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DATE/ 2018.08.25

【仕事と年収】刑務官(25歳女性)

 今回は「刑務官」の方に年収などのリアルなお金事情、その仕事の内容をうかがいました。

【年齢】25歳(女性)
【住まい】佐賀県
【独身or既婚】独身

経歴を教えてください。

 高校を卒業後、刑務官採用試験に合格。地元で公務員になりたくて決めました。8年目。

年収/月収/賞与について教えてください。

 年収450万円、月収26万、賞与は70万。勤務年数に応じ昇給、階級や役職により変動。

貯蓄額はおいくらですか?

 500万円。

年間休日は?

 1カ月で平均8日間。

仕事の内容は?残業はどれぐらい?

 部門により大幅に違いますが、私の業務内容は受刑者をひたすら監視しています。食事、作業、部屋での行動。入浴の日は入浴の監視。外部へ手紙の発信があるときは、受刑者の手紙を集めます。医務への連行、面会室への連行などです。細かな業務報告業務もあります。

 残業は日に1~2時間で月20時間くらいです。

この仕事の良い点は?

 お給料面では満足していますが、良いところは?と聞かれると難しいところです。同世代も多いために仕事の不安や悩みは相談しやすいかもしれません。また、比較的にお休みが取りやすい時期もあります。また受刑者が素直に相談にくると嬉しい気持ちにはなります。

この仕事の悪い点は?

 良いところもなかなか思い浮かびませんが、悪いところも難しいところです。正直、お給料が良い分、ある程度は我慢できてしまえるところがあります。

 ただ現場に出る前の研修が大変だったことや寮も同僚と同室になる場合があったりするのは、苦痛でした。勤務時間によっては、深夜勤務もありますので、慣れるまでが大変です。同世代で出世が早い看守もいるため、気を遣うこともたくさんあります。

 また、受刑者もさまざまなタイプがいます。トラブルメーカーになりやすい受刑者や、問題児の連行や監視は大変なことは確かです。高齢者も多く、夏だと熱中症も多いので、深夜の巡回については、昼より緊張感があります。

――――――――――

 「刑務官」の仕事と年収、いかがでしたでしょうか?

 国税庁の平成28年度の民間給与実態統計調査では、20代後半の平均年収は351万円。女性の場合は、309万円となっています。この方も給料には満足しているとおっしゃっていますが、25歳の女性で年収450万円は、同世代の平均を大きく上回っています。

 仕事の悪いところも高い給料で我慢できてしまうとおっしゃっていますが、このような仕事の捉え方もありなのかもしれません。

<参考サイト>
・国税庁HP「民間給与実態統計調査」より
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2016/pdf/001.pdf
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