本当のことがわかる昭和史《7》歴史を愛する日本人の崇高な使命
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マッカーサーは全て知っていた~朝鮮戦争と東京裁判~
本当のことがわかる昭和史《7》歴史を愛する日本人の崇高な使命(11)身をもって体験した「赤化の危険」
渡部昇一(上智大学名誉教授)
朝鮮戦争が始まると、マッカーサーは国連軍最高司令官に任命された。しかし、国連軍司令部からの指示が徹底さを欠いたため、マッカーサー率いる連合軍は大きな損害を被った。マッカーサー自身、北朝鮮やシナ人民解放軍の攻撃に直面して、東京裁判で日本側が口々に証言した「アジア赤化の危険」を、身をもって体験することとなった。上智大学名誉教授・渡部昇一氏によるシリーズ「本当のことがわかる昭和史」第七章・第11回。
時間:6分29秒
収録日:2015年2月2日
追加日:2015年9月24日
≪全文≫
 私はずっと、マッカーサーが議会でなぜあんな証言をしたのか不思議に思い、いろいろと調べてみたのだが、それは彼が朝鮮戦争で勝たせてもらえなかったことが非常に大きいと思う。

 われわれの常識からいっても、戦争末期に日本にやってきたアメリカの勢力はとてつもない規模だった。沖縄上陸作戦に参加した米軍艦艇は約1500隻で、空母だけでも40隻を超えていた。そこまで強大なアメリカ軍を中心とする国連軍が、毛沢東の人海戦術ごときに負けるはずがないのだ。

 朝鮮戦争が始まると、マッカーサーは在日連合国最高司令官のまま国連軍最高司令官に任命された。マッカーサーはアメリカ軍司令官ではなく、一応、国連軍最高司令官という肩書きだったが、最初東京に置かれ、のちにソウルに移された国連軍司令部からの指示が、どういうわけか徹底さを欠いていた。東シナ海の港の封鎖や、橋の破壊など許可されなかったという。そうなると、いくらアメリカ兵が良い装備を持とうが、優位性が失われてしまう。かたや兵隊はいくら死んでも構わないという、人海戦術で怒濤のごとく押し寄せる毛沢東軍の猛攻で、マッカーサー率いる連合軍は大きな損害を被った。マッカーサーには、そうした仕打ちに反発する感情があったのではないかと思う。

 事実、マッカーサーはトルーマンと意見が合わず、シナの人民義勇軍の参戦で押し戻された戦線を立て直すため、原爆の使用を主張して解任されている。そこで彼は、議会では本当のことを話してやろうと考えたのではないかと私は思うが、これはあくまで想像だ。

 もう一つ、マッカーサーは東京裁判の一部始終を見て、日本が一方的に悪かったのではないことを身に沁みて感じていたはずだ。

 東京裁判でも、最初は〝悪魔のごとき〟日本人の弁護など御免被ると、アメリカ人で日本側被告の弁護人を務めようとした者はほとんどいなかった。指名されても辞退する人もいた。極東国際軍事法廷を一応の裁判の形式で進めるために、無理矢理に弁護人を引き受けさせられたわけだが、裁判が始まるや、アメリカ人弁護人たちは真実を追及してあの戦争の実相を知り、誠心誠意弁護に努め、文字通り完全燃焼したのである。そういう人たちの姿を、マッカーサーも見ていたはずだ。

 それでも一応のケリをつけるために、A級戦犯七人の死刑は認めた。ところがパル判事は被告人の全員無罪を主張し、ベル...

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