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DATE/ 2016.07.02

月間PV128億!宣伝効果はテレビ以上?日本一読まれている「Yahoo!ニュース」の裏側

 現在日本で一番読まれているニュースサイトはどこでしょう?ダントツで「Yahoo!ニュース」です。2016年2月に行われた「Yahoo!ニュース パートナーカンファレンス」で、月間128億PV(ページビュー、2016年1月実績)にまで達していることが明かされました。新聞社やエンタメ系に強いサイトでもPVが1億から数億ほどにとどまることを考えれば、まさにケタ違いの数字をたたき出しているわけです。

化け物級サイトのYahoo!ニュース

 Yahoo!ニュースは、ニュースサイト以外も含めた日本のウェブサイトランキング(similar web調べ)で12位に入っています。上を見ればGoogleやYahoo!(ニュースではなく、「yahoo.co.jp」の方です)、YouTubeにFacebook、Twitterなどそうそうたるラインナップ。誰しも目にしたことがある、毎日使っているという人も少なくないサイトばかりですが、それらに次ぐランクに位置しているわけです。

 そんな化け物級のYahoo!ニュースですが、いったいどのように成り立っているのか、細かく分析してみたいと思います。まずその内容ですが、ほとんどはYahoo!が自前で書いたニュースではなく、新聞や雑誌、あるいはネット媒体など226社328媒体から配信された記事で構成されており、その本数は一日約4000本。芸能人がテレビで問題発言をすると「Yahoo!ニュースが記事にするぞ!」なんて冗談交じりに言っていることがありますが、記事を書いているのはあくまでYahoo!ニュースにコンテンツを配信している媒体社となります。

宣伝効果抜群!トピックスのすごさ

 一日4000本の記事が月間128億PVを記録する源になっているわけですが、なかでもトピックスと呼ばれる一番目立つ部分に掲載されるニュースには大量のユーザーが殺到します。「国内」、「経済」、「エンタメ」、「スポーツ」などのジャンルごとに8本、さらにそのなかでも選りすぐりの8本(PC版の場合)が「ニュース」タブ内に表示されます。影響力は有名雑誌や大手紙、テレビで特集されることに匹敵すると言っても過言ではなく、ここにリンクがつけられた企業サイトやブログがサーバダウンしてしまうことも。その現象を俗に「Yahoo!砲」「ヤフトピ砲」と呼んだりします。

 このトピックスを選ぶのはトピックス編集部。人力でニュースを選別し、公共性や注目度の高い記事を次々とトピックスとして掲載していきます。報道機関や編集プロダクションなどメディア業界出身者が編集部の約半数を占めているとのことですが、25人程度で24時間カバーしているため、必ずしも各ジャンルに精通していないのだろうなと感じさせるチョイスもあります。

 トピックスに選ばれれば宣伝効果も抜群。なかでも最もPVを稼ぐエンタメジャンルで鉄板ネタは冠婚葬祭とテレビ番組ネタ。最近、テレビ番組に関する記事をトピックスで目にすることが多くありませんか?あれは番組を売り出したいテレビ局と、PVを稼ぎたい媒体社&Yahoo!ニュース、三者にとってうれしい構造となっているのです。

 いかがだったでしょうか?こんな裏側を知ったうえで改めてニュースを読んでみると、今までとは違った見え方がするかもしれませんね。

<参考サイト>
・similarweb
https://www.similarweb.com/country/japan
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