社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
「働き方改革」の実践で重要なのは管理職の働き方
あなたの会社ではノー残業デーを実施していますか? 実施している場合、その効果を実感できていますか?実は、ノー残業デーの前後の日は、かえってそのしわ寄せで残業時間が増えるというケースが少なくないそうです。こうした現状について、「一律にノー残業デーを取り入れても効果は薄い。大事なのはチーム、部署ごとの残業理由を分析して、個々に合った対策を取ること」と語るのは、株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長・小室淑恵氏。多くの企業でワーク・ライフバランスのコンサルティングを行っている経験から、「100社あれば100通りの働き改革があるはず」と断言します。
実は、地域社会で一番嫌われるのは、今まで地域でのコミュニケーションなど見向きもしなかったのに定年後に急に顔を出し、現役時代の仕事の話ばかりする人なのだそうです。「趣味や特技一本で自己紹介できるかっこいい定年後ライフのために、今から自己研鑚を積みましょう」というのが小室氏からの貴重なアドバイスです。
「仕事を捨てる・断る・ミニマムにする。この3つのリスクを管理者が引き受けること」も大事なポイントです。上から降ってくる仕事を部下に丸投げでは管理職失格です。部下を疲弊させないためにも、仕事の取捨選択を的確に行うことが肝要です。
最後のポイントは「時間と場所の柔軟さを報酬として活用すること」。親の介護、子どもの学校の用事、自身の通院などで昼間の数時間が必要な場合、その前後は出社せずに在宅勤務でカバーするといった柔軟な対応があってもいいでしょう。「会議は全員対面で」とこだわらないことも重要です。
いずれも、先に述べた管理職のワーク・ライフバランスに対する意識が基盤にあってこそのポイントということがよく分かりますね。
その一部をご紹介すると、たとえば「朝・夜メール」というものです。ブレークダウンした仕事内容を、朝、上司や同僚にメールで送り、一日の仕事を終えたあとその振り返りのためのメールを夜に送るというものです。この予定と実行のずれを振り返ってチェックしていくことで、内的要因に気づけるのが大きなメリットなのだとか。できなかったことは、ついつい「打ち合わせが長引いた」とか「急な仕事をふられた」などと外的要因のせいにしてしまいがちですが、実は自身の用意・知識の不足といった内的要因によるものだったということが案外多いのです。
その他、「タイマー会議」はご想像の通りタイマーを使って会議時間に制約を設けるというものですが、話の長い人がいるとじりじりとタイマーがその人に寄っていくというルールが何とも実践的かつ効果的ですね。
ということで、皆さんも「100社あれば100通りの働き方改革のやり方がある」を合言葉に、ご自分の会社、チームにあった方法を見つけてみませんか。もちろん、ワーク・ライフバランスを実践している管理職がキーマンとなるのは、言うまでもありません。
最も重要なのは管理職自身のワーク・ライフバランス
小室氏は働き方改革の実践において4つのポイントを挙げています。そのなかでもっとも重視しているのが、管理職自身のワーク・ライフバランスです。実際に、管理職の帰宅時間が遅い部署は部下の残業が多い傾向にあるため、管理職自身のワーク・ライフバランスを見直してほしいと、小室氏は言います。実は、地域社会で一番嫌われるのは、今まで地域でのコミュニケーションなど見向きもしなかったのに定年後に急に顔を出し、現役時代の仕事の話ばかりする人なのだそうです。「趣味や特技一本で自己紹介できるかっこいい定年後ライフのために、今から自己研鑚を積みましょう」というのが小室氏からの貴重なアドバイスです。
管理職が要となる働き方改革マネジメント
他の3つのポイントですが、1つは「時間制約を持たない部下はいないと認識すること」です。たとえば育児や障害を持つ親族がいるなど、誰にも事情はあると認識して、一部の人に甘えるような仕事の渡し方をしないということです。「仕事を捨てる・断る・ミニマムにする。この3つのリスクを管理者が引き受けること」も大事なポイントです。上から降ってくる仕事を部下に丸投げでは管理職失格です。部下を疲弊させないためにも、仕事の取捨選択を的確に行うことが肝要です。
最後のポイントは「時間と場所の柔軟さを報酬として活用すること」。親の介護、子どもの学校の用事、自身の通院などで昼間の数時間が必要な場合、その前後は出社せずに在宅勤務でカバーするといった柔軟な対応があってもいいでしょう。「会議は全員対面で」とこだわらないことも重要です。
いずれも、先に述べた管理職のワーク・ライフバランスに対する意識が基盤にあってこそのポイントということがよく分かりますね。
働き方改革実践のユニークな方法あれこれ
これらの4つのポイントに基づいて工夫された改革のための具体的な方法は、ネーミングを一見しただけでもかなり興味をそそられます。その一部をご紹介すると、たとえば「朝・夜メール」というものです。ブレークダウンした仕事内容を、朝、上司や同僚にメールで送り、一日の仕事を終えたあとその振り返りのためのメールを夜に送るというものです。この予定と実行のずれを振り返ってチェックしていくことで、内的要因に気づけるのが大きなメリットなのだとか。できなかったことは、ついつい「打ち合わせが長引いた」とか「急な仕事をふられた」などと外的要因のせいにしてしまいがちですが、実は自身の用意・知識の不足といった内的要因によるものだったということが案外多いのです。
その他、「タイマー会議」はご想像の通りタイマーを使って会議時間に制約を設けるというものですが、話の長い人がいるとじりじりとタイマーがその人に寄っていくというルールが何とも実践的かつ効果的ですね。
ストラップ一つで「残業」の意識づけが変わる
そうしたなかでもインパクトが大きいのは「ストラップ残業許可」なるもの。これは、残業する際には上司に申請してストラップをかけなければいけないというものですが、そのために非常に面倒くさい申請書類を書かないといけないのだそうです。かつ、ようやくもらったストラップは、背中一面ほどの大きさで、しかも毛筆で「定時までに仕事を終えられなかったので残業しています」と黒々と書かれているというのですから、このストラップは、残業はよく働く社員の証ではなく、「カッコ悪いもの」という意識づけに効果てきめんなのです。ということで、皆さんも「100社あれば100通りの働き方改革のやり方がある」を合言葉に、ご自分の会社、チームにあった方法を見つけてみませんか。もちろん、ワーク・ライフバランスを実践している管理職がキーマンとなるのは、言うまでもありません。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
宇宙とは何かを考えるうえで中国の古典である『荘子』・『淮南子(えなんじ)』に由来する「宇宙」という言葉が意味から考えてみたい。続いて、地球から始まり、太陽系、天の川銀河(銀河系)、局所銀河群、超銀河団、そして大...
収録日:2020/08/25
追加日:2020/12/13
知ってるつもり、過大評価…バイアス解決の鍵は「謙虚さ」
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(3)認知バイアスとの正しい向き合い方
人間がこの世界を生きていく上で、バイアスは避けられない。しかし、そこに居直って自分を過大評価してしまうと、それは傲慢になる。よって、どんな仕事においてももっとも大切なことは「謙虚さ」だと言う今井氏。ただそれは、...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/11/16
図書館の便利な活用法…全国の図書館からの「お取り寄せ」
歴史の探り方、活かし方(2)図書館「レファレンス」の活用
公共図書館では質の高い「レファレンス」サービスを提供しているが、活用する人は限られている。だが、実は全国の図書館ネットワークを縦横無尽に活用できる、驚くほどに便利な仕組みなのだ。今回は図書館のレファレンスで何が...
収録日:2025/04/26
追加日:2025/11/15
脳内の量子的効果――ペンローズ=ハメロフ仮説とは
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(2)量子論と空海密教の本質
「ワット・ビット連携」の概念がある。これは神経と血管の関係にも似ており、両者が密接に関係するところから、それをもとに人間の本質について考察していくことになる。また、中村天風の思想から着想を得て、人間の心には霊性...
収録日:2025/03/03
追加日:2025/11/13
偉大だったアメリカを全否定…世界が驚いたトランプの言動
内側から見たアメリカと日本(2)アメリカの大転換とトランプの誤解
アメリカの大転換はトランプ政権以前に起こっていた。1980~1990年代、情報機器と金融手法の発達、それに伴う法問題の煩雑化により、アメリカは「ラストベルト化」に向かう変貌を果たしていた。そこにトランプの誤解の背景があ...
収録日:2025/09/02
追加日:2025/11/11


