本当のことがわかる昭和史《7》歴史を愛する日本人の崇高な使命
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
凱旋将軍として戻った「偉い先生」が戦後日本を変えた
本当のことがわかる昭和史《7》歴史を愛する日本人の崇高な使命(6)「敗戦利得者」が強調した「暗い戦前」
渡部昇一(上智大学名誉教授)
戦後日本で偉くなった人たちの中にも、「敗戦利得者」が数多くいる。この勢力が、いかに日本の戦後の言論を歪めてきたことか。戦後、凱旋将軍のように戻ってきた彼らがやったのは、ことさら日本という国の暗い部分だけをあげつらうことだった。上智大学名誉教授・渡部昇一氏によるシリーズ「本当のことがわかる昭和史」第七章・第6回。
時間:7分53秒
収録日:2015年2月2日
追加日:2015年9月21日
≪全文≫
 シナや韓国などの「敗戦利得国」と同様に、戦後日本で偉くなった人たちの中にも、「敗戦利得者」が数多くいる。昭和20年(1945)8月15日の敗戦によって非常に得をした人たちである。この勢力が、いかに日本の戦後の言論を歪めてきたことか。

 たとえば憲法九条信者や護憲派が後生大事にしている日本国憲法(昭和22年〈1947〉5月3日施行)が、主権国家の憲法ではないことは、憲法学者なら誰もが知っている。日本は敗戦後にGHQの間接統治を受けていたから、日本国憲法はいわば間接統治基本法であり、それゆえ占領軍側の素人の集まりで一週間程度で草案ができあがったのである。

 日本の主権が回復するのはサンフランシスコ平和条約の調印(昭和26年〈1951〉9月8日)後であり、主権がないと憲法ができるわけがないことを、憲法学者が知らないはずはないのだ。

 ところがそれを憲法だと、憲法学者の宮沢俊義東大教授はいった。明らかに無理のある憲法改正であるにもかかわらず、「ポツダム宣言受諾によって天皇は国民へ主権を移譲したのであり、一種の革命である」などという愚にもつかない「八月革命説」を打ち出して正当化してみせたために、GHQの覚えめでたく、学界の地位を確立した。

 国際法学者・横田喜三郎東大教授も戦前からの社会主義者であり、東京裁判を熱心に擁護したことで自らの地位を固め、皇室否定も盛んに唱えていた人物であった。そのうち世の中が落ち着いてきたのを見て、天皇制を批判した自著を買い集めて廃棄したといわれる。そして、めでたく最高裁判所長官になった。

 このような人たちのことを、私は「敗戦利得者」と呼んでいる。

 京都帝国大学法学部の滝川幸辰教授もそうだ。昭和7年(1932)に中央大学で行なった「トルストイの『復活』に現はれた刑罰思想」と題する講演や、無政府主義的主張を述べた『刑法読本』が危険思想とされ、その翌年に京大を辞職することになった「滝川事件」で有名な人物である。その彼が、敗戦の翌年である昭和21年(1946)、凱旋将軍のように京大教授に返り咲くのである。滝川氏はその後、法学部長を経て京大総長になった。滝川事件で連名辞職した人たちの多くが、同様に復職を果たしている。

 東京帝国大学経済学部助教授の大内兵衛氏も、人民戦線事件(昭和十三年〈一九三八〉)で検挙されたが、敗戦後まも...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
戦国武将の経済学(1)織田信長の経済政策
織田信長の経済政策…楽市楽座だけではない資金源とは?
小和田哲男
戦国合戦の真実(1)兵の動員はこうして行なわれた
戦国時代の兵の動員とは?…無視できない農民の事情
中村彰彦

人気の講義ランキングTOP10
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(6)秀吉との信頼関係と秀長の軍事能力
文武両道の名将…秀吉に怒られなかったのは秀長と家康だけ
黒田基樹
「進化」への誤解…本当は何か?(3)進化学説史と近代の生物実験
ラマルクの進化論…使えば器官が発達し、それが子に伝わる
長谷川眞理子
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
逆境に対峙する哲学(8)白隠の覚悟
宮本武蔵「型を捨てろ」と「守破離」が教えてくれること
津崎良典
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
新しい循環文明への道(2)都市鉱山のデジタルツイン
都市鉱山のデジタルツイン…金やレアアースの宝庫がわが国に
小宮山宏
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二