敗戦から日本再生へ~大戦と復興の現代史
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ポツダム宣言受諾が遅れた理由と昭和天皇の「御聖断」
敗戦から日本再生へ~大戦と復興の現代史(10)ポツダム宣言受諾への道のり
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
公立大学法人首都大学東京理事長・島田晴雄氏による島田塾特別講演シリーズ。紆余曲折の末、ついに発表されたポツダム宣言とその正式受諾に至るまでの道のりを知る。陸海軍の猛反発にあいながら本土決戦前の降伏を実現したポツダム宣言受諾の要には、昭和天皇の聖断と真情を語る言葉があった。(2016年7月8日開催島田塾第137回勉強会島田晴雄会長講演「敗戦、占領、そして発展:日本は異民族支配からいかにして再生したか?」より、全13話中第10話)
時間:12分04秒
収録日:2016年7月8日
追加日:2017年8月2日
≪全文≫

●ポツダム宣言と原爆の兼ね合い


 そして、ポツダム宣言です。スティムソンの発言に異を唱える者はいなかったけれど、ある軍事的理由で時期尚早とされていました。その理由は原爆です。グルーは、無条件降伏の緩和について一般的合意を得るのが精いっぱい。あとはスティムソンと陸軍次官のジョン・マックロイが受け持ちました。6月に入って、トルーマンは「対日宣言を来るポツダムでの会議に発すること」を決定しましたが、トルーマンの個人声明ではなく、「米中英3国の共同声明に拡大させる」と言いました。

 7月2日午前11時、スティムソンはポツダム宣言草案とその趣旨説明書をスティムソン・メモにしてトルーマンに手渡しました。そこには、現皇室の下で立憲君主制を容認する文章があったのです。ポツダムには、当初は、スティムソンは随行員から外されていたのですが、結局、何とか随行することに成功しました。

 スティムソンは原爆開発の責任者です。ところで、スターリンとは、とんでもない人物だったようです。カリスマで交渉上手で、とてもトルーマンの敵ではない。経験は豊富だし、大量虐殺を行っているし、ひどい人のようです。ですから、トルーマンは、ちょっとスターリンの前では、縮んでしまうような感じで、それをスティムソンが横から、その都度、「大統領、原爆の実験は成功なんですよ。成功したんですよ」と3度も4度も報告しました。その言葉でトルーマンは元気づけられて、スターリンに挑むことができたと、こういう構造があったようです。


●スティムソン、原爆投下から京都を救う


 そして、スティムソンがトルーマンに対して影響力を及ぼした、2つの要望がありました。1つは、原爆投下の第1目標であった京都を目標から除外する。それから2つ目は、天皇制について日本に配慮を与える。この文章はポツダム宣言の草案からは消されていたのです。

 実は5月11日に、ワシントンで目標委員会(Target Committee)があり、第1目標の最適地として京都を選んでいたのです。なぜか。「三方が山に囲まれて爆発効果が高い。京都には勇名高い京都師団があり、爆撃がないということで軍需産業が集積。京都は1,000年の都であり、日本の知的文化の象徴。心理的ショックが大きい。だから、やってしまえ」ということだったのです。

 スティムソンは5月31日に、その委員会で反論をします。「日本国民に修復不...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
家康の人間成長~戦略性をいかに培ったか(1)今川「人質」時代と今川義元の思惑
徳川家康の秘密…「辛抱」イメージとは異なる自由奔放な人質時代
小和田哲男
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(1)シラス論と日本の政治
独裁ができない戦前日本…大日本帝国憲法とシラスの論理
片山杜秀
徳川家康の果断と深謀~指導者論と組織論(1)率先し陣頭指揮する
徳川家康の「天下泰平」デザインとは?…陣頭指揮とカリスマ性
片山杜秀
古代中国の「日常史」(1)日常史研究とは何か
『古代中国の24時間』英雄だけでなく無名の民に注目!
柿沼陽平
敗戦から日本再生へ~大戦と復興の現代史(1)厚木飛行場に降り立った占領者
敗戦した日本の武装解除はなぜ無血だったか…その背景とは
島田晴雄
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎

人気の講義ランキングTOP10
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(8)『オデュッセイア』の世界的影響
オデュッセイアが物語のフォーマット?…アラビアンナイトから百合若物語、ひまわりまで
松村一男
「満洲」から考える日本とアジア(4)蒙古襲来と清朝建国
実は元寇はモンゴル人ではなかった?満洲をめぐる民族興亡史と「漢族」との関係…蒙古襲来から清朝建国まで
宮脇淳子
ピアノでたどる西洋音楽史(1)ヴィヴァルディとバッハ
クラシック音楽の歴史をピアノ演奏で辿る~ヴィヴァルディ四季
野本由紀夫
テロメアから考える「アンチエイジング」(1)老化とテロメアの関係
テロメアの長さが「がんリスク」と「老化」のカギを握る
堀江重郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
編集部ラジオ2026(32)鎌田東二先生の法華経講義解説-1
【10min名作探訪】鎌田東二先生の『法華経』講義の核心ビジョン
テンミニッツ・アカデミー編集部
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
生成AI「Round 2」への向き合い方(4)日本企業のAIモデル
Copilotに訊いてみた!日本企業のAIモデルの特徴とは
渡辺宣彦