敗戦から日本再生へ~大戦と復興の現代史
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
南進論、東條内閣、ハルノート…日米開戦の経緯とは?
敗戦から日本再生へ~大戦と復興の現代史(2)日米開戦‐危うい政治体制と決断
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
公立大学法人首都大学東京理事長・島田晴雄氏による日本の敗戦、占領、経済復興を考えるシリーズ講話。第2回は戦後日本を論じる前に、そもそもなぜ日本がアメリカとの開戦に至ったのか、知っているようで実はよく知らない開戦への経緯と背景を知ることから始める。そこには昭和天皇はじめ、開戦をなんとか回避しようとする大いなる努力があった。(2016年7月8日開催島田塾第137回勉強会島田晴雄会長特別講演「敗戦、占領、経済発展:日本は異民族支配からいかに再生したか?」より、全13話中第2話)
時間:16分29秒
収録日:2016年7月8日
追加日:2017年7月15日
≪全文≫

●日米開戦への道をたどる


 ここで、皆さんと考えたいのです。一体、なぜ日本はこのような状況に直面しなければならなかったのか。これは滅亡の危機なのです。それは言うまでもなく、太平洋戦争、大東亜戦争があったからですね。

 ここで、少し時間を取りますが、そもそもなぜ日米は戦争をしたのか。両国がどう戦って、どう行動したのか。この戦争は何をもたらしたのか。皆さんと一緒に、やや詳しく振り返ってみたいと思います。私たちは戦争のことをかなり知っているつもりですが、実はあまり知らないのではないでしょうか。一度、おさらいをしてみたいと思います。


●近衛内閣発足-南進論推進と日独伊三国同盟調印へ


 日米開戦までの危うい政治体制と決断についてです。1940年7月、米内光政内閣が総辞職し、重臣会議で陸軍の受けが良い近衛文麿公爵が推されて、17日、大命降下しました。18日、東条英機が陸相に推されます。近衛文麿内閣の課題は、「南進論」と「日独伊三国同盟」。

 南進論とはどういうものかというと、「実力でも物量でも勝るはずの日本軍が、なぜ中国を屈服できないのか」という考えに基づいています。その理由の一つとして、援蒋ルートによる東南アジアからの蒋介石支援物資と資金の流れがあったことが挙げられます。当時、援蒋ルートというものがあったのです。東南アジアから中国に物資やお金が流れていました。もう一つは、石油を輸入に頼る日本の石油確保への不安です。そこで、援蒋ルート遮断とインドシナの油田ならびに戦略資源の確保の狙いから、南進論が主張されたのです。

 40年9月23日午前0時、大本営陸軍の命令で、第22軍司令官・久納誠一中将が指揮する第5師団が、若干の戦闘はあったものの、北部仏印、つまりベトナムに進駐します。ナチ・ドイツに敗れてパリを占領されていたヴィシー亡命政権に、日本に抵抗する力はなかったのです。さらに、ヨーロッパ西部戦線でドイツの電撃戦が素晴らしい成功であったため、これに動かされて、近衛内閣は9月27日、日独伊三国同盟に調印しました。


●山本五十六の大局観と硬化する対日外交


 山本五十六連合艦隊司令長官は1940年10月14日に軍情を上奏、つまり天皇に報告するために上京したのです。その時、西園寺公望の秘書の原田熊雄男爵と食事をしたのですが、そこで「アメリカと戦争するということは、ほとんど全世界を相手にする...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高
戦国武将の経済学(1)織田信長の経済政策
織田信長の経済政策…楽市楽座だけではない資金源とは?
小和田哲男
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
これからの社会・経済の構造変化(2)経済的利益と社会課題解決の両立へ
利益か社会課題解決か…かつての日本企業の美点を取り戻せ
柳川範之
和歌のレトリック~技法と鑑賞(1)枕詞:その1
ぬばたまの、あしひきの……不思議な「枕詞」の意味は?
渡部泰明
「進化」への誤解…本当は何か?(9)AI時代の人間と科学の関係
科学は嫌われる!? なぜ「物語」のほうが重要視されるのか
長谷川眞理子
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIは間違いが分からない…思考で大事なのは訂正可能性
中島隆博
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(8)秀長の死の影響と秀吉政権の瓦解
「家康対奉行」の構図は真っ赤な嘘!? 秀吉政権瓦解の真相
黒田基樹
独裁の世界史~未来への提言編(1)国家の三つの要素
未来を洞察するために「独裁・共和政・民主政」の循環を学べ
本村凌二
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
歌舞伎はスゴイ(4)歌舞伎のサバイバル術(後編)
江戸時代の歌舞伎にも大波乱が…どうやって生き残ったか
堀口茉純
いま夏目漱石の前期三部作を読む(9)反知性主義の時代を生き抜くために
なぜ『門』なのか?反知性主義の時代を生き抜くヒント
與那覇潤