社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2017.09.25

今すぐできる!口臭の原因とその予防法

 自分の口臭がひどいのではないか心配になったことはありませんか?

 人は他人のにおいには敏感でも、自分のにおいには気付きにくいもの。知らず知らずのうちに口臭で他人に不快な思いをさせているかもしれない―と不安を覚える人も少なくありません。最近では口臭予防の商品も数多く販売され、口臭への関心も高まっています。

 では、なぜ口臭が発生するのでしょうか?口臭を予防する方法はないでしょうのか?今回は、悩んでいる人も多い、口臭についてお届けいたします。

そもそも口臭の原因とは?

 口臭がひどい人がいると、蓄膿症や糖尿病、舌がんなどの病気を疑う人が多いのではないでしょうか。しかし、口臭はこうした病気よりも、歯周病や虫歯といった口の中の病気が原因であることの方が多く、後者の割合が大半を占めています。口内環境が原因で発生する口臭は、口の中にいる細菌が食べかすや死んだ細胞を分解することで発生するガスによるもの。つまり、口の中を清潔に保つことができれば、そのガスの発生を抑えることができて、口臭は改善することができるのです。

口臭の二大発生源は舌と歯周ポケット

 口の中でも特に口臭が発生しやすいのは舌と歯周ポケットです。その理由と対策を紹介していきましょう。

[舌]
 自分の舌を鏡で見てみてください。健康な舌は赤い舌ですが、もし白っぽい苔が付着していたら、注意が必要かもしれません。それは舌苔(ぜったい)といって細菌や食べかすなどの汚れが付着したもので、過剰に付着している場合には口臭の大きな原因となります。

 舌苔を改善するために熱心に舌をみがく人もいますが、これは舌にとって良くないことなのでやめましょう。一生懸命に舌をみがきすぎると、味覚を感じなくなってしまうこともあるので注意が必要です。ただし、少量の舌苔があるのは当然のことなので、全部を取り除かなければいけないと思わなくても大丈夫です。舌苔は口内の乾燥やストレスが原因だといわれていますので、しつこくみがくよりも、しっかりうがい・歯みがきを徹底して口内を綺麗にして、体をリラックスさせてあげましょう。そうすれば舌苔も減っていくはずです。

[歯周ポケット]
 口臭の原因を作る細菌が固まってできた歯垢は、時間が経つと歯石になり、最終的には歯周病の原因となります。これらが原因となって歯と歯ぐきの間に歯周ポケットができてしまうと、口臭の原因へとつながってしまいます。歯周ポケットの汚れは歯みがきでなかなか届かないために落とせなくなってしまい、そこに膿や歯垢がたまることによって口臭が発生してしまうのです。

 対策としては、ていねいに歯みがきをすることと、定期的に歯科健診へ受けること。セルフケアでは歯垢をすべて取り除くことはできないので、歯科医院でのプロフェッショナルケアを受けるようにしましょう。また、虫歯や歯周病の早期の発見にもつながりますので、口内環境を健康に保つためにも定期的に受診することをおすすめします。

唾液の分泌

 口内環境を清潔に保つには、唾液の分泌が欠かせません。唾液は汚れを洗い流し、細菌が繁殖しないようにする働きを持っているからです。しかし、唾液はストレスや緊張、加齢などさまざまな要因によって減少することがあります。そんなときには水分をとるようにして、口内が乾かないように気をつけましょう。

 いかがでしたか。口臭を気にすることはエチケットとしても大切なことなので、セルフケアで改善できることにはぜひ取り組んでいきましょう。しかし、気をつけたいのは口臭を気にするあまり、自分で口臭がひどいのではないかと思い込みすぎてしまうこともあります。あまり気にしすぎてしまうとそれがストレスになってしまい、口臭の遠因にもなってしまいます。最近では口臭をはかるブレスチェッカーも発売されていますので、そうしたツールを用いて調べてみるのも良いでしょう。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?

日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?

内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か

アメリカは一体どうなってしまったのか。今後どうなるのか。重要な同盟国として緊密な関係を結んできた日本にとって、避けては通れない問題である。このシリーズ講義では、ほぼ1世紀にわたるアメリカ近現代史の中で大きな結節点...
収録日:2025/09/02
追加日:2025/11/10
2

近代医学はもはや賞味期限…日本が担うべき新しい医療へ

近代医学はもはや賞味期限…日本が担うべき新しい医療へ

エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(3)医療の大転換と日本の可能性

ますます進む高齢化社会において医療を根本的に転換する必要があると言う長谷川氏。高齢者を支援する医療はもちろん、悪い箇所を見つけて除去・修理する近代医学から統合医療への転換が求められる中、今後世界の医学をリードす...
収録日:2025/03/03
追加日:2025/11/19
3

知ってるつもり、過大評価…バイアス解決の鍵は「謙虚さ」

知ってるつもり、過大評価…バイアス解決の鍵は「謙虚さ」

何回説明しても伝わらない問題と認知科学(3)認知バイアスとの正しい向き合い方

人間がこの世界を生きていく上で、バイアスは避けられない。しかし、そこに居直って自分を過大評価してしまうと、それは傲慢になる。よって、どんな仕事においてももっとも大切なことは「謙虚さ」だと言う今井氏。ただそれは、...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/11/16
今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授
4

成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ

成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ

経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本

組織のまとめ役として、どのように接すれば部下やメンバーの成長をサポートできるか。多くの人が直面するその課題に対して、「経験学習」に着目したアプローチが有効だと松尾氏はいう。では経験学習とは何か。個人、そして集団...
収録日:2025/06/27
追加日:2025/09/10
松尾睦
青山学院大学 経営学部経営学科 教授
5

「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ

「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ

「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造

宇宙とは何かを考えるうえで中国の古典である『荘子』・『淮南子(えなんじ)』に由来する「宇宙」という言葉が意味から考えてみたい。続いて、地球から始まり、太陽系、天の川銀河(銀河系)、局所銀河群、超銀河団、そして大...
収録日:2020/08/25
追加日:2020/12/13
岡朋治
慶應義塾大学理工学部物理学科教授