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世界で最も「評判の良い国」はどこなのか?
「評判の良い国ランキング」をご存じでしょうか。アメリカの企業コンサルティング会社レピュテーション・インスティテュート(RI)が、国の評判を調査研究するために2008年から実施している年次調査のことです。
最新の2018年度版は今年(2018年)3~4月に主要8か国、いわゆるG8(フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ、ロシア)の各国約5万8千人から得た回答を集計して、6月に発表されました。ランキングの対象となったのは、国民総生産(GDP)が高水準でありG8での認知度が51%以上という条件を満たす55か国です。
1位:スウェーデン
2位:フィンランド
3位:スイス
4位:ノルウェー
5位:ニュージーランド
6位:オーストラリア
7位:カナダ
8位:日本
9位:デンマーク
10位:オランダ
スウェーデンを筆頭に北欧諸国が多くトップ10入りしている一方で、主要8か国はカナダと日本のみ。しかし日本はアジア諸国唯一のトップ10入りで、しかも昨年は圏外の12位だったところから順位を急上昇させており、なかなか健闘したといえるでしょう。
確かに日本は四季の移り変わりが美しく、日本人は親切だと海外の人々に言われることが多いですよね。ほかのランキングを見てみると、アメリカのオンライン旅行会社・エクスペディアが2009年に発表した「観光客のマナーがいい国ランキング」では、日本人が1位。イギリスの航空サービス格付け会社・Skytraxが今年発表した「世界で最も素晴らしい空港ランキング」では、東京国際空港(羽田空港)が3位、中部国際空港セントレアが7位で、日本や日本人が世界中から好意的に感じられていることがわかります。
さらに2020年には東京オリンピックが開催されるため、日本の注目度は現在とても上がっています。日本を訪れたいと思う人が世界中で増えていることが、今回のランキングの順位急上昇を後押ししたと考えられるでしょう。
ただし日本は、ブラック企業やパワハラがたびたび問題になったり、性的マイノリティーの人々の権利が守られていなかったりと、政策では後れを取っている部分があります。1位のスウェーデンは世界に先駆けて両親が対象の育休制度を導入しており、同性婚が法律で認められているなど、多くの人が暮らしやすい政策の国として有名です。1位と8位の差はこのようなところに原因があるのかもしれません。
アメリカの今年の順位は34位とふるいませんでした。実は昨年38位だったので少しランクアップしていますが、一昨年には28位だったため、昨年から急に順位を落としたまま伸び悩んでいるのが現状です。
この大きな原因は、昨年1月に就任したドナルド・トランプ大統領と考えられます。トランプ大統領はアメリカの利益を最優先する発言が多く、移民を拒否する壁をつくるなど、外国や外国人に厳しい政策を取っています。政治家が自国を守るのは当然ですが、あまりに排他的な態度でいると「評判の良い国」のランキングではマイナス評価になってもしかたがないでしょう。
ロシアのランキングはさらに低迷しており、今年の順位は52位。G8中の最下位です。これは領土が隣り合わせのジョージアやウクライナとの国境紛争をかかえていることや、欧米諸国へサイバー攻撃を仕掛けたことなど、人道的に問題ある行為が目立った点にマイナス評価が与えられた結果と考えられます。
自分の利益ばかり求めていると、「評判の良い国」にはなれないことがよくわかりますね。すべての人が仲良く幸せに生きられる倫理的な国が、これからの国際社会では高く評価されるのでしょう。
最新の2018年度版は今年(2018年)3~4月に主要8か国、いわゆるG8(フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ、ロシア)の各国約5万8千人から得た回答を集計して、6月に発表されました。ランキングの対象となったのは、国民総生産(GDP)が高水準でありG8での認知度が51%以上という条件を満たす55か国です。
世界各国の評判が一目瞭然のランキング
気になるランキングの中身ですが、トップ10は次のようになりました。1位:スウェーデン
2位:フィンランド
3位:スイス
4位:ノルウェー
5位:ニュージーランド
6位:オーストラリア
7位:カナダ
8位:日本
9位:デンマーク
10位:オランダ
スウェーデンを筆頭に北欧諸国が多くトップ10入りしている一方で、主要8か国はカナダと日本のみ。しかし日本はアジア諸国唯一のトップ10入りで、しかも昨年は圏外の12位だったところから順位を急上昇させており、なかなか健闘したといえるでしょう。
日本急上昇の要因はやはり…?
それではなぜ、日本はここまで順位を上げたのでしょうか。その理由は明確に語られていませんが、RI社では「美しい景観」、「フレンドリーな国民性」、「倫理的な政策」などが高評価につながる要因としています。確かに日本は四季の移り変わりが美しく、日本人は親切だと海外の人々に言われることが多いですよね。ほかのランキングを見てみると、アメリカのオンライン旅行会社・エクスペディアが2009年に発表した「観光客のマナーがいい国ランキング」では、日本人が1位。イギリスの航空サービス格付け会社・Skytraxが今年発表した「世界で最も素晴らしい空港ランキング」では、東京国際空港(羽田空港)が3位、中部国際空港セントレアが7位で、日本や日本人が世界中から好意的に感じられていることがわかります。
さらに2020年には東京オリンピックが開催されるため、日本の注目度は現在とても上がっています。日本を訪れたいと思う人が世界中で増えていることが、今回のランキングの順位急上昇を後押ししたと考えられるでしょう。
ただし日本は、ブラック企業やパワハラがたびたび問題になったり、性的マイノリティーの人々の権利が守られていなかったりと、政策では後れを取っている部分があります。1位のスウェーデンは世界に先駆けて両親が対象の育休制度を導入しており、同性婚が法律で認められているなど、多くの人が暮らしやすい政策の国として有名です。1位と8位の差はこのようなところに原因があるのかもしれません。
大国だから上位に入るわけではない
このように、「評判の良い国ランキング」は必ずしも経済大国が上位にランクインするわけではありません。むしろ伸び悩んでいる経済大国も多く見られます。中でもその傾向を強く感じられるのがアメリカとロシアでしょう。アメリカの今年の順位は34位とふるいませんでした。実は昨年38位だったので少しランクアップしていますが、一昨年には28位だったため、昨年から急に順位を落としたまま伸び悩んでいるのが現状です。
この大きな原因は、昨年1月に就任したドナルド・トランプ大統領と考えられます。トランプ大統領はアメリカの利益を最優先する発言が多く、移民を拒否する壁をつくるなど、外国や外国人に厳しい政策を取っています。政治家が自国を守るのは当然ですが、あまりに排他的な態度でいると「評判の良い国」のランキングではマイナス評価になってもしかたがないでしょう。
ロシアのランキングはさらに低迷しており、今年の順位は52位。G8中の最下位です。これは領土が隣り合わせのジョージアやウクライナとの国境紛争をかかえていることや、欧米諸国へサイバー攻撃を仕掛けたことなど、人道的に問題ある行為が目立った点にマイナス評価が与えられた結果と考えられます。
自分の利益ばかり求めていると、「評判の良い国」にはなれないことがよくわかりますね。すべての人が仲良く幸せに生きられる倫理的な国が、これからの国際社会では高く評価されるのでしょう。
<参考サイト>
・Jihirog:世界国別評判ランキング(2018年) - 世界で評判の良い国は?
http://app.m-cocolog.jp/t/typecast/671889/563688/89566641
・ITmedia:世界の空港ランキング、日本の空港が上位に
http://www.itmedia.co.jp/business/spv/1803/23/news096.html
・Jihirog:世界国別評判ランキング(2018年) - 世界で評判の良い国は?
http://app.m-cocolog.jp/t/typecast/671889/563688/89566641
・ITmedia:世界の空港ランキング、日本の空港が上位に
http://www.itmedia.co.jp/business/spv/1803/23/news096.html
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