社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
世界で最も平和な国・危険な国はどこなのか?
日本は世界的にも安全な国だと言われています。たしかに、平和や安全について、日本は長い間、安定した状況を保ってきていると言えるでしょう。ですが、世界規模で見てみるとまた違った状況があるようです。たとえば、戦死者は増加傾向にあり、難民は世界人口の1%近くに達しています。今回はこういったデータをまとめている「世界平和度指数(GPI)」をもとに、世界の平和と危険の現状を見てみましょう。
この評価によると、現在の世界の平和度は、過去10年の内でも低い状況にあります。
アイスランドといえば、先のサッカーワールドカップでアルゼンチン代表と引き分けて大いに盛り上がりましたよね。サポーターの繰り出す「バイキング・チャント」にも注目が集まりました。またこのとき、アイスランド国内でテレビを見ていた人の99.6%が試合を観戦していたということも、話題になりました。
アイスランドはヨーロッパの北方にある島国。面積は北海道よりやや大きく、人口はおよそ35万人。NATO加盟国ですが、自国の軍備はありません。1951年よりアメリカと防衛協定を結び、米軍の駐留を認めていましたが、米国の事情で2006年に撤退しています。現在は、アメリカとの二国間防衛協定に基づき、アメリカによるアイスランド防衛が保証されています。また、水産業が盛んで、日本で流通している「ししゃも」の多くがアイスランド産とのことです。
IEPの創始者で会長のスティーブ・キルリー氏は、「平和は破壊するよりも、築き上げる方がずっと難しい、ということが研究の結果、分かっています。指数の底辺にいる国々が長期化する紛争から抜け出せないでいる理由の一つです」と述べています。
以下は2018年のランキングトップ10です。右の数字はスコアで、数字が小さい方がさまざまな不安要素が小さいことを示しています。
1位:アイスランド 1.096
2位:ニュージーランド 1.192
3位:オーストリア 1.274
4位:ポルトガル 1.318
5位:デンマーク 1.353
6位:カナダ 1.372
7位:チェコ 1.381
8位:シンガポール 1.382
9位:日本 1.391
10位:アイルランド 1.393
ヨーロッパの国々が多い印象はあります。アジアからはシンガポールと日本がランクインしています。しかし、ヨーロッパ諸国を一括りに平和だと考えるのは早計なようです。スペインの順位は10位後退して30位。これは、国内の政治的緊張と、テロの影響の高まりが原因です。また、過去10年間に、政治不安、テロの影響の高まり、犯罪性の認知の高まりなどが原因となって、ヨーロッパの61%を占める各国で平和度は後退しています。
「世界平和度指数」とは
世界平和度指数(GPI : Global Peace Index)とは、シドニーに本部を置く国際的独立系シンクタンク「経済平和研究所」(Institute for Economics and Peace)(IEP)が毎年発表しているレポートです。最新版は第12版、対象は世界163の国と地域で、大きく「治安」(犯罪率、暴力犯罪の数、政治テロなど)、「内戦・戦争」(内戦・戦争の有無、隣国関係など)、「軍事化」(軍事支出、核兵器などの武力、軍従事者の割合など)といった3つ分野にまたがる23の指標を作成し、平和の状態を評価しています。この評価によると、現在の世界の平和度は、過去10年の内でも低い状況にあります。
「世界平和度指数」ランキング1位はアイスランド
国別トップはアイスランドで、08年以降11年連続して首位を維持しています。犯罪率が非常に低く、1年に殺人が起こる確率は10万人あたり1.8人で、これはアメリカの3分の1ほどとのこと。アイスランドといえば、先のサッカーワールドカップでアルゼンチン代表と引き分けて大いに盛り上がりましたよね。サポーターの繰り出す「バイキング・チャント」にも注目が集まりました。またこのとき、アイスランド国内でテレビを見ていた人の99.6%が試合を観戦していたということも、話題になりました。
アイスランドはヨーロッパの北方にある島国。面積は北海道よりやや大きく、人口はおよそ35万人。NATO加盟国ですが、自国の軍備はありません。1951年よりアメリカと防衛協定を結び、米軍の駐留を認めていましたが、米国の事情で2006年に撤退しています。現在は、アメリカとの二国間防衛協定に基づき、アメリカによるアイスランド防衛が保証されています。また、水産業が盛んで、日本で流通している「ししゃも」の多くがアイスランド産とのことです。
「世界平和度指数」ランキング最下位はシリア
最下位である163位はシリアです。シリアでは、アサド政権や化学兵器の問題に対するアメリカとロシアの対立、イスラム教原理主義組織の問題など、あらゆる問題が絡み混沌とした状況が続いています。やはり今回の調査上も厳しい状況を示しています。国連の試算によると、この7年間続いている内戦での、物的損害はおよそ4000億ドル(44兆円)に上るとされています。IEPの創始者で会長のスティーブ・キルリー氏は、「平和は破壊するよりも、築き上げる方がずっと難しい、ということが研究の結果、分かっています。指数の底辺にいる国々が長期化する紛争から抜け出せないでいる理由の一つです」と述べています。
「世界平和度指数」ランキング日本は9位
2018年の日本のランキングは9位です。普段感じている治安や安全の意識では、かなり上位なのではないか、という期待もあったかと思いますが、ぎりぎりのトップ10という感じでしょうか。ちなみに遡ると、2015年は8位、2016年は9位、2017年は10位という推移です。以下は2018年のランキングトップ10です。右の数字はスコアで、数字が小さい方がさまざまな不安要素が小さいことを示しています。
1位:アイスランド 1.096
2位:ニュージーランド 1.192
3位:オーストリア 1.274
4位:ポルトガル 1.318
5位:デンマーク 1.353
6位:カナダ 1.372
7位:チェコ 1.381
8位:シンガポール 1.382
9位:日本 1.391
10位:アイルランド 1.393
ヨーロッパの国々が多い印象はあります。アジアからはシンガポールと日本がランクインしています。しかし、ヨーロッパ諸国を一括りに平和だと考えるのは早計なようです。スペインの順位は10位後退して30位。これは、国内の政治的緊張と、テロの影響の高まりが原因です。また、過去10年間に、政治不安、テロの影響の高まり、犯罪性の認知の高まりなどが原因となって、ヨーロッパの61%を占める各国で平和度は後退しています。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,300本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
次の時代は絶対にアメリカだ…私費で渡米した原敬の真骨頂
今求められるリーダー像とは(3)原敬と松下幸之助…成功の要点
猛獣型リーダーの典型として、ジェネラリスト原敬を忘れてはならない。ジャーナリスト、官僚、実業家、政治家として、いずれも目覚ましい実績を上げた彼の人生は「賊軍」出身というレッテルから始まった。世界を見る目を養い、...
収録日:2024/09/26
追加日:2024/11/20
国の借金は誰が払う?人口減少による社会保障負担増の問題
教養としての「人口減少問題と社会保障」(4)増え続ける社会保障負担
人口減少が社会にどのような影響を与えるのか。それは政府支出、特に社会保障給付費の増加という形で現れる。ではどれくらい増えているのか。日本の一般会計の収支の推移、社会保障費の推移、一生のうちに人間一人がどれほど行...
収録日:2024/07/13
追加日:2024/11/19
だべったら生存期間が倍に…ストレスマネジメントの重要性
新しいアンチエイジングへの挑戦(1)患者と伴走する医者の存在
「百年健康」を旗印に健康寿命の延伸とアンチエイジングのための研究が進む医療業界。そうした状況の中、本職である泌尿器科の診療とともにデジタルセラピューティックス、さらに遺伝子を用いて生物としての年齢を測る研究など...
収録日:2024/06/26
追加日:2024/10/10
石破新総裁誕生から考える政治家の運と『マカーマート』
『マカーマート』から読む政治家の運(1)中世アラブの知恵と現代の日本政治
人間とりわけ政治家にとって運がいいとはどういうことか。それを考える上で読むべき古典がある。それが中世アラブ文学の古典で教養人必読の書ともいえる、アル・ハリーリー作の『マカーマート』である。巧みなウィットと弁舌が...
収録日:2024/10/02
追加日:2024/10/19
遊女の実像…「苦界と公界」江戸時代の吉原遊郭の二面性
『江戸名所図会』で歩く東京~吉原(1)「苦界」とは異なる江戸時代の吉原
『江戸名所図会』を手がかりに江戸時代の人々の暮らしぶりをひもとく本シリーズ。今回は、遊郭として名高い吉原を取り上げる。遊女の過酷さがクローズアップされがちな吉原だが、江戸時代の吉原には違う一面もあったようだ。政...
収録日:2024/06/05
追加日:2024/11/18