本当のことがわかる昭和史《7》歴史を愛する日本人の崇高な使命
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
戦後日本の姿を鋭く衝いた、ある戦争未亡人の歌がある
本当のことがわかる昭和史《7》歴史を愛する日本人の崇高な使命(7)「捧げし人のただに惜しまる」
渡部昇一(上智大学名誉教授)
〝かくまでに醜き国となりたれば 捧げし人のただに惜しまる〟 これは、ある戦争未亡人の歌だが、家族を「捧げた」親や妻や子供や弟妹も多かった。だが戦後日本は、日本の戦争は侵略戦争だったと断じ、国のために命を捧げた人々を「無駄死に」だと面罵して憚らない。上智大学名誉教授・渡部昇一氏によるシリーズ「本当のことがわかる昭和史」第七章・第7回。
時間:4分45秒
収録日:2015年2月2日
追加日:2015年9月21日
≪全文≫
「敗戦利得者」が他人を貶めて自分の地位を得ていくような戦後日本の姿を、鋭く衝いてやまない一首がある。

 昭和元年(1926)から半世紀にわたる昭和時代のさまざまな短歌を集めて取りまとめた『昭和万葉集』(講談社)という歌集に収録されている、ある戦争未亡人の歌である。

 かくまでに醜き国となりたれば 捧げし人のただに惜しまる

「捧げし人のただに惜しまる」という、その未亡人の気持ちが、私には痛いほどよくわかる。

 前章で紹介した「義烈空挺隊」をはじめとする、本当に勇敢で、本当に優秀だった若者たちが、あの戦争で数多く亡くなっている。彼らの胸の中には、日本の未来のために、そして日本とアジアの人々の幸せのために一身を捧げる、という思いが強くあったはずだ。自分の父を、夫を、兄を「捧げた」親や妻や子供や弟妹も多かったのだ。

 だが戦後日本は、日本の戦争は侵略戦争だったと断じ、国のために命を捧げた人々を「無駄死に」だと面罵して憚らない。しかも、そうすることでGHQに媚びを売り、自らの地位を固めた人々が偉そうにふんぞり返っている醜悪な姿が随所にあった。

 これでは、まさに「捧げし人のただに惜しまる」という心境にならざるをえない 。

 われわれは戦後、戦死した人たちは、ただただ「かわいそう」だと思わされてきた。しかし、武士の伝統からするならば、戦場で戦果を上げて立派に死んだら、それは非常に名誉なことであった。そもそも昔の日本人には「幸いなる死に方」という発想があった。

 われわれ現代の日本人はすっかり忘れているが、戦死者はただ憐れむべき存在ではないという考え方が、戦前では普通であったのである。「名誉の戦死」という考え方が一般であった。

 否、戦後日本のような「醜き国」ではない、世界中ほとんどの真っ当な国において、国のために戦場に散った人々の名誉は本当に大切にされている。当たり前のことである。その方々は、現在を生きるわれわれのために戦死されたようなものなのだから。むしろ、そういう戦死者を貶めることで禄を食むような人間は、心の底から軽蔑すべき対象以外の何物でもないのである 。

 戦場で普通の死に方をすれば、場合によっては無縁仏になる可能性があって、自分が死んだあと、誰も祈ってくれなくなる恐れがある。ところが靖国神社に祀られれば、無縁仏になることもなく、天皇陛下...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(1)「無任所大臣」が生まれた経緯
現代の「担当大臣」の是非は戦前の「無任所大臣」でわかる
片山杜秀
戦国武将の経済学(1)織田信長の経済政策
織田信長の経済政策…楽市楽座だけではない資金源とは?
小和田哲男
弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(1)弥生時代はいつ始まったのか
なぜ弥生時代の始まりが600年も改まった?定説改訂の背景
藤尾慎一郎
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹

人気の講義ランキングTOP10
インフレの行方…歴史から将来を予測する(2)明治以降の物価推移とインフレ率
戦後日本のハイパーインフレの真実…その時、何が起きたのか
養田功一郎
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
こどもと学ぶ戦争と平和(2)「本当の平和」とは何か
「平和」には2つある…今の日本は本当に平和なのか?
小原雅博
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(8)秀長の死の影響と秀吉政権の瓦解
「家康対奉行」の構図は真っ赤な嘘!? 秀吉政権瓦解の真相
黒田基樹
産業イニシアティブでつくるプラチナ社会(4)社会課題の解決に取り組む人財産業
メダカの学校・総合的な学習(探究)の時間・逆参勤交代
小宮山宏
AI時代に甦る文芸評論~江藤淳と加藤典洋(1)AIに代わられない仕事とは何か
江藤淳と加藤典洋――AI時代を生きる鍵は文芸評論家の仕事
與那覇潤
いま夏目漱石の前期三部作を読む(9)反知性主義の時代を生き抜くために
なぜ『門』なのか?反知性主義の時代を生き抜くヒント
與那覇潤
新しいアンチエイジングへの挑戦(6)ビタミンとお米とアンチエイジング
日本人に必要な栄養素は?幹細胞治療をどう考える?
堀江重郎
会計検査から見えてくる日本政治の実態(4)「給付金」の教訓
マイナンバーが生かせない…「三層分離」という大変な問題
田中弥生