本当のことがわかる昭和史《7》歴史を愛する日本人の崇高な使命
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ナチスは一日千人、東京は一晩10万人…この意味は何か?
本当のことがわかる昭和史《7》歴史を愛する日本人の崇高な使命(16)欧米の言葉・文脈・文化の中で反駁せよ
渡部昇一(上智大学名誉教授)
ナチス・ドイツのアウシュヴィッツ収容所で一日に殺されていたのは千人ぐらいだったといわれるが、東京大空襲では一晩で10万人が殺されている。これがホロコーストでなくて何なのか。日本は言葉をきちんと使うべきである。上智大学名誉教授・渡部昇一氏によるシリーズ「本当のことがわかる昭和史」第七章・第16回。
時間:4分43秒
収録日:2015年2月2日
追加日:2015年9月24日
≪全文≫
 それにしても、アメリカで堂々とアメリカ人と議論できる人が少ないのは事実だ。そして残念なことに、そういうチャンスを与えられる人も非常に少ない。

 私はフルブライト交換教授として、アメリカの四つの州、六つの大学で教えたことがある。その一科目である比較文明論(Comparative Civilization)の中で、私は先の戦争について日本の弁明を行なった。「そうか」と聞いてくれる人もいたが、たとえばノースカロライナ州の大学には軍隊の将校を養成する予備役将校訓練課程(ROTC)があり、わりと保守的だった。その大学では、私が真珠湾攻撃について、「対日石油全面禁輸で日本は首を絞められて落ちそうになったときに、つまりチョークされそうなときにパンチを出したのだ」と話すと、席を立ち部屋を出ていく学生が何人もいた。

 それでもさすがに、私の発言を止める学生はいなかった。そのうちに私の発言に理解を示してくれる人たちも出てきて、私は彼らとずっと親しく付き合った。また市民の集まりに呼ばれて戦争中の話をしたこともある。「戦争中には鉄がなくて、われわれもおもちゃをみんな供出したんです」というと、レディたちが驚いていた。彼女たちにはそういう発想はない。日本では戦争中に、子供たちもブリキのおもちゃを供出していたというようなことを知ると、アメリカ人たちはやはり考えるらしい。

 それから古書学会の会合でドイツに行ったとき、各国の研究者たちと一緒にお茶を飲む機会があった。あるユダヤ人が、「原爆投下は、戦争を早く終了させ、犠牲者を少なくするためのものであった」と話したので、私が「ちょっと待ってくれ。戦争を早く終了させるために何をしてもいいというならば、毒ガスを使ってもいいのか」と反論したら、彼は一瞬茫然として「そこまでは考えなかった」と答えた。

 それ以来、私はあれこれ考え、英語で書いたある文章に“Tokyo was a holocausted city”(東京はホロコースト〈大量虐殺〉を受けた都市である)と記したら、フランスの雑誌が喜んで論文を翻訳して掲載してくれた。これは重要なことだと思うのだが、日本は原爆投下などについて英語で発言するときは必ず「ホロコースト」という言葉を使うべきであり、無差別爆撃は「ジェノサイダル・ボミング(genocidal bombing)」と訳すべきである。「ホロコースト」や「ジェノサイド」という言葉を出されると、他国が反発しに...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
『三国志』から見た卑弥呼(1)『魏志倭人伝』の邪馬台国
異民族の記述としては異例な『魏志倭人伝』と邪馬台国
渡邉義浩
平安時代の歴史~「貴族道」と現代(1)日本の歴史における平安時代の意味
平安時代の意外な真実…貴族社会の華やかさの裏の激動と転換
関幸彦
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
「武士の誕生」の真実(1)10世紀の東アジア情勢と「王朝国家」
武士は「お手本がない時代」だからこそ生まれた…武士誕生の真実と大唐帝国の解体
関幸彦

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(36)宮脇淳子先生「満洲史」講義の要点
【10min解説】「満洲史」はタブー?…そこから見えてくる教訓とは?
テンミニッツ・アカデミー編集部
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(6)認知症予防と健康寿命の延伸に向けて
フレイル・サイクルは回り出したら抜けられない!?負のスパイラルへの対処法
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
万葉集の秘密~日本文化と中国文化(1)万葉集の歌と中国の影響
『万葉集』はいかなる歌集か…日本のルーツと中国の影響
上野誠
ゼロからわかるメタバース(7)アバター対談〈下〉
アフォーダンス理論によるメタバース実体験のススメ
廣瀬通孝
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
インフレの行方…270年の歴史に学ぶ物価高騰期の特徴と教訓
養田功一郎