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DATE/ 2019.07.23

世界で最も「裕福」な国は?日本は何位?

 アメリカ、中国、日本、ドイツ、イギリス、フランス、インド。これらはGDP(国内総生産)が世界トップレベルの国々です。しかし、単に国のGDPが高いからといって、その国が「裕福」だとは限りません。

 IMF(国際通貨基金)は、1人あたりの購買力平価(PPP)に基づいたGDPによる世界の国・地域のランキングを公表しています。このランキングでは冒頭のいわゆる経済大国はトップ10入りすらしていません。国民のひとりひとりが「裕福」な国とはどんな国なのか。トップ5をご紹介します。

意外なトップ5の顔ぶれ

 IMFのランキングは昨年2018年4月のデータです。順位の傾向としては、冒頭の経済大国とは大きく異なり、人口が少なく国土の狭い国・地域がランクインしています。トップ5は以下の通り。1位カタール、2位マカオ、3位ルクセンブルク、4位シンガポール、5位アイルランドでした。

 一方、アメリカは12位、ドイツは18位、イギリスは28位、フランスは29位、日本は30位でした。日本とフランスはほぼ同等に位置していることになります。中国やインドはさらに下位となりました。

外国人労働者への依存

 1位のカタールは2022年のワールドカップの開催予定国です。人口はおよそ270万人。そのうちなんとカタール人の人口はわずか1割ほどとなります。日本人からすると驚くべきことですが、IMFのランキングの上位の国々はカタールと同じ傾向があります。外国人労働者に大きく依存しているわけです。

 カタールの主要産業は天然ガスや石油など天然資源です。天然資源産業がGDPの半分以上を占めています。生活面においては、教育や医療、電気などは政府から無料で提供されています。

 2位のマカオといえば、言わずと知れたカジノ都市です。実はカタール同様、マカオも医療費は無料です。15歳までの義務教育の教育費も無料となっています。高福祉な社会を実現しています。

本当の豊かさとは何か

 3位ルクセンブルクと4位シンガポールは金融が経済を支えています。やはりこの2つの国も外国人の労働力に支えられています。国土面積に関して、ルクセンブルクに至っては、たったの2500平方キロメートルほどしかありません。日本でいうと、神奈川県ほどのサイズです。

 最後の5位アイルランドはEUの勝ち組と言われ、長らく欧州トップの経済成長率を達成しています。しかしながら、英国と米国への貿易依存度が高いことからブレグジットやトランプ外交の動向によって経済が大きく左右されると言われています。

 国連は、一人当たりGDP健康寿命、社会的寛容さなどを尺度に幸福度ランキングを公表しています。2019年版では1位はフィンランド、2位はデンマーク、3位はノルウェー、4位アイスランド、5位オランダでした。高福祉の北欧の国々がトップを占めているのが特徴です。日本は58位でした。

 尺度によってランキングは大きく変動しますが、日本について言えば、GDPは高いものの、国民ひとりひとりの富や幸福度は低水準です。貧富の格差も大きく広がりつつあり、日本社会の将来は決して明るいとは言えないでしょう。幸福とは何か。本当の豊かさとは何か。ひとりひとりが問い、考えるべき時代に差し掛かっています。

<参考サイト>
GDP per capita, current prices│IMF
https://www.imf.org/external/datamapper/PPPPC@WEO/OEMDC/ADVEC/WEOWORLD
(10MTV編集部)

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