未来を知るための宇宙開発の歴史
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
国際宇宙ステーション、スペースシャトルの意義と目的は?
未来を知るための宇宙開発の歴史(5)冷戦の終了と変化する宇宙開発の目的
川口淳一郎(宇宙工学者/工学博士)
冷戦中は米国とソ連が国の威信をかけて宇宙開発に取り組み、それが技術の発展に寄与したことを見てきた。しかし冷戦が終了すると、宇宙開発の目的が問い直されることになる。そこで目的とされたのが「国際宇宙ステーション」であった。また「スペースシャトル」も、国際宇宙ステーションなどに人間を運搬し、宇宙に人間が滞在することを大きな目的として開発された。だが、国際宇宙ステーションもスペースシャトルも、時代の流れのなかで様々な紆余曲折を経ていくことになる。平和の時代における宇宙開発の意義とは――。 (全14話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:8分52秒
収録日:2024年11月14日
追加日:2025年8月19日
カテゴリー:
≪全文≫

●冷戦崩壊後、宇宙開発の目的を失ってしまった


―― 前回は、木星や土星などの外惑星に衛星を飛ばして探査するお話でした。続きまして、次世代に向けて「人間がいかに宇宙で活動していくか」というお話です。ここはどのような内容でしょうか。

川口 有人宇宙活動は特に何かが変わるわけではないのですが、キーワードはやはり、冷戦が終わる頃から「宇宙開発は何のために行なうのか」ということが問い直されるわけです。実際に、アポロ計画以降、月には行っていません。それは行く理由が見つからないからです。冷戦時代は月に行く価値があったのですが、冷戦が終わると「巨額をかけた宇宙プロジェクトを行う必要があるのか」という話になってきます。

 冷戦崩壊の頃に始まるものが「国際宇宙ステーション」です。国際宇宙ステーションの大きな意義としては、もちろん「平和を分かち合う」という大きな意味があるのですが、もう一つは「宇宙開発をするための大きな動機は一体何だろうか」「人間が行うべきことが本当はあるのだろうか」という問いに対する答えです。「人間が滞在する宇宙開発」というものをきちんと見せる必要があるわけです。その典型的な一つの形が、国際宇宙ステーションだ、ということになるのです。

 ここでスペースシャトルが登場します。正確にはスペースシャトルは冷戦が終わる前に登場したのですが、国際宇宙ステーションに物資や人員を運ぶというスタイルの宇宙開発が始まるわけです。そのため、「スペースシャトルが運ぶ最大の物資は人間」と言われていて、「人間を戻してくる」ことがスペースシャトルの宇宙から物資を持ち帰るものであるわけです。

 荷物だけを運ぶのであれば人間が行く必要はないわけです。したがってスペースシャトルの位置づけは、「人間を往復させること」でもあった。そして、「どうして宇宙に人間が有人滞在をしなければいけないか」という問いへの答えの一つが「国際宇宙ステーションという活動だ」という定義がなされて、そういった位置づけのもとで有人宇宙活動が行われるようになります。ここが、それまでの冷戦時代とは違うわけです。

 スペースシャトルは冷戦中の1981年に初飛行するのですが、これで再利用の宇宙船の活動がどんどん進んで行くかという...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
断熱から考える一年中快適で健康な住環境(1)日本の住宅の実態と問題点
なぜ日本は夏暑く、冬寒いのか…断熱から考える住宅の問題
前真之
ヒトの性差とジェンダー論(1)「性」とは何か
MLBのスーパースターも一代限り…生物学から迫る性の実態
長谷川眞理子
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子

人気の講義ランキングTOP10
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(6)秀吉との信頼関係と秀長の軍事能力
文武両道の名将…秀吉に怒られなかったのは秀長と家康だけ
黒田基樹
逆境に対峙する哲学(8)白隠の覚悟
宮本武蔵「型を捨てろ」と「守破離」が教えてくれること
津崎良典
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(9)魂の三部分説
理性・気概・欲望…ポリスとの類比でわかる「魂の三部分説」
納富信留
日本の特性とは何か~「日本的」の本質(5)鋭い感性と深い精神性
本居宣長が説く「神信仰」…神道の本当の姿に迫る
田口佳史
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――自分にあった「理想的睡眠」の見つけ方
西野精治
健診結果から考える健康管理・新5カ条(2)健診結果はダルマ落としでアプローチ
バラバラ事件!? 検査項目をバラバラに見てはいけない
野口緑