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人間関係に疲れる職場…その解決策は?
		        	    
 「なかなか疲れがとれない」「眠ってもスッキリしない」という悩みはありませんか。脳科学者の梶本修身さんは、そうしたすべての疲労の原因は脳が原因と指摘しています。すべての疲労が脳が原因だったなんて驚きですね。
梶本さんの著書『すべての疲労は脳が原因3 <仕事編>』(集英社新書)によると、仕事とその人間関係によるストレスによって自律神経のバランスをくずし、心身ともに疲労困ぱいとなっているビジネスパーソンがとても多いのだそうです。
そこで、今回はとりわけ、過労や長時間労働、クラッシャー上司や人事評価など、問題の絶えない「職場」において、どうすれば「疲れない人間関係を築く」ことができるかに焦点を絞って、梶本さんの専門の疲労医学の視点から解決策を探っていきたいと思います。
脳疲労を溜めないための鍵となるのが情報を俯瞰する脳の力、すなわち「メタ認知」です。全体がどうなっているのか、俯瞰する能力とも言えるでしょう。
メタ認知を高めることで、次に何が起こるかを推測するシミュレーション能力が上がり、無駄な労力を減らすことができます。
ただし、メタ認知を最大限活用するためには心の通ったコミュニケーションが欠かせません。なぜなら、真のコミュニケーションを通してこそ、相手との関係を見極めることができるからです。
真のコミュニケーションができるかどうかは、相手との適切な距離を判断する材料になります。また、弱さの「共感」に基づいた信頼関係は、メタ認知にかかる負担を軽減してくれるはずです。
とはいえ、コミュニケーションが苦手な人が、いきなり「信頼関係の構築を」「周囲に気を配りながら会話をする」と言われてもあまりピンとこないでしょう。そこで梶本さんの技術的なアドバイスも紹介します。鍵となるのは「笑い」です。
「笑い」といっても、無理に相手の笑いをとろうと頑張るのではなく、自分からできるだけ笑顔を見せていくのです。これには科学的根拠があります。
ミラーニューロンという神経細胞の働きです。ミラーニューロンには、ミラーが鏡という意味であることから分かるように、相手の動きや表情を鏡のように脳に映して自分に取り込む働きがあるのだそうです。
つまり、自分が笑顔でいればまわりも笑顔になっていくというわけです。コミュニケーションが苦手という方は、まず笑顔を見せることから始めてみてください。
「仲間はずれ」を恐れる意識は疲労を招きます。つまり、あまり気が進まない飲み会は疲労を招くコミュニケーションと言えるわけですが、部下からしてみれば、参加する以外に選択肢はありません。状況を変えられるのは企業や上司、強い立場にいる人たちです。梶本さんは「企業は同調圧力による無理強いの会合はやめるべき」と述べています。
ダイヤモンド オンラインの記事では、同僚と連れ立ってランチに行くことにも注意を促し、会社に1日8時間以上身を置いているのであれば、せめて休憩時間1時間は、ひとりでいるようにしてくださいとのべています。
以上のように脳疲労を防ぐ方法はたくさんあります。自分の立場でできることからぜひ実践してみてください。
		        梶本さんの著書『すべての疲労は脳が原因3 <仕事編>』(集英社新書)によると、仕事とその人間関係によるストレスによって自律神経のバランスをくずし、心身ともに疲労困ぱいとなっているビジネスパーソンがとても多いのだそうです。
そこで、今回はとりわけ、過労や長時間労働、クラッシャー上司や人事評価など、問題の絶えない「職場」において、どうすれば「疲れない人間関係を築く」ことができるかに焦点を絞って、梶本さんの専門の疲労医学の視点から解決策を探っていきたいと思います。
脳疲労を溜めないための鍵は「メタ認知」
職場で疲れない人間関係を築くとは、要するに、職場の人間関係によってストレスを溜めないということです。ストレスを溜めないためには、脳疲労を溜めないようにする。言い換えれば、「脳が楽」でいることを目指すようにしればいいわけです。脳疲労を溜めないための鍵となるのが情報を俯瞰する脳の力、すなわち「メタ認知」です。全体がどうなっているのか、俯瞰する能力とも言えるでしょう。
メタ認知を高めることで、次に何が起こるかを推測するシミュレーション能力が上がり、無駄な労力を減らすことができます。
職場でメタ認知を最大限活用する方法
もちろん、職場の人間関係においてもメタ認知は活用できます。メタ認知によって、組織の規模と現状、自分が置かれた状況を把握することができます。大事なのは、脳疲労の原因となる人間関係をきちんと認識することです。脳疲労の原因となる人間関係が突き止められたら、その関係とは距離を置くようにしましょう。ただし、メタ認知を最大限活用するためには心の通ったコミュニケーションが欠かせません。なぜなら、真のコミュニケーションを通してこそ、相手との関係を見極めることができるからです。
勇気を持って自分の弱さをさらけ出す
真のコミュニケーションとは、必ずしも上手なコミュニケーションとは限りません。小手先のコミュケーションスキルで得た人間関係は非常に脆いと言えます。たとえコミュニケーションが苦手でも、つくろわずに勇気を持って自分の弱さをさらけ出すことでこそ、本当の信頼関係を構築することができるのです。真のコミュニケーションができるかどうかは、相手との適切な距離を判断する材料になります。また、弱さの「共感」に基づいた信頼関係は、メタ認知にかかる負担を軽減してくれるはずです。
「笑顔」から始まる信頼関係
NIKKEI STYLEの記事によると、会話は疲れにくい脳をつくることにつながるのだそうです。この記事において梶本さんは「テレビ司会者のように、場の空気を読んだコミュニケーション力が高い人ほど、脳全体の機能を使えていて、脳が疲れにくい」と指摘。つまり、「職場でも周囲に気を配りながら会話をすること」で、脳疲労をふせぐことができるわけです。とはいえ、コミュニケーションが苦手な人が、いきなり「信頼関係の構築を」「周囲に気を配りながら会話をする」と言われてもあまりピンとこないでしょう。そこで梶本さんの技術的なアドバイスも紹介します。鍵となるのは「笑い」です。
「笑い」といっても、無理に相手の笑いをとろうと頑張るのではなく、自分からできるだけ笑顔を見せていくのです。これには科学的根拠があります。
ミラーニューロンという神経細胞の働きです。ミラーニューロンには、ミラーが鏡という意味であることから分かるように、相手の動きや表情を鏡のように脳に映して自分に取り込む働きがあるのだそうです。
つまり、自分が笑顔でいればまわりも笑顔になっていくというわけです。コミュニケーションが苦手という方は、まず笑顔を見せることから始めてみてください。
上司が部下のためにできること
日本のネガティブな国民性として「同調圧力」がよく指摘されます。これは職場においてもよくみられる特徴です。たとえば、職場の飲み会。「あまり行きたくないけど、上司や同僚になにを言われるか分からないから行かないとな…」と嫌々参加している方も少なくないでしょうか。「仲間はずれ」を恐れる意識は疲労を招きます。つまり、あまり気が進まない飲み会は疲労を招くコミュニケーションと言えるわけですが、部下からしてみれば、参加する以外に選択肢はありません。状況を変えられるのは企業や上司、強い立場にいる人たちです。梶本さんは「企業は同調圧力による無理強いの会合はやめるべき」と述べています。
ダイヤモンド オンラインの記事では、同僚と連れ立ってランチに行くことにも注意を促し、会社に1日8時間以上身を置いているのであれば、せめて休憩時間1時間は、ひとりでいるようにしてくださいとのべています。
以上のように脳疲労を防ぐ方法はたくさんあります。自分の立場でできることからぜひ実践してみてください。
<参考文献・参考サイト>
・『すべての疲労は脳が原因3 <仕事編>』(梶本修身著、集英社)
・ダイヤモンド オンライン:「同僚と連れだってランチに行く人」は疲れやすい
http://diamond.jp/articles/-/143543?page=2
・NIKKEI STYLE:すべての疲れは「脳の疲れ」 脳疲労をためない新習慣
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO10437250Y6A201C1000000?channel=DF260120166496
			            
		            ・『すべての疲労は脳が原因3 <仕事編>』(梶本修身著、集英社)
・ダイヤモンド オンライン:「同僚と連れだってランチに行く人」は疲れやすい
http://diamond.jp/articles/-/143543?page=2
・NIKKEI STYLE:すべての疲れは「脳の疲れ」 脳疲労をためない新習慣
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO10437250Y6A201C1000000?channel=DF260120166496
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