本当のことがわかる昭和史《7》歴史を愛する日本人の崇高な使命
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
日本で消されたマッカーサー証言~一体誰の命令なのか~
本当のことがわかる昭和史《7》歴史を愛する日本人の崇高な使命(9)なぜ重要な証言が知られなかったのか
渡部昇一(上智大学名誉教授)
アメリカ上院軍事・外交合同委員会で語ったマッカーサー証言を、日本のマスコミは一切報道しなかった。アメリカで、その記事が出ていることを知らなかったわけではない。日本のマスコミは、マッカーサーが「日本は自衛のために戦った」と証言した部分を省いて報道しているのだ。上智大学名誉教授・渡部昇一氏によるシリーズ「本当のことがわかる昭和史」第七章・第9回。
時間:4分16秒
収録日:2015年2月2日
追加日:2015年9月21日
≪全文≫
 さて、マッカーサーが昭和26年(1951)5月3日に、アメリカ上院軍事・外交合同委員会で語ったマッカーサー証言の中でも特筆すべきは次の部分であろう。

 “Their purpose, therefore, in going to war was largely dictated by security.”
 (したがって彼らが戦争に飛び込んでいった動機は、大部分が安全保障の必要に迫られてのことだったのです)

 これは大変重要な言葉なので、私は学生に限らず多くの人に、これを英文で暗記することを勧めている。

 だが、このマッカーサー証言を使って、日本政府が歴史問題に対する反論を行なった例を私は知らない。それどころか、私が出会った外交官の中でマッカーサー証言を知っていたのはたった一人で、それも最近知遇を得た人である。私はこの分野ではまったくの素人だったが、こういう証言があることは噂で聞いていた。しかし実物を見なければ真実がわからないので、東大の小堀桂一郞氏に「だいたいこのあたりを調べていただけませんか」と依頼した。すると小堀氏は東大の新聞研究所でニューヨーク・タイムズ紙に出たマッカーサー証言を探し出し、ファックスを送ってくれた。小堀氏も、これは重要なことだと理解して探してくださったのである。

 その一部分を日本語に訳し、私は日本のメディアで初めてPHP研究所の月刊誌『Voice』に載せた。

 マッカーサーがこの証言をした昭和26年(1951)5月といえば、連合国による日本の占領がまだ続いていた頃だ。その当時、ニューヨーク・タイムズ紙にも出ているこんな重要なニュースが、日本の新聞あるいはNHKで放送されていたら、と思わずにはいられない。

 当時は、戦地から引き揚げてきた軍人たちが数多く生きていたから、彼らはどんなに喜んだことか。あるいは自分の夫や兄弟、親、親族が戦場で倒れたり亡くなった人たちも、「彼らの死はけっして無駄ではなかった。日本を守るために戦ってくれたんだ」と、もっと誇りに思ったのではないだろうか。

 ところが日本のマスコミは、このニュースを一切報道しなかった。

 彼らはアメリカで、その記事が出ていることを知らなかったわけではない。たとえば朝日新聞の縮刷版を見れば、マッカーサーが証言したことについての記事はきちんと出ている。だが、日本のマスコミは、マッカーサーが「日本は自衛のために戦った」と証言した部分を省いて報道しているのだ。

 あえ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
「武士の誕生」の真実(1)10世紀の東アジア情勢と「王朝国家」
武士は「お手本がない時代」だからこそ生まれた…武士誕生の真実と大唐帝国の解体
関幸彦
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
『三国志』から見た卑弥呼(1)『魏志倭人伝』の邪馬台国
異民族の記述としては異例な『魏志倭人伝』と邪馬台国
渡邉義浩
古代中国の「日常史」(1)日常史研究とは何か
『古代中国の24時間』英雄だけでなく無名の民に注目!
柿沼陽平
本当のことがわかる昭和史《5》満洲事変と石原莞爾の蹉跌(1)なぜ満洲が重要だったのか
放っておけば朝鮮はロシア領になりかねなかった
渡部昇一

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(35)鶴見太郎先生の公開収録を振り返る
【10min紹介】鶴見太郎先生の公開収録を振り返る・・・お寄せいただいた声
テンミニッツ・アカデミー編集部
本番に向けた「心と身体の整え方」(1)ディテールにこだわる
トップアスリートが実践する「自分の高め方」とは…まず集中のスイッチを入れる方法は?
為末大
「満洲」から考える日本とアジア(9)アヘンの実態と満洲開発
満洲国の開発とアヘン問題…アヘンが資金源となったのは事実だが「同時代の世界」と比較せねば真実はつかめない
宮脇淳子
50代からの親の介護~その課題と準備(2)マネジメントとしての介護
介護を「プロジェクト」と捉え、マネジャーに徹すべし
太田差惠子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(1)史上最大の問題作
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎