社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
世界の富裕層の移住先として人気の国は?
南アフリカ・モーリシャスの金融機関であるアフレイシャバンク・モーリシャスの調査によると、2018年、海外に移住した富裕層の人数は10万8,000人で、2017年から14%増加したそうです。彼らの移住先として選ばれる国とは、どんな国なのでしょうか。
<富裕層の流入が多かった国(2018年)>
1位 オーストラリア/12,000人
2位 アメリカ/10,000人
3位 カナダ/4,000人
富裕層が住みそうな国といえばアメリカを思い浮かべますが、ビジュアル・キャピタリストは富裕層が移住先にオーストラリアを選ぶ理由を、アメリカと比べて「経済成長が堅調」「子育てしやすく安全」「相続税がなく、医療費も低い」ためと分析しています。
流入数第2位のアメリカについては、ニューヨーク、ロサンゼルス、マイアミ、サンフランシスコといった都市に1,000人以上の富裕層が移住しているといいます。いずれも利便性が高く、経済的に安定している都市が人気のようです。今後の事業展開の拠点とすることを考慮しての移住とも考えられるでしょう。
<富裕層の流出が多かった国(2018年)>
1位 中国/15,000人(2%)
2位 ロシア/7,000人(6%)
3位 インド/5,000人(2%)
※( )内はその国の富裕層全体から見た割合
今回のランキングで、日本はいずれもランク外。その理由は、もともと富裕層と言われる人の数が少ないことや、所得税が最高で45%、相続税が55%と他国に比べて非常に高く、富裕層に厳しい環境であることが考えられます。治安が非常に良く、食文化も豊かで住みやすいといわれる日本ですが、世界の富裕層にとっては、その税率の高さが移住の最大のネックとなるようです。
今はさほどでないにしろ、日本人富裕層が税率の低さを求めてどんどん海外へ流出してしまうのではないかと懸念する声も上がっています。
いっぽう、マレーシアは「日本人が住みたい国」ランキング(ロングステイ財団)で2006年から2018年まで13年連続1位と、魅力的な移住先として今もっとも注目を浴びている国です。相続税がないうえ物価が日本の約1/3と安く、アジアの中でも比較的治安が良いこと、一年を通して温暖な気候でしかも親日家が多い、という点が評価されているようです。
「暮らしやすさを求めて移住する」という選択肢は徐々に浸透してきているものの、海外となるとまだまだハードルが高いのが現状です。充分な資金、資産がなければ、思い切った移住は難しいでしょう。もちろん、費用だけでなく言語や食習慣、治安、コミュニティの構築など、考慮すべきことはたくさんあります。
しかし場合によっては、日本にいるよりもずっとメリットがあり、快適だと感じられることもたくさんあるのも事実。もし移住を考えているのであれば、どんな暮らしがしたいか、移住先に何を求めているかをまず明確にすると良いでしょう。
最も人気の移住先はオーストラリア
アフレイシャバンク・モーリシャスは、富裕層を「資産が100万ドル(約1億1190万円)以上を越える人」と定義したうえで、各国の富裕層の流出入数を調査。その結果、富裕層の移住先としてもっとも選ばれている国は、4年連続でオーストラリアが1位になったと発表しました。カナダのニュースメディアである「ビジュアル・キャピタリスト」は、このアフレイシャバンク・モーリシャスのデータをもとにマップを作成。富裕層の移動を視覚化したことが話題となっています。<富裕層の流入が多かった国(2018年)>
1位 オーストラリア/12,000人
2位 アメリカ/10,000人
3位 カナダ/4,000人
富裕層が住みそうな国といえばアメリカを思い浮かべますが、ビジュアル・キャピタリストは富裕層が移住先にオーストラリアを選ぶ理由を、アメリカと比べて「経済成長が堅調」「子育てしやすく安全」「相続税がなく、医療費も低い」ためと分析しています。
流入数第2位のアメリカについては、ニューヨーク、ロサンゼルス、マイアミ、サンフランシスコといった都市に1,000人以上の富裕層が移住しているといいます。いずれも利便性が高く、経済的に安定している都市が人気のようです。今後の事業展開の拠点とすることを考慮しての移住とも考えられるでしょう。
出国する富裕層が最も多いのは中国
逆に、富裕層が最も多く他国へ出て行ってしまっているのは中国の15,000人となっています。一見大変な数に見えますが、これは富裕層の全体の2%でしかなく、ビジュアル・キャピタリストは「(中国は)失った数以上の億万長者を生み出し続けている」と述べています。<富裕層の流出が多かった国(2018年)>
1位 中国/15,000人(2%)
2位 ロシア/7,000人(6%)
3位 インド/5,000人(2%)
※( )内はその国の富裕層全体から見た割合
今回のランキングで、日本はいずれもランク外。その理由は、もともと富裕層と言われる人の数が少ないことや、所得税が最高で45%、相続税が55%と他国に比べて非常に高く、富裕層に厳しい環境であることが考えられます。治安が非常に良く、食文化も豊かで住みやすいといわれる日本ですが、世界の富裕層にとっては、その税率の高さが移住の最大のネックとなるようです。
今はさほどでないにしろ、日本人富裕層が税率の低さを求めてどんどん海外へ流出してしまうのではないかと懸念する声も上がっています。
日本の富裕層が好む移住先は?
それでは、日本人富裕層に人気の移住先とはどんな国でしょうか。調べてみたところ、各メディアによって調査方法はさまざまなので一概には言えませんが、もともと日本人居住者の多いアメリカや中国、オーストラリアのほか、ニュージーランド、シンガポール、そしてマレーシアの名前が目立ちました。特にニュージーランドとシンガポールは外国人富裕層の受け容れに寛容で、移住先の企業へ一定の金額以上の投資をすれば永住権を獲得できるという敷居の低さが、人気上昇の理由のひとつのようです。いっぽう、マレーシアは「日本人が住みたい国」ランキング(ロングステイ財団)で2006年から2018年まで13年連続1位と、魅力的な移住先として今もっとも注目を浴びている国です。相続税がないうえ物価が日本の約1/3と安く、アジアの中でも比較的治安が良いこと、一年を通して温暖な気候でしかも親日家が多い、という点が評価されているようです。
資産があれば「海外移住」の選択肢はアリ
世界の富裕層に人気の国と、その理由をご紹介しました。いかがでしたか? 読んでみて「海外に住んでみたい!」「リタイア後は海外でゆっくりしたい」と思われた方も多いのではないでしょうか。「暮らしやすさを求めて移住する」という選択肢は徐々に浸透してきているものの、海外となるとまだまだハードルが高いのが現状です。充分な資金、資産がなければ、思い切った移住は難しいでしょう。もちろん、費用だけでなく言語や食習慣、治安、コミュニティの構築など、考慮すべきことはたくさんあります。
しかし場合によっては、日本にいるよりもずっとメリットがあり、快適だと感じられることもたくさんあるのも事実。もし移住を考えているのであれば、どんな暮らしがしたいか、移住先に何を求めているかをまず明確にすると良いでしょう。
<参考サイト>
・Infographic: Mapping the Global Migration of Millionaires│Visual Capitalist
https://www.visualcapitalist.com/global-migration-of-millionaires/
Global Wealth Migration Review 2019 - AfrAsia Bank Mauritius│AfrAsia Bank
https://www.afrasiabank.com/en/about/newsroom/global-wealth-migration-review-2019
・億万長者に人気な国が一目で分かるマップ│GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20190419-millionaire-map/
・「ロングステイ希望国・地域2018」トップ10を発表│一般財団法人 ロングステイ財団
http://www.longstay.or.jp/newslist/open/entry-3456.html
・なぜマレーシアは日本人の海外移住先として人気なのか?│HEDGE GUIDE
https://hedge.guide/feature/why-is-malaysia-popular-destination-for-overseas-migration.html
・Infographic: Mapping the Global Migration of Millionaires│Visual Capitalist
https://www.visualcapitalist.com/global-migration-of-millionaires/
Global Wealth Migration Review 2019 - AfrAsia Bank Mauritius│AfrAsia Bank
https://www.afrasiabank.com/en/about/newsroom/global-wealth-migration-review-2019
・億万長者に人気な国が一目で分かるマップ│GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20190419-millionaire-map/
・「ロングステイ希望国・地域2018」トップ10を発表│一般財団法人 ロングステイ財団
http://www.longstay.or.jp/newslist/open/entry-3456.html
・なぜマレーシアは日本人の海外移住先として人気なのか?│HEDGE GUIDE
https://hedge.guide/feature/why-is-malaysia-popular-destination-for-overseas-migration.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
“社会人学習”できていますか? 『テンミニッツTV』 なら手軽に始められます。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
垂秀夫元中国大使に習近平中国と米中関係の実態を聞く
編集部ラジオ2025(23)垂秀夫元中国大使が語る習近平中国
今回の編集部ラジオでは、垂秀夫先生(元日本国駐中華人民共和国特命全権大使)にお話しいただいた講義を紹介します。垂先生は『日中外交秘録』(文藝春秋)という本を発刊されていますが、その帯コピーに版元が記したキャッチ...
収録日:2025/09/29
追加日:2025/10/09
トランプ政権は実は与しやすい?…ディールで「時間稼ぎ」
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(4)トランプ大統領VS.中国
「トランプ2.0」は、中国からどのように見えているのだろうか。たしかにトランプ関税は、現在非常に悪い状況にある中国経済にとって厄介だが、しかし実は中国にとっては、ひたすらアメリカ・ファーストで、体制批判や民主化・人...
収録日:2025/07/01
追加日:2025/10/09
無限の可能性に挑め…国家経営を創造し、新時代の憲法を!
松下幸之助の人づくり≪3≫理想の政治(1)国家に経営理念があれば、もっと日本は発展する
企業の個々の活動の基礎となる基本的な考え方であり、社員たちの行動指針となる「経営理念」――。「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助は、国家においてもこれが必要だと考えていた。幸之助が抱いていた国家経営理念のイメージと...
収録日:2015/06/17
追加日:2016/01/07
アブダクションは間違える…でも人間社会の発展に不可欠
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(3)アブダクションと人間の創造性
ある概念を理解するためには、いくつかの事例をもとにその概念の適用範囲を見定めるような推論を働かせる必要がある。いわば「点から面」へのそうした推論は「アブダクション」と呼ばれ、人間社会の発展に欠かせない役割を果た...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/10/07
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
組織のまとめ役として、どのように接すれば部下やメンバーの成長をサポートできるか。多くの人が直面するその課題に対して、「経験学習」に着目したアプローチが有効だと松尾氏はいう。では経験学習とは何か。個人、そして集団...
収録日:2025/06/27
追加日:2025/09/10