未来を知るための宇宙開発の歴史
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
ロケット開発の功労者たち…草創からV2、スプートニクへ
第2話へ進む
宇宙開発の歴史、そして未来へ…6枚の写真で概観する
未来を知るための宇宙開発の歴史(1)宇宙開発の流れを概観する
川口淳一郎(宇宙工学者/工学博士)
宇宙開発は、人類の誕生を起源に迫るという意味でも、われわれの将来を形づくるうえでも、非常に大切な取り組みである。それは一体、どのようにして歩みを進めてきたのだろうか。まずは印象深い「6枚の写真」を用いながら、宇宙開拓のおおよその流れを解説する。(全14話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:8分00秒
収録日:2024年11月14日
追加日:2025年7月22日
カテゴリー:
≪全文≫

●宇宙開発の流れを「6枚の画像」で見ていこう


―― 皆さま、こんにちは。

川口 こんにちは。

―― 本日は川口淳一郎先生に、「未来を知るための宇宙開発史」ということで、宇宙開発の歴史についてお話をいただきたいと思います。川口先生、どうぞよろしくお願いいたします。

川口 よろしくお願いします。

―― 川口先生は小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトマネージャーもお務めになり、実際に宇宙開発の技術に携わってこられました。今日は、その宇宙開発についてロングスパンでお話をいただきます。

 日本のみならずアメリカ、ソ連(ロシア)、中国等々の動き、また今後の課題についても、ぜひいろいろとお話しいただきたいと思っています。

 まず、最初にお話しいただけるのはどのような内容でしょうか。

川口 6枚ほどスライドをご覧いただきます。必ずしもこれらが一番のトピックではないのですが、宇宙開発の流れを話すためにはいいかと思います。

―― それぞれどういった写真なのでしょうか。

川口 「宇宙開発の始まりから、将来に向かって」というものです。始めに、左上はアメリカが打ち上げた最初の人工衛星の写真です。

―― この細長いものがそうですね。

川口 「エクスプローラー(Explorer)」といいます。「スプートニク」が世界初の人工衛星で、旧ソ連が打ち上げました。だから、大慌てでアメリカが一生懸命、ソ連に追いつこうということで、スプートニク打ち上げの翌年にこれを打ち上げるのです。3人が手を挙げていますが、非常に嬉しかったであろうと思います。あとで紹介するように、この中にはアメリカの宇宙開発に大きく関わる技術者フォン・ブラウンなどが写っています。いかに“スプートニク・ショック”が大きかったかを示す、一つの貴重な写真です。

―― よくいわれますが、当時、宇宙開発は「国威発揚のため」「国の威信をかけて」という面があったわけですね。

川口 冷戦の真っただ中なので、米ソの宇宙開発競争となりました。あえてアメリカの衛星を出したことは、アメリカの焦りを感じさせるものですよね。

―― なるほど。


●冷戦後はロシアを含めた「国際協働」が掲げられた


川口 左下は、アメリカ初の宇宙飛行士ジョン・グレンです。人として初めて地球の軌道を周回飛行しました。とても有...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
培養肉研究の現在地と未来図(1)フェイクミート市場とリアルミート研究
食肉3.0時代に突入、「培養肉」研究の今に迫る
竹内昌治
ヒトの性差とジェンダー論(1)「性」とは何か
MLBのスーパースターも一代限り…生物学から迫る性の実態
長谷川眞理子
五島列島沖合の海没処分潜水艦群調査(1)目的と潜水艦史
海底に突き刺さる旧日本海軍の潜水艦「伊58」を特定!
浦環
社会はAIでいかに読み解けるのか(1)経済学理論の役割
AIやディープラーニングによって社会分析の方法が変わる
柳川範之
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通

人気の講義ランキングTOP10
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(2)MAGAの矛盾と内戦の現状
MAGA内戦勃発…なぜトランプがMAGAの敵になってしまうのか
東秀敏
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(4)信長の直臣、秀吉の与力としての秀長
最初は信長の直臣として活躍――武闘派・秀長の前半生は?
黒田基樹
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏