ぐらいで2倍~3倍に増えると言われているそうです。アメリカでは現在、約6人に1人が前立腺がんになり、がんで亡くなる人のおよそ10人に1人が前立腺がん。男性にとっては脅威の病気といえます。
一方、日本やアジアの国々では、これまで欧米に比べて前立腺がんが少ない状況でした。それが、なぜこれほど増えてしまっているのでしょうか。その主な理由は「食生活」にあると言われています。堀江先生はこう説明しています。
“例えば、ハワイの日系2世の方々は、ちょうどアメリカ本土と日本の前立腺がんの発生率の中間くらいだということがわかってきています。彼らはDNAとしては日本人ですが、食生活は欧米風です。前立腺がんはまず食生活が非常に大事なのです”
そして、なかでも注目すべきは脂肪の摂取量とのこと。
“前立腺がんの一番のリスクとして従来から知られているのが、脂肪です。過去60年間で日本人に最も増えている脂肪の摂取量。1970年代から80年代にかけて、日本人の食生活のカロリーはぐんと増えましたが、実は最近、摂取カロリーそのものはどんどん減っています。しかし非常に興味深いことに、糖尿病はうなぎのぼりに増えているのです。この現象に脂肪の摂取量が大きく影響していると言われています。同じように、前立腺がんや乳がんの増加にも脂肪の摂取が大きく関係しているのです”
特に脂肪の中でも動物性の脂肪、つまり脂肪を含んだ肉、油で調理した料理、脂肪分が調整されていない牛乳などが特に前立腺がんの危険を高めるそうです。
大豆には前立腺がんの発症を抑制する効果がある
そうなると、前立腺がんにならないためには、いったいどのような食生活に変えればよいのでしょうか。堀江先生はこうお話しされています。“アジアの国々でこれまで前立腺がんが少なかった理由の一つと考えられているのが、大豆です。欧米では、大豆が食生活に登場してくることは極めてまれですが、われわれアジア人は大豆から多くのたんぱく質を摂取してきました。大豆には、前立腺がんの発症を抑制する効果が認められています。同様に、われわれはカレーのスパイスに含まれているクルクミンという機能因子も前立腺がんを抑えることを突き止めています。また、わさびなどにも抑制効果があることがわかってきています。アジアの食生活には、この病気を抑える作用があるのです”
ということは、予防をするためには大豆を食べることが大きなポイントといえそうです。豆腐、納豆など、われわれ日本人が古来から食べ続けてきた身近な食材、大豆がこんな働きをしてくれていたとは驚きです。あらためて大豆の持つパワーを見直して、日々の食生活に取り込んでいきたいものです。
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