本当のことがわかる昭和史《7》歴史を愛する日本人の崇高な使命
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
東京か? ワシントンか? 青天の霹靂だからか? 怠慢なのか?
第2話へ進む
真珠湾攻撃…なぜ日本の宣戦布告が遅れたのか?
本当のことがわかる昭和史《7》歴史を愛する日本人の崇高な使命(1)真珠湾攻撃を「騙し討ち」にした大失態
渡部昇一(上智大学名誉教授)
国の名誉ということを考えた場合、どうしても許してはいけないことが起きてしまった。それは、対米戦争開始時、真珠湾攻撃を「日本の卑怯な騙し討ち」にしてしまった、許すべからざる外務省の出先機関の業務遅滞である。上智大学名誉教授・渡部昇一氏によるシリーズ「本当のことがわかる昭和史」第七章・第1回。
時間:6分11秒
収録日:2015年2月2日
追加日:2015年9月21日
≪全文≫
 これまでの章で、大東亜戦争に至る歴史の大きな流れを概説してきた。あの時代、さまざまな思惑により激動していく国際情勢の中で、日本人が何を考え、どう行動したかということに着目して、歴史を物語のように記述することを試みた。

 単純なる東京裁判史観ではけっして語れぬ部分があることを、おわかりいただけたのではないかと思う。そして日本人の正義、日本人のガッツの源がどこにあったのかも。

 しかし、国の名誉ということを考えた場合、どうしても許してはいけないことが起きてしまった。

 対米戦争開始時のこと──つまり、真珠湾攻撃を「日本の卑怯な騙し討ち」にしてしまった、許すべからざる外務省の出先機関の業務遅滞である。

 御前会議で対米戦が決定したあと、天皇陛下は東條英機首相に開戦手続きをきちんと行なうように伝え、山本五十六連合艦隊司令長官も、対米最後通告が間違いなく真珠湾攻撃前に届く手筈になっているかどうかを、何度も確認していた。

 現地時間で昭和16年(1941)12月6日の朝、東郷茂徳外務大臣からワシントンDCの駐米日本大使館に宛てて、「対米覚書を発信するので明日、本国からの訓令十四部が届き次第、アメリカ政府にいつでも手渡せるよう準備するように」と命じるパイロット電報が届いた。

 ところが6日夜は、戦後に『昭和天皇独白録』を書いたことでも知られる寺崎英成一等書記官の送別会があり、大使館員たちは出払っていた。翌朝7時に最後の十四部が届いたが、大使館員は出勤しておらず、大使館に膨大な電報が届いているのを見つけた海軍の実松譲駐在武官補佐官が大使館員に連絡したという。

 日本大使館には、最後通告をワシントン時間の12月7日午後零時半(日本時間の12月8日午前2時半、ハワイ時間の7日午前7時)にアメリカ政府に渡すよう命令があったが、そのあと30分繰り下げてワシントン時間の午後1時にアメリカ政府に渡すように指示された。そこでハル長官に1時に会ってもらうことにしたが、暗号解読とタイプが間に合わない。そこで、なんと彼らは、とんでもない判断を下した。ハル長官に電話をかけて、独断で「面会時間を延ばしてほしい」と頼んだのだ。結局、野村吉三郎大使と来栖三郎特命全権大使が最後通告をハル長官に手渡したのは1時間20分遅れの2時20分で、真珠湾攻撃後すでに50分が経っていた。

 これは...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹
戦国大名の外交、その舞台裏(1)戦国大名という地域国家
戦国時代とは何か?意外と知らない戦国大名と国衆の関係
丸島和洋
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
市川團十郎の歴史…圧倒的才能の初代から六代目までの奮闘
堀口茉純
戦国合戦の真実(1)兵の動員はこうして行なわれた
戦国時代の兵の動員とは?…無視できない農民の事情
中村彰彦

人気の講義ランキングTOP10
AI時代と人間の再定義(4)自分と出会うチャンス
人生はエネルゲイア――AIにない「自分と出会うチャンス」
中島隆博
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
これからの社会・経済の構造変化(2)経済的利益と社会課題解決の両立へ
利益か社会課題解決か…かつての日本企業の美点を取り戻せ
柳川範之
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(9)秀吉が作った公武統一政権と歴史のif
公武統一政権を作った秀吉の狙いとその歴史的意味
黒田基樹
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
「進化」への誤解…本当は何か?(9)AI時代の人間と科学の関係
科学は嫌われる!? なぜ「物語」のほうが重要視されるのか
長谷川眞理子
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
鎌田東二
内側から見たアメリカと日本(4)アメリカ労働史とトランプ支持層
ギャングの代わりに弁護士!? 壮絶なアメリカ労働史の変遷
島田晴雄