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部下を追い詰める「クラッシャー上司」の対処法
今、「クラッシャー上司」という言葉がたいへん注目されています。実際、グーグル検索をかけてみると、たくさんのニュース記事で取り上げられており、ウィキペディアにも多くの情報が寄せられていることから、注目度の高さを伺い知ることができます。
さて、みなさんは、この危険な「クラッシャー上司」という存在について、どのくらい知っていますか。以下、「クラッシャー上司」とは何か、その対策について検証していきたいと思います。
ただし、その上司自身は「基本的に能力があって、仕事ができる」ため、「会社がその問題性に気づいてもその者を処分することはできない」ということです。
クラッシャー上司には、2つの大きな特徴があって、「他人への共感性の欠如」しており、「自分は善であるという確信があって」、まるで悪気がないのだそうです。
みなさんのまわりにこんな上司はいませんか。著者の松崎一葉さんは、「一部上場企業の役員のうち数人は『クラッシャー上司』がいる」と書いています。
「組織の中で理不尽なことを言われた時に、やれることは二つしかない。相手を追い抜くか、自分が辞めるかだ。文句を言っていても変わらないので、僕は追い抜く方を選んでいた。自分の立場が上になれば、何も言われなくなる」
プロ野球という厳しい世界で勝ち抜いてきた里崎さんらしい回答です。
ただし、これは万人が真似できる方法ではありません。『クラッシャー上司』の著者・松崎さんは、自力だけで解決しようとせずに、信頼できる人に「自分の弱い面をさらす」ことで、周囲に助けを求めることを勧めています。
また、人がクラッシャー上司になってしまう理由について、前掲書『クラッシャー上司』では、両親との関係から生まれる「歪んだ自己愛」に起因することを指摘しています。これは、子ども時代を引きずる「愛着障害」とも言い換えることができるかもしれません。『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』(岡田尊司著、光文社)では、「愛着障害」の特徴として共感性が乏しく、安定した対人関係を築きにくいことを指摘しています。
日本の「メンバーシップ型雇用」に対して、欧米では「ジョブ型雇用」が主流です。この2つのネーミングは『働く女子の運命』の著者・濱田桂一郎さんによるものです。
簡単にいうと、日本では就職すると会社の「メンバー」になることが求められます。いったん企業のメンバーとなると、雇用は基本的に保証される一方で、突然で理不尽な指令も受け入れなければなりません。他方で「ジョブ型」は職務が特定されるため、理不尽な指令が降ってくることは滅多にありません。
日本ではいま、「働き方改革」が政治の大きなテーマとなっています。「メンバーシップ型雇用」はクラッシャー上司だけでなく、ブラック企業、長時間労働などさまざまな問題の温床になっているといわれています。今後は、メンバーシップ型雇用の長所を残しつつ、ゆるやかに「ジョブ型」に移行していくことを期待したいですね。
さて、みなさんは、この危険な「クラッシャー上司」という存在について、どのくらい知っていますか。以下、「クラッシャー上司」とは何か、その対策について検証していきたいと思います。
一部上場企業の役員のうち数人は「クラッシャー上司」
『クラッシャー上司 平気で部下を追い詰める人たち』(松崎一葉著、PHP研究所)によると、クラッシャー上司とは、一言で言うと「部下を精神的に潰しながら、どんどん出世していく人」のこと。もっと具体的にいうと、部下を「奴隷のように扱い、失敗するとネチネチ責め続け、結果的に潰していく」上司のことです。ただし、その上司自身は「基本的に能力があって、仕事ができる」ため、「会社がその問題性に気づいてもその者を処分することはできない」ということです。
クラッシャー上司には、2つの大きな特徴があって、「他人への共感性の欠如」しており、「自分は善であるという確信があって」、まるで悪気がないのだそうです。
みなさんのまわりにこんな上司はいませんか。著者の松崎一葉さんは、「一部上場企業の役員のうち数人は『クラッシャー上司』がいる」と書いています。
元プロ野球選手が語る「クラッシャー上司」克服法
ビジネス書『エリートの倒し方 天才じゃなくても世界一になれた僕の思考術50』の著者であり、元プロ野球選手の里崎智也さんは、「ニュースイッチ」の記事で「クラッシャー上司」の克服法について、次のように、語っています。「組織の中で理不尽なことを言われた時に、やれることは二つしかない。相手を追い抜くか、自分が辞めるかだ。文句を言っていても変わらないので、僕は追い抜く方を選んでいた。自分の立場が上になれば、何も言われなくなる」
プロ野球という厳しい世界で勝ち抜いてきた里崎さんらしい回答です。
ただし、これは万人が真似できる方法ではありません。『クラッシャー上司』の著者・松崎さんは、自力だけで解決しようとせずに、信頼できる人に「自分の弱い面をさらす」ことで、周囲に助けを求めることを勧めています。
なぜ、その人はクラッシャー上司になってしまうのか
「ニューズウィーク日本版」の『サイコパス』(中野信子著、文藝春秋)書評で、印南敦史さんは、クラッシャー上司が、共感性が低く、人の弱みにつけこむのがうまい「サイコパス」の特徴と類似していると指摘しています。世の中に100人に1人はいると言われている「サイコパス」を知ることも、クラッシャー上司の対策に役に立つかもしれません。また、人がクラッシャー上司になってしまう理由について、前掲書『クラッシャー上司』では、両親との関係から生まれる「歪んだ自己愛」に起因することを指摘しています。これは、子ども時代を引きずる「愛着障害」とも言い換えることができるかもしれません。『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』(岡田尊司著、光文社)では、「愛着障害」の特徴として共感性が乏しく、安定した対人関係を築きにくいことを指摘しています。
日本の「メンバーシップ型雇用」の功罪
クラッシャー上司の問題は、本人だけではなく、クラッシャー上司を生み出してしまう社会構造自体にも注目すべきでしょう。それは、松崎さんも指摘していることですが、日本の「メンバーシップ型雇用」が大きな要因となっています。日本の「メンバーシップ型雇用」に対して、欧米では「ジョブ型雇用」が主流です。この2つのネーミングは『働く女子の運命』の著者・濱田桂一郎さんによるものです。
簡単にいうと、日本では就職すると会社の「メンバー」になることが求められます。いったん企業のメンバーとなると、雇用は基本的に保証される一方で、突然で理不尽な指令も受け入れなければなりません。他方で「ジョブ型」は職務が特定されるため、理不尽な指令が降ってくることは滅多にありません。
日本ではいま、「働き方改革」が政治の大きなテーマとなっています。「メンバーシップ型雇用」はクラッシャー上司だけでなく、ブラック企業、長時間労働などさまざまな問題の温床になっているといわれています。今後は、メンバーシップ型雇用の長所を残しつつ、ゆるやかに「ジョブ型」に移行していくことを期待したいですね。
<参考文献・参考サイト>
・『クラッシャー上司 平気で部下を追い詰める人たち』(松崎一葉著、PHP研究所)
・『サイコパス』(中野信子著、文藝春秋)
・『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』(岡田尊司著、光文社)
・『働く女子の運命』(濱田桂一郎著、文藝春秋)
・ニュースイッチ:「天才じゃなくても世界一になれた思考術」
http://newswitch.jp/p/10509
・T-SITE:身近な「サイコパス」から身を守るための知識
http://top.tsite.jp/news/news/o/34438652/index
・『クラッシャー上司 平気で部下を追い詰める人たち』(松崎一葉著、PHP研究所)
・『サイコパス』(中野信子著、文藝春秋)
・『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』(岡田尊司著、光文社)
・『働く女子の運命』(濱田桂一郎著、文藝春秋)
・ニュースイッチ:「天才じゃなくても世界一になれた思考術」
http://newswitch.jp/p/10509
・T-SITE:身近な「サイコパス」から身を守るための知識
http://top.tsite.jp/news/news/o/34438652/index
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