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もはや純粋に生命を捧げることができるのは「芸術」のみ

「壁」ありてこそ(4)そして芸術のみが残った

概要・テキスト
コロナ禍で世界中が右往左往しているのも、信仰を失った結果である。天皇への尊崇の心があれば、総理大臣も国民に、病気の根絶か経済の建て直しかという選択を迫ることができた。物事をやるには必ず痛みを伴うのに、それを「我慢しろ」と言える人がいなくなってしまった。ここまで来ると、日本人の中に天皇への信仰が復活することはない。日本人の魂を復活させられるのは、もはや芸術しかない。芸術には「自分の人生を捧げよう」と思わせる力が、唯一残っている。(全8話中第4話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:11:08
収録日:2021/01/14
追加日:2021/03/12
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≪全文≫

●痛みを「我慢しろ」と言える人がいなくなった


執行 もうそういう段階(魂や信仰の問題がズタズタにされてしまっている段階)まで来ています。それこそコロナも全部そうです。だから何をしていいかわからないのです。世界中、欧米も日本も。経済も大切だけれども、身体も大切だ。病気を治さなければならないけれど、経済も大切だ。いろんなことを言っていますが、要するに腹を括れないのです。

―― そうでしょうね。

執行 何を勘違いしているのか知りませんが、経済が壊滅したら病院も何もありません。そういうこともわかっていない。だから、せっかく経済を活性化しようとしても、コロナが増えてくれば、また慌ててやめる。これを永遠にしていれば、永遠に滅びてしまいます。今はそういう段階にあります。

 これは信仰を失い、日本なら天皇制を失った結果です。私は予言できますが、天皇に対する尊崇の心が残っていたら、今の総理大臣は「病気を根絶したいのか、経済を立て直したいのか、どうするのか」と国民に選択を迫ることができます。

―― 後ろに天皇がいれば、ですね。

執行 「天皇を信じる人」なら。でも、自分が違うので。

―― 首相が天皇を信じる人なら。

執行 天皇を信じられる人なら。西洋なら、神を信じられる人。でもみんな、自分が何もしないで生きてきた人だから、人に何も言えないのです。だから、こちらが痛手を被ったと言われれば、「あ、いけない」とこちらを手当して、あちらだと言われればあちらをやる。今そうなっています。

―― 右往左往しています。

執行 右往左往です。物事をやるには、必ず「痛み」があります。これは我慢するしかない。「おまえら我慢しろ」ということです。これを言える人が、いないのです。


●天皇への畏怖が、私の父の「誇り」を作った


執行 だから、うちの親父みたいな人がいないということです。うちの親父が「良い、悪い」ではありません。自分の生き方でなければ、息子でも96歳で死ぬ日まで会いませんでした。昔でいう、勘当です。これを言い切れる人がいない。では、親父はなぜ言い切れたか。日本人の精神を持っていたからです。

 親父の自慢話になってしまいますが、親父は三井物産で、「三井一の英語の名手」と言われていました。戦前に三井物産に入って、兵隊から帰ってまた戻りました。マッカーサーが三井を財閥解体したとき、...
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