『貞観政要』を読む
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
上司は手本なり…災いはリーダーの不徳の致すところ
『貞観政要』を読む(10)手本を示すのが上司の務め
田口佳史(東洋思想研究家)
老荘思想研究者・田口佳史氏による『貞観政要』の読解講座第10弾。リーダーが為すべきは、皆の手本になることだ。手本なき政治は恨みを生み、やがて国に災害を引き起こす。災害は、リーダーの不徳の現れであり、社会が乱れている証拠だ。その時に「革命」は起きる。平和な時こそ、本質を忘れるな。『貞観政要』の大きなメッセージだ。(全15話中第10話)
時間:8分51秒
収録日:2016年8月1日
追加日:2017年2月13日
≪全文≫

●乱世を治めようとして「火に油を注ぐ」ようなことをしていないか


 前回からの部分が続いていますので、そこまで読んでみましょう。「譬へば薪(たきぎ)を負ひて火を救ひ」。これはどういうことかというと、注意です。火が出たとなって消さなければいけないというときに、背中に薪を背負って防火に努めているようなことになっていないか。一見、防火に努めているようだけれど、反対に火の勢いをどんどん増してしまうような行為をしていないかという注意を示しています。

 さらに「湯を揚げて沸を止める」。沸騰しているところに水を加えるのではなく、さらにお湯を加えてしまうようなことをやってはいないか。事態をさらに煽ってしまうようなことをしていないかどうかということです。

 「暴を以て亂に易(か)へ、亂と道を同じくす」。「暴を以て亂に」、乱暴な行為でもって、そうあるべきものだと考えてしまう。「私は正しい」という根拠は、実は皆こういう行為を基にしてしまっている。客観的に見れば見るほど、あたかも薪を負いて火を救い、湯を揚げて沸をとどめるような、そういう行為になってしまっている。それが「亂と道を同じくす」、自分の行いは皆、暴にして乱である。自分の行いは、暴虐にして乱暴な、乱れる原因をつくっているのだということです。


●リーダーとは、手本であるべき存在だ


 「其れ則(のっと)る可けんや」。すごいですね。これは何を言っているか。今まで言ったようなことは「手本にできない」と言っています。人間というものは、正しい行為をしようと思ったら、必ず手本が必要です。何歳になっても、手本が重要なのですが、本来トップは手本となる存在である。

 私がいつも上司心得として、上司のあるべき姿を話すときに言っているのは、「上司は手本なり」です。上司は、ただいるのではありません。「こうやって会社生活を送ってください」とか、「こうやって業務を進めてください」という手本として存在しているのが、上司です。だから、上に立つ者は全て手本である。「手本として、こんなことをしていいのかな」というように思ってくれと、ここでは言っています。

 そうでないと「後嗣」、跡継ぎは「何をか觀ん」。何を手本としたらいいのかということになります。「夫れ事」、手本として「觀る可き無ければ」。そういう人が、手本として見るものがないとどうなるのか。だ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
バブル世代の現実とこれからの生き方
バブル世代は「バブル崩壊世代」、苦労の先に見えるものがある
江上剛
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建

人気の講義ランキングTOP10
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
逆境に対峙する哲学(6)分別からの超越
ネガティブ・ケイパビリティとは?信じて待つことの意味
津崎良典
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
MAGA内戦、DSAの台頭…過激化が完了した米国の現在地
東秀敏
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(2)失敗の本質
『失敗の本質』初版から30年…同じ失敗を繰り返す日本組織
三谷宏治
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(2)機械学習と大規模言語モデル
常識を初めて知った!?生成AIの大規模言語モデルとは
岡野原大輔