社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
なぜ日本人には「がん」が多いのか?
よく知られていることですが、日本人の死因で最も多いのは「がん」です。「がん」は1980年代から現在にいたるまで、ずっと死因トップの座に居座り続けています。
2017年9月20日の日本経済新聞によると、国立がん研究センターは「2017年にがんと診断される人は101万4000人」、「がんで死亡する人は37万8000人」になると発表しました。どちらも過去最多であり、人生100年時代と言われるほど長寿化が進む日本では「高齢化を背景に、今後も患者は増加する見通しだ」としています。
それにしても、なぜ日本人にはこんなにも「がん」が多いのでしょうか。
まず、日本が世界を代表する長寿国であることを理由として挙げています。これは上述した日本経済新聞の解説とも合致しています。
それから、「日本の医療が発達していること」をもうひとつの理由として挙げています。「矛盾しているようですが」と前置きしつつ、「医療技術が発達すればするほど、がん以外の病気で死ぬことが少なくなるのです」と説明しています。
「不適切な治療法」というのは、日本では体に負担の大きい手術を特別にありがたがる「手術信仰」が根強く、時に手術より有効な放射線治療や抗がん剤治療の普及が遅れてしまっているという意味です。
日本は、がんの早期発見を導く内視鏡技術が世界でもトップレベルなのですが、医師の技術格差によって24%もの早期発見の見逃しが起こっているのだそうです。今回の記事は、AIによって、その見逃しを補完できるようになるであろうことを伝えています。
技術の進歩に従って、PRESIDENT Onlineの記事とは逆に、これからは「医療が発達すればするほど」がんが減っていくことを大いに期待したいですね。
2017年9月20日の日本経済新聞によると、国立がん研究センターは「2017年にがんと診断される人は101万4000人」、「がんで死亡する人は37万8000人」になると発表しました。どちらも過去最多であり、人生100年時代と言われるほど長寿化が進む日本では「高齢化を背景に、今後も患者は増加する見通しだ」としています。
それにしても、なぜ日本人にはこんなにも「がん」が多いのでしょうか。
医療が発達しているから「がん」が多い?
「がん」が日本人の死因第1位である本当の理由、というPRESIDENT Onlineの記事では、2つの理由から日本人にがんが多い理由を説明しています。まず、日本が世界を代表する長寿国であることを理由として挙げています。これは上述した日本経済新聞の解説とも合致しています。
それから、「日本の医療が発達していること」をもうひとつの理由として挙げています。「矛盾しているようですが」と前置きしつつ、「医療技術が発達すればするほど、がん以外の病気で死ぬことが少なくなるのです」と説明しています。
高齢化、食事の変化、不適切な治療法
「週刊現代」の記事「研究 欧米ではどんどん減っているのに なぜ、日本人ばかりががんで死ぬのか」では、「がんの死亡数が増え続けているのは、先進国では日本だけ」、また「30年で2倍に増えた」という実態を伝え、増加の原因として第一に「高齢化」、つづいて「食事の変化」「不適切な治療法」を挙げています。「不適切な治療法」というのは、日本では体に負担の大きい手術を特別にありがたがる「手術信仰」が根強く、時に手術より有効な放射線治療や抗がん剤治療の普及が遅れてしまっているという意味です。
AI活用でがんの早期発見見逃しリスクを大幅削減
他方、がん治療の技術に関して朗報もあります。BUSINESS INSIDER JAPANでは「AI活用でがんの見逃しリスクを大幅削減」という記事を報じています。日本は、がんの早期発見を導く内視鏡技術が世界でもトップレベルなのですが、医師の技術格差によって24%もの早期発見の見逃しが起こっているのだそうです。今回の記事は、AIによって、その見逃しを補完できるようになるであろうことを伝えています。
技術の進歩に従って、PRESIDENT Onlineの記事とは逆に、これからは「医療が発達すればするほど」がんが減っていくことを大いに期待したいですね。
<参考サイト>
・日本経済新聞:がん診断101万人 今年、高齢化で最多に 国立がんセンター予測(2017/9/20)
https://www.nikkei.com/article/DGXLZO21298590Z10C17A9CR8000/
・国立がん研究センター:2017年のがん統計予測
http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/short_pred.html
・PRESIDENT Online:「がん」が日本人の死因第1位である本当の理由
http://president.jp/articles/-/17280
・BUSINESS INSIDER:「AI活用でがんの見逃しリスクを大幅削減」
https://www.businessinsider.jp/post-104951
・日本経済新聞:がん診断101万人 今年、高齢化で最多に 国立がんセンター予測(2017/9/20)
https://www.nikkei.com/article/DGXLZO21298590Z10C17A9CR8000/
・国立がん研究センター:2017年のがん統計予測
http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/short_pred.html
・PRESIDENT Online:「がん」が日本人の死因第1位である本当の理由
http://president.jp/articles/-/17280
・BUSINESS INSIDER:「AI活用でがんの見逃しリスクを大幅削減」
https://www.businessinsider.jp/post-104951
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
なぜやる気が出ないのか…『それから』の主人公の謎に迫る
いま夏目漱石の前期三部作を読む(5)『それから』の謎と偶然の明治維新
前期三部作の2作目『それから』は、裕福な家に生まれ東大を卒業しながらも無気力に生きる主人公の長井代助を描いたものである。代助は友人の妻である三千代への思いを語るが、それが明かされるのは物語の終盤である。そこが『そ...
収録日:2024/12/02
追加日:2025/03/30
このように投資にお金を回せば、社会課題も解決できる
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(6)日本の課題解決にお金を回す
国内でいかにお金を生み、循環させるべきか。既存の大量資金を社会課題解決に向けて循環させるための方策はあるのか。日本の財政・金融政策を振り返りつつ、産業育成や教育投資、助け合う金融の再構築を通した、バランスの取れ...
収録日:2024/12/04
追加日:2025/03/29
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
人生の中で、さまざまな決断を迫られる50代。特にサラリーマンはその先の生き方について考えさせられる時期だ。作家・江上剛氏も、大きな「50代の壁」にぶつかり、人生が大きく変わったと言う。1997年に起こった第一勧銀総会屋...
収録日:2021/08/31
追加日:2021/11/09
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
ショーヴィニズム(排外主義)、反エリート主義、反多元性を特徴とする政治勢力が台頭するなどポピュリズムと呼ばれる動きが活発化する中、「デモクラシーは大丈夫なのか」という危惧がかなり強まっている。アメリカのトランプ...
収録日:2024/09/11
追加日:2025/03/28
「知識の爆発」の時代、不可欠なのは世界の全体像の把握
知識の構造化のために(1)テンミニッツTVの問題意識
現在の世界において、世界の全体像を把握するのは非常に困難である。知識の爆発が起き、専門家でさえ、状況を網羅的に理解するのが不可能になっている。その際に有効な方法は、各分野において信頼できる専門家を複数見つけ、そ...
収録日:2019/07/19
追加日:2019/09/01