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DATE/ 2020.10.24

外務省が紹介する世界の雑学ランキング

 世界で最も面積が大きい国はどこでしょうか。また、世界で一番小さい国はバチカン市国ですが、2番目に小さい国はどこでしょう。確信をもって答えられるひとは意外と少ないのではないでしょうか。ここでは外務省が子供向けに分かりやすく解説しているサイト、「キッズ外務省」の「世界いろいろ雑学ランキング」をもとに、意外な雑学をご紹介します。子供向けのサイトですが、大人が読んでも「へぇ」と思わず言ってしまう雑学の宝庫です。

世界一大きな国と小さな国

 大きさというところから見てみましょう。面積の比較で、もっとも大きな国はどこでしょうか。そんなことは知っている、世界の雑学には自信がある、社会のテストはいつも満点だった、というひとはぜひ同サイト内にある「キッズ外交官検定のコーナー」に進んでみることをお勧めします。腕試しにもってこいです。以降、ここでは「キッズ外務省」のランキングから、調べた情報などを加えてご紹介します。ということで、以下は面積の大きな国ランキングトップ5です。数字の単位は平方キロメートル(1万未満四捨五入)。

1位 ロシア 1,710万
2位 カナダ 998万
3位 アメリカ合衆国 983万
4位 中華人民共和国 960万
5位 ブラジル 851万

 1位はロシアです。筆者のイメージでは中国だったのですが、なんとロシアは中国のおよそ2倍近くの面積があるようです。中国の人口は世界最多ですが、面積では4位。国土としてはアメリカの方が少し広いのですね。

 続いて以下、面積の小さな国ランキングトップ5です。数字の単位は平方キロメートル。

1位 バチカン 0.44
2位 モナコ 2
3位 ナウル 21
4位 ツバル 26
5位 サンマリノ 61

 バチカン市国はローマ教皇がいるカトリックの総本山。ローマ市の一角にありますが、1929年から独立国家です。2位はモナコ公国、フランス南部に広がる地中海のリゾート地、コートダジュールと呼ばれるエリアで、近くにはフランスのニース、カンヌといった有名な都市があります。モナコ公国は日本の皇居(外苑含む)と同じくらいの大きさですが、人口は38,682人。人口の少ない国ランキングでは9位ですが、面積から考えればかなりの密度です。3位のナウル共和国と4位のツバルは、オーストラリアとハワイの間に位置する島国。5位のサンマリノ共和国はあまり知られていませんが、バチカンと同様にイタリアにある独立国家です。山の頂の要塞なのですが、その歴史は4世紀までさかのぼるとのこと。景観や歴史どちらもかなり特徴的な国です。

日本の人口は世界で何位?

 次に人口を見てみましょう。世界一人口が多いのは中国、2位はインド、というところまでは比較的知っている人も多いのではないでしょうか。では3位はどこでしょう。面積世界一のロシアは? 日本は? 世界の人口はいま、どれくらいなのでしょうか。以下、人口の多い国ランキングトップ10。数字は人口です。

1位 中華人民共和国(中国) 13億9,273万
2位 インド 13億5,261万7,328
3位 アメリカ合衆国 3億2,716万7,434
4位 インドネシア 2億6,766万3,435
5位 パキスタン 2億1,221万5,030
6位 ブラジル 2億946万9,333
7位 ナイジェリア 1億9,587万4,740
8位 バングラデシュ 1億6,135万6,039
9位 ロシア 1億4,447万8,050
10位 日本 1億2,652万9,100
世界の人口 77億1,500万

 3位はアメリカ合衆国。ただし、中国とインドが13億人以上とずば抜けているので、アメリカの3億が霞みます。ちなみに国連の資料によると、2030年にはインドの人口が中国を追い越す試算のようです。日本は第10位。今後日本の人口は減少するようですが、現状ではロシアと近いです。

外交官は最難関の国家公務員

 「キッズ外務省」のランキングからは、世界の多様性の一端が分かると言っていいでしょう。私たちは世界をこのようにデータ越しに見ますが、現実世界では外交官が現地の多様な人たちと日夜コミュニケーションをとり、私たちの代表として働いています。外交官という職業は普段何をしているのかはっきりとはイメージできないという人も多いのではないでしょうか。

 外交官の主な仕事は、平常時は現地での情報収集をしたり、条約締結などの交渉をしたりすることです。立場としては、国家公務員ですが総合職や一般職とは異なり、外務省が独自に作成した試験で採用されます。総合職採用は例年30名程度と少なく、国家公務員の中でも最難関。海外赴任中はさまざまな手当がつき、場所や役職によっては年収1000万円から3000万円くらいになるとのこと。

 ただし、責任は重大です。担当国でテロなどの危険な状況が起これば、最前線に立って在留邦人の安全のための対策を考え、現地国と交渉を行います。もちろんかなりの語学力が必要ですが、それだけでは務まりません。相手が誰であれ物怖じせず、また積極的にコミュニケーションを取り、いざという時には状況を冷静に判断して行動することも求められます。私たちが安心して海外に出かけられる背景には、外交官の日々の努力があるとも言えるのではないでしょうか。
 
<参考サイト>
・世界いろいろ雑学ランキング│外務省
https://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/ranking/index.html
・外交官とは|キャリアガーデン
https://careergarden.jp/gaikoukan/
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一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授