社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2017.01.14

「出世しなさそう」と思われる人の特徴とは?

 最近では出世にまったく興味のないサラリーマンが増えていると聞きます。しかし、まわりの友人や同期が自分より先にどんどん出世していくと、ときには焦りを感じることもあるはず。特に、役職がついたり管理職に突入したりする40歳前後では、今まで横並びだった同世代の中で、少しずつ出世する人と出世しない人の差が見えてくるもの。その「差」には、いったいどんな特徴があるのでしょうか。

 今回は、「出世」を見極めるプロともいえる、企業の人事部の方や転職エージェントの役員、また、多くの部下を持ち人事権も握っている若手管理職のみなさんに、出世できなそうな人の特徴を教えていただきました。

「出世できない人だ」と見られる、4つの特徴とは

1・体力がなく、会社を休みがちな人
 リーダー職や責任のあるポジションにつく社員は、他の社員や部下の見本となり管理もしなくてはなりません。ですから、体が弱く欠勤が多い人は、いくら仕事ができても簡単には出世させられないといいます。歴史の長い企業には「自分の健康管理ができない人には、部下の管理もできない」という見方が根強く残っており、体力のある体育会系の人が重宝される傾向がある、と転職エージェント会社の方が語ってくれました。

 最近ではカウンセリングなども取り入れ、社員の健康面や精神面のケアへの重要性を再確認している企業も増え、健康に不安要素のある人には「無理をさせない」という風潮も。

2・女性社員に好かれない人
 上司や目上の人に好かれない人はもちろん、女性社員に嫌われる人もまた出世しにくいとのこと。人事部在籍の女性が語ってくれたのは「女性のほうが、あの人がどうした、この人がどうした、と社内事情に詳しい。噂話レベルのものもあっという間に広まりますし、その人の評価や評判として浸透してしまうことも」ということ。女性に嫌われると、セクハラやパワハラといったトラブルにも発展しやすくなるため、いかに女性社員との良好な関係を保てるかどうかも出世の大きな鍵。

 しかし、女性にモテ過ぎる男性社員は、同性からの嫉妬で足を引っ張られることもあるので注意が必要です。

3・他人に仕事を振れず、抱えてしまう人
 責任感が強く、なんでも他人任せにできない完璧主義な人は、仕事熱心で能力も高い社員のはずです。しかし、それゆえに1人で仕事を抱え込みがち。本人になにかトラブルがあったとき、まわりがフォローしたり引き継いだりすることも困難になり、仕事が回らなくなり自滅してしまうことも。このような自己完結型のタイプは、どんなに仕事ができても「人を動かすことができない」と見られ、出世せずに終わってしまう人も多いそうです。

 それぞれが自分の仕事をしながらも、会社は集合体である組織です。部下や仲間に仕事を振り、いい意味で彼らを巻き込み、面倒を見ながら教育、あるいは育成をしていくことが、偉くなる人に共通するポイントなのだそう。

4・声が小さく、個性や能力をアピールできない人
 少々だらしなくても、ミスが人より多くても、わかりやすい業績や得意分野があると「あいつは頑張っている」と周りから評価されやすい、と30代で部長となり多くの部下を抱える男性Yさんは言います。逆に、コツコツ真面目に頑張っていても、自分がどんな仕事をしているのかというアピールが苦手だったり、自主的に意見を言わないタイプは「あいつは何をしているんだ?」と、目立たない=何もしていない?と見なされてしまい、出世が遠のくとのこと。

 なんと、そんな控え目な姿勢の社員は、実際に声も小さい人が多いそう。まずは、大きい声で話すことを心掛けてみるのもいいかもしれません。

「仕事の能力が高い人=出世する人」とは限らない

 今回お話をうかがって感じたのは、「仕事の能力が高い人=出世する人」とは限らないということ。たとえ仕事はそこそこだとしても、出世する人には仲間や同僚から頼りにされるタフさと安心感があるようです。そして、組織のなかで自分の居場所と存在感を出せる場を持つ人のほうが、早々に出世していくという印象があります。

 出る杭は打たれる、と恐れず、個性やキャラクターを周りに見せていくことが、出世への近道なのかもしれませんね
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
“社会人学習”できていますか? 『テンミニッツTV』 なら手軽に始められます。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み

なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み

何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み

なぜ「何回説明しても伝わらない」という現象は起こるのか。対人コミュニケーションにおいて誰もが経験する理解や認識の行き違いだが、私たちは同じ言語を使っているのになぜすれ違うのか。この謎について、ベストセラー『「何...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/11/02
今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授
2

「境地は裏切らない」とは?禅の体験から見えてきたもの

「境地は裏切らない」とは?禅の体験から見えてきたもの

徳と仏教の人生論(6)物事の本質を見極めるために

10年の修行で自我を手放し宇宙と一体化する境地に達すると、自分中心からホリスティックな視点に変わり、物事の表と裏の共通点が見えてきて、その本質がつかめるという田口氏。人生は常に新たな命題を解き明かし続ける旅である...
収録日:2025/05/21
追加日:2025/11/08
3

「白人vsユダヤ人」という未解決問題とトランプ政権の行方

「白人vsユダヤ人」という未解決問題とトランプ政権の行方

戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(3)未解決のユダヤ問題

保守的な軍国化によって、内戦への機運が高まっているアメリカだが、MAGAと極左という対立図式は表面的なものにすぎない。その根本に横たわっているのは白人とユダヤ人という人種の対立であり、それはカーク暗殺事件によって露...
収録日:2025/09/24
追加日:2025/11/06
東秀敏
米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー
4

人間とAIの本質的な違いは?記号接地から迫る理解の本質

人間とAIの本質的な違いは?記号接地から迫る理解の本質

学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(5)AIに記号接地は可能か

昨今、めざましい発展を遂げているAI技術。流暢にチャットをやりとりする生成AIはしかし、本当の意味で使っている言葉を理解することができるのだろうか。言語学習の根本にある「記号接地」問題から、人間とAIの本質的な違いに...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/10/14
今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授
5

ソニー流「人材の活かし方」「多角化経営の秘密」を学ぶ

ソニー流「人材の活かし方」「多角化経営の秘密」を学ぶ

編集部ラジオ2025(26)ソニー流!多角化経営と人材論

「人的資本経営」という言葉が、よく聞かれるようになりました。端的にいえば、「人材=コスト」ではなく「人材=資本」として捉え、人を大切にしていこうという考え方です。

「人を大切にする」というのは別に新しい...
収録日:2025/09/29
追加日:2025/11/06