本当のことがわかる昭和史《7》歴史を愛する日本人の崇高な使命
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「裁判」か「判決」か~問題はソクラテス裁判以来の話~
本当のことがわかる昭和史《7》歴史を愛する日本人の崇高な使命(14)東京裁判史観が崩れるとき
渡部昇一(上智大学名誉教授)
外務官僚たちは「日本は東京裁判を受諾した以上、謝罪し続けなければならない」や「中国には何をいわれても仕方がない」という趣旨の発言をしているが、こうした誤った東京裁判史観が、どれだけ日本の名誉を傷つけてきたことか。朝日新聞の一連の「誤報」のように、そのうち東京裁判史観も崩れるのではないか。上智大学名誉教授・渡部昇一氏によるシリーズ「本当のことがわかる昭和史」第七章・第14回。
時間:5分00秒
収録日:2015年2月2日
追加日:2015年9月24日
≪全文≫
 ちなみに、「裁判」を受諾するのか「判決」を受諾するのかという問題は、ソクラテス裁判以来の話である。

 ソクラテスはアテネの裁判で、青年たちを堕落させた罪を問われて死刑になり、収監された。脱獄を勧められたソクラテスは、裁判は受け入れ難いが、判決を受け入れなければ法治国家は成り立たないといい、刑死を選んだ。つまりあの時代に、ソクラテスは裁判と判決をはっきり区別していたのである。

 現代でも戸塚ヨットスクールの戸塚宏氏は、生徒が死んだとき、暴行致死でその親に訴えられ有罪にされた。しかし入獄中の戸塚氏は模範的だったので何度も刑期短縮の提案をなされたが、戸塚氏はすべて断り満期を務めて出所した。それは刑期短縮のためには「暴行致死させた」ことを認めなければならない。戸塚氏は業務上過失致死なら認めるが、暴行致死という「裁判」は認めなかった。しかし「判決」には法治国家の人間として従ったのである。ソクラテスのように。

 こうした区別を、日本政府がつけられないというのは、どういうことであろうか。外務官僚たちが、「日本は東京裁判を受諾した以上、謝罪し続けなければならない」とか「中国には何をいわれても仕方がない」という趣旨の発言をしているのを、私自身も直接聞いている。

 こうした誤った解釈が、どれだけ日本の名誉を傷つけてきたことか。シナをあのように図に乗らせ、「世界第二の経済大国」になってからもなお、ODA(政府開発援助)を提供し続けてきた根拠は、外務省のこうした誤った「東京裁判史観」にあるというほかはない。

 だが私は、朝日新聞の一連の「誤報」のように、そのうち東京裁判史観も崩れるのではないかと思っている。

 私はもう40年も朝日新聞社と論争を続けてきたが、同社はまるで「岩壁」のようだった。こちらが明らかに勝ってもまったく動じない。それでも金槌で叩き続けていれば、そのうちに崩れるときが来るのではないかと思い、40年間、その「岩壁」を叩き続けてきたのである。

 すると最近、意外なところから「岩壁」の崩落が始まった。その発端になったのが、福島第一原発の吉田昌郎元所長が残した「吉田調書」に関する誤報事件であった。次いで朝日新聞は、慰安婦を強制連行したと主張する吉田清治氏の証言、いわゆる「吉田証言」は虚偽だったとして、関連記事16本を取り消さざるをえなくなった。

 外...

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