『貞観政要』を読む
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
諫義大夫・魏徴が古典に語らせて君主を諌める
『貞観政要』を読む(3)長期政権の運営を邪魔する要因
田口佳史(東洋思想研究家)
老荘思想研究者・田口佳史氏による『貞観政要』の読解講座第3弾。『貞観政要』は、長期政権の築き方を考える際、「なぜ政権は崩壊したのか」という視点から考える。歴史を顧みれば、異国の侵攻だけでいきなり倒れた国はなかった。国が倒れる時は、それ以前から内部が蝕まれているのだ。それを防ぐため、リーダーはどうあるべきか。(全15話中第3話)
時間:19分10秒
収録日:2016年7月25日
追加日:2016年11月17日
≪全文≫

●第一は、君主の道とは何か


 それでは、本文に入りたいと思います。まず「君道第一」というところから、この書物は始まっています。これは、君主の道、君主のあり様ということです。まさにこれが、この本の肝であり、これが何かを説くために、この本があるのだといっても過言ではない。その「君道第一」を丁寧に読んでいきたいと思います。

 「貞觀の初、太宗、侍臣(じしん)に謂ひて曰く」。貞観の始まりは、先ほどから申し上げているように、626年、すなわち太宗(李世民)がトップになった年です。その時に侍臣、これは左右に「さぶらう」(侍はここからきた言葉です)人です。「さぶらう」とは、お付きの臣下という意味です。それが左右にいる。この人たちは、多くは「左右史」とも呼ばれ、トップの発言を全て正確に筆記するという役割を負った人です。そういう意味もあって、この侍臣という言葉が出てきます。

 「侍臣に謂ひて曰く、君たるの道は、必ず須(すべから)く先づ百姓(ひゃくせい)を存すべし」。百姓は、今でこそ「農民」という意味でしか使っていませんが、正しくは、これは百の姓を指します。いろいろな姓名がありますよね。それを言っているのですから、百姓といえば国民、民(たみ)という意味です。


●君主の道は「この国で良かった」と民に思わせること


 まず何のために君たる道があるのかと言えば、民を存するためである。「存す」とは、民の存在を明らかにすることです。存在を明らかにするとはどういう意味かと言うと、みんな一人一人が「生まれてきて良かった」と思えることです。

 「社長の道は社員を存すべし」と言います。社長の役割は、「この会社へ入って生きていて良かった」「この会社に入って仕事して暮らしていて良かった」と思わせること、そういうところにある。同じように、国民一人一人に「生まれてきて良かった」と思わせるところに、この本の着眼があるということが言われています。

 反対に、「若し百姓を損じて以て其の身に奉ぜば」とも言います。当時は多くの場合、例えば戦争になれば民、百姓は駆り出されます。あるいは朝廷の建物を修繕するとか、造園、大変な園庭を造るなど、これらも全部使役となって、民が駆り出されていました。その上、税金というものを取る。税金でもって国家は成り立っているわけですから、税金を取らざるを得ない。「百姓を損じて」...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
優れた経営者の条件(1)スキルとセンスの違い
経営者のセンスは担当者のスキルとは全く違う
楠木建
不便益システムデザインの魅力と可能性(1)「便利・不便」「益・害」の関係
便利を求めるだけのいいの?…「不便益」で発見できる新たな魅力
川上浩司
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
組織心理学~若者とのコミュニケーション(1)「Z世代」の特徴と接し方
Z世代は傷つきやすい!?…昔の世代との相違点、共通点とは
山浦一保
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正

人気の講義ランキングTOP10
伊福部昭で語る日本・西洋・近代(1)チェレプニン賞に輝いた無名の作曲家
映画『ゴジラ』の作曲家・伊福部昭が直面した「日本と東洋と西洋」そして「近代の超克」
片山杜秀
「良き対話」とは?――哲学から考える(1)対話とは何か――会話・説教との違い
「良き対話」のヒントを哲学から考える…「対話」の大前提とは、そして「会話」「説教」「場回し」とは何が違うのか?
納富信留
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
編集部ラジオ2026(38)アメリカ中間選挙と民主主義
【10min解説】第2期のトランプ大統領と中間選挙を考える
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫