本当のことがわかる昭和史《7》歴史を愛する日本人の崇高な使命
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
身内をかばい、責任を押し付け、罪を恥じぬさまは万死に値
本当のことがわかる昭和史《7》歴史を愛する日本人の崇高な使命(3)「軍国主義」より「官僚制度の罪」を猛省せよ
渡部昇一(上智大学名誉教授)
戦前の日本は、軍官僚の派閥抗争も含めた「官僚制度の罪」によって、何度も危地に陥れられてきた。われわれが猛省すべきは「軍国主義」というより、むしろ、いかにすれば「官僚主義」が失敗に陥らなくてすむかという点ではなかろうか。上智大学名誉教授・渡部昇一氏によるシリーズ「本当のことがわかる昭和史」第七章・第3回。
時間:3分21秒
収録日:2015年2月2日
追加日:2015年9月21日
≪全文≫
 間違いないのは、結果として明らかにアメリカに徹底的に利用される口実を与えてしまったということである。そういう事実がある以上、うやむやにすることなど、断じてあってはならなかった。第五章の最後に、「軍は外務省のことを恃みとも思わず、外務省は『あれは軍がやったこと』と頰被りする」体質があったと書いたが、身内の罪はかばい合い、他者に押し付けられるものは押し付け、全体としては恬として恥じぬという有り様は、まさに万死に値する。

 本書のここまでの話からもわかるように、戦前の日本は、軍官僚の派閥抗争も含めた「官僚制度の罪」によって、何度も危地に陥れられてきた。もちろん、官僚個々人が悪であったとはいわない。むしろ日本人らしく、まじめに勤勉に努力した人が多かったはずだ。だが、組織としてそういう失敗に陥る可能性を抱えているとするならば、その組織の病弊は何としても抉り取るべきであろう。

 その意味からも、宣戦布告遅延によって日本の名誉を失墜させるという大失態を起こしたならば、やはり、切腹するほどの責任の取り方をせねば、到底許されることではなかったと思う。われわれが猛省すべきは「軍国主義」というより、むしろ、いかにすれば「官僚主義」が失敗に陥らなくてすむかという点ではなかろうか。

 もう一つ疑問に思うのは、あの「ハル・ノート」がどうして公開されなかったのかということだ。あのとき「ハル・ノート」を全世界に公開していれば、日本よりむしろアメリカのほうが先に最後通告を突きつけてきたようなものだということが、広く知られていたはずである。

 事実、ヘンリー・スティムソン陸軍長官は自身の回想記に、野村・来栖両大使に「ハル・ノート」を手渡したハル国務長官から「私はこの件から手を引いた。あとはあなたとノックス海軍長官の出番だ」といわれたと書いている。

 岡崎久彦氏はかつて、「もし、大東亜戦争がああいう始まり方をしていなければ、硫黄島の戦い(昭和20年〈1945〉2月19日~3月26日)のあとに和平の話が出ていたのではないか」と語っておられた。

 硫黄島は、表面の大部分が硫黄の堆積物に覆われている小さな火山島で、地形的にも防御が難しく、地下壕を掘るにも、固い岩盤と高熱、硫黄ガスに阻まれ非常に苦労した。ところが日本軍はアメリカ軍が上陸の際、猛爆撃と艦砲射撃を繰り返し受けながらも予想以...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(1)決断と信念のユダヤ人救出
毅然として人道を貫き、命を救う…樋口季一郎のユダヤ人救出
門田隆将
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
歌舞伎の魅力とサバイバル術…市川團十郎の歴史から考える
堀口茉純
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(1)なぜ日本人は突入できたのか?
福島第一原発事故…日本の危機と闘った吉田昌郎と現場の人々
門田隆将
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(15)昭和の名将・樋口季一郎
【10min解説】ユダヤ人救出、奇跡の撤退…名将・樋口季一郎
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(2)オトポール事件と極東ユダヤ人大会
オトポール事件と極東ユダヤ人大会の真相…失脚覚悟の決断
門田隆将
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(2)司令官の決断と苦悩
玉砕したアッツ島の絵を毎朝拝んでいた樋口季一郎…司令官の苦しみ
門田隆将
ウェルビーイングを高めるDE&I(2)人と組織を取り巻く環境変化:後編
なぜ日本の幸福度は低すぎるのか?会社任せで失われる自律性
青島未佳
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国大名と民衆の過酷な課題…飢饉の常態化をどう生き延びるか
黒田基樹
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫