テンミニッツ・アカデミー|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツ・アカデミーとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2016.09.25

15%以上もお得!意外と知らない電力自由化のホント

 2016年4月から電気の購入先を自由に選べる「電力小売自由化」が始まりましたが、実際のところ本当に安くなるのでしょうか。安くなるとすると、いったいどれくらい安くなるのでしょうか。始まって約半年、どんなプランがあるのか具体的に迫ってみたいと思います。

気をつけて!必ず安くなるとは限らない

 まず確認しておきたいことは、電気の購入先を変えたからといって必ず電気代が安くなるとは限らないということ。制度が導入される前は「今までより電気料金が安くなる!」というメリットが強調されていましたが、自分に合うプラン、合わないプランがあることを理解しておかないといけません。

 電子チラシ「Shufoo!」が実施したアンケートでは、電力会社を変更したのはたった6パーセントだったそうです。住んでいる地域によっても変わってきますが、小売り電気事業者数は300社以上。6パーセントしか変更していないのは、自分に合ったプランを見つけ出すのが難しいからかもしれません。

 様々なプランを比較するときに役立つのが電気料金比較サイト。「電力自由化 比較」などのキーワードで検索するといろいろ出てきますが、今回は国内最大級のエネチェンジをシミュレーションに使ってみました。

使い方次第で15%以上の節約も可能

 世帯人数、ガスの利用状況、生活時間帯、現在の電気料金、郵便番号、今の電力会社やプラン名、電気代などを入力すると、最適なプランを提案してくれます。4人家族で電気代は月10000円の場合どうなるか調べてみたところ。

 電気代の割引額が最大だったのはミツウロコでんきの従量電灯Bプランで、年間約12000円の節約という試算になりました。約10パーセントの割引です。電気代以外のサービスを提供している事業者も多く、電気代の割引以外も含めると昭和シェル石油のホームプランがベスト。ガソリンの割引やギフト券のプレゼントなどを含め、年間約14000円節約となるようです。

 条件を変えて何度もシミュレーションしてみたところ、電気使用時間に偏りがあるほうがコスト削減効果が大きく、15パーセント以上節約できることもあるようです。というのも、特定の時間帯の電気代を安くするというプランがあるからです。また、電気をよく使う家庭のほうが割引の効果を実感しやすいのですが、逆に独り暮らしなどであまり電気を使わない家庭だと、それほど割引がない、あるいは乗り換えることで損してしまうこともあります。

 携帯電話との契約にひもづいてキャッシュバックされたり、プロバイダーの料金が割引になったり、事業者によって様々な“ニンジン”があります。ただ、そうしたサービスがあって各プランを単純に比較しづらいことが利用率の低さにつながっているのかもしれません。94パーセントの人が電力会社変更に二の足を踏む今こそ、一足先にお得なプランを探してみませんか?

<参考サイト>
・エネチェンジ
https://enechange.jp/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
“社会人学習”できていますか? 『テンミニッツTV』 なら手軽に始められます。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

百年後の日本人のために、共に玉砕する仲間たちのために

百年後の日本人のために、共に玉砕する仲間たちのために

大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(4)百年後の日本人のために

硫黄島の戦いでの奇跡的な物語を深く探究したノンフィクション『大統領に告ぐ』。著者の門田隆将氏は、「読者の皆さんには、その場に身を置いて読んでほしい」と語る。硫黄島の洞窟の中で、自分が死ぬ意味を考えていた日本人将...
収録日:2025-07-09
追加日:2025/08/15
門田隆将
作家 ジャーナリスト
2

原発建設には10年以上も…小型モジュール炉の可能性と課題

原発建設には10年以上も…小型モジュール炉の可能性と課題

日本のエネルギー政策大転換は可能か?(2)世界のエネルギーと日本の原発事情

再生可能エネルギーのシェアが世界的に圧倒的な伸びを見せる中、第7次エネルギー基本計画において原子力発電を最大限活用する方針を示した日本政府だが、それはどこまで現実的なのか。国際エネルギー機関が発表した今後のエネル...
収録日:2025-04-04
追加日:2025/08/17
鈴木達治郎
長崎大学客員教授 NPO法人「ピースデポ」代表
3

なぜ社会的時差ボケになる?若者の夜型傾向とうつの関係

なぜ社会的時差ボケになる?若者の夜型傾向とうつの関係

睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ(3)夜型人間と社会的時差ボケの関係

「夜型人間ほど社会的時差ボケは大きい」――つまり社会的時差ボケには、いわゆる夜型の生活習慣が大きく関わっているということだ。また、実はそうした睡眠のリズムは、持って生まれた遺伝子の影響も無視できないという。クロノ...
収録日:2025-01-17
追加日:2025/08/16
西多昌規
早稲田大学スポーツ科学学術院教授 早稲田大学睡眠研究所所長
4

日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本

日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本

戦前、陸軍は歴史をどう動かしたか(1)総力戦時代の到来

日本陸軍は戦前の歴史をどう動かしたのか。シリーズでは陸軍の皇道派と統制派がどのような考えのもとに動いたかを論じる。第1話の今回はまず、第一次大戦が世界史的にいかなる意味を持ったかについて解説する。(全7話中第1話)
収録日:2018-12-25
追加日:2022/08/12
中西輝政
京都大学名誉教授 歴史学者 国際政治学者
5

全ては経済?…米中対立の現状とリスクが高まる台湾危機

全ては経済?…米中対立の現状とリスクが高まる台湾危機

トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(2)米中対立の現在地

世界第一、第二の経済力を誇る米中の対立は由々しい問題である。第1次トランプ政権下で始まった対立はバイデン政権に継承されてきたが、トランプ第2次政権では主題はもっぱら経済に集中している。われわれも米中協議の行方を注...
収録日:2025-06-23
追加日:2025/08/14
佐橋亮
東京大学東洋文化研究所教授