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世界で最も「売れた本」ランキング
世界で最も「売れた本」と問われたとき、あなたはどの本を思い浮かべるでしょうか。2021年、【世界で最も「売れた本」ランキング・トップ10】は、以下のように推定されています。
【世界で最も「売れた本」ランキング・トップ10】
1位『聖書』:推定50~60億部以上
2位『毛主席語録』:推定9億部以上
3位『コーラン』:推定8億部
4位『ドン・キホーテ』:推定5~6億部
5位『二都物語』:推定2億部
6位『指輪物語』:推定1億5500万部
7位『星の王子さま』:推定1億4200万部
8位『ハリー・ポッターと賢者の石』:推定1億2000万部
9位『紅楼夢』:推定1億部
9位『そして誰もいなくなった』:推定1億部
9位『不思議の国のアリス』:推定1億部
9位『ホビットの冒険』:推定1億部
※但し、推定販売部数は各国の統計の違い、シリーズや複数巻にわたるタイトルのカウント方法の違いなどによって流布しているデータにも変動があるため、2位以下のランキングに異説があることはご了承ください。
「The Book」「the Book of Books」とも称される『聖書』は、文字通り桁違い、さらにいえば統計不可能レベルの“世界で最も「売れた本」”です。また、“世界で最も多く翻訳された本”でもあり、“世界で最も多くの人に読まれている本”でもあります。
2位『毛主席語録』(販売部数:推定9億部以上)は、中国共産党の主席であった毛沢東の名言集です。携帯できるハンディサイズで、共産党を象徴する赤色の汚れ防止のビニール製表紙で販売されたため、「小さな赤い本(The Little Red Book)」と通称されました。
編集された当初は一般には未公開でしたが、1966年に一般用に出版された際、中国の全国民に所有することが義務づけられました。そして、同年の中国の人口が約8億人であったことなどを考慮し、上記の販売部数と推定されています。なお、日本では『毛沢東語録』としても出版されています。
3位『コーラン』(販売部数:推定8億部)は、イスラム教の根本聖典です。ムハンマド(マホメット)が天使ガブリエルを通して受けたとされるアッラーの啓示(信徒の信条・倫理的規範・法的規範など)が、特異な散文詩体で書かれています。
なお、「コーラン」には読誦(どくじゅ:「読」は文字を見て読む、「誦」は文字を離れてそらで唱える)されるものといった意味があります。原文のアラビア語で読まれることを前提としているため、翻訳版は聖典ではなくあくまでも注釈本のように扱われます。日本では『クルアーン』と表記される場合もあります。
5位のチャールズ・ディケンズ『二都物語』(販売部数:推定2億部)は、フランス革命頃のパリとロンドンを舞台に、四人の男女の複雑に変転する運命を描いた大作です。緊迫した二つの都市の情景描写が素晴らしく、劇的な見せ場も豊富なため、何度も映画化や舞台化もされています。
6位のJ・R・R・トールキン『指輪物語』(販売部数:推定1億5500万部)は、架空の世界「中つ国」を舞台に、魔法の指輪をめぐる小人や魔法使い、人間たちの冒険と友情を描いた長編ファンタジーです。映画化も大成功を収めています。
7位のサン・テグジュペリ『星の王子さま』(販売部数:推定1億4200万部)は、サハラ砂漠に不時着した飛行士とほかの星から着た王子さまとの心の交流を、詩的な文体のうちに多彩な寓意を交えて描いています。「肝心なことは目に見えない」など名言も多数です。
8位のJ.K.ローリング『ハリー・ポッターと賢者の石』(販売部数:推定1億2000万部)、主人公のハリーが仲間とともに闇の魔法使いに立ち向かい、さまざまな冒険の中で魔法使いとして成長する過程を描いたファンタジー「ハリー・ポッター」シリーズの第一作にあたります。
曹雪芹(そうせっきん)『紅楼夢(こうろうむ)』(販売部数:推定1億部)は、中国清代を代表する口語体長編小説です。貴公子の賈宝玉(かほうぎょく)と従妹の林黛玉(りんたいぎょく)の悲恋を中心に、当時の上流家庭の生活と衰退を描いています。
アガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった』(販売部数:推定1億部)は、謎の人物からの招待状で孤島に招かれた10人の男女がマザー・グースの歌詞の通りに次々と殺されていく、“孤島もの”と“見立て殺人”双方の特徴を併せ持つ傑作ミステリーと称されています。
ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』(販売部数:推定1億部)は、服を着たしゃべる白ウサギを追いかけて穴に落ち不思議の国に迷い込んだ少女アリスが、奇妙な住人たちと出会い不条理な出来事に巻き込まれる様子を生き生きと描いた、ノンセンス・ファンタジーです。
J・R・R・トールキン『ホビットの冒険』(販売部数:推定1億部)は、6位にランクインした『指輪物語』の前日譚にあたる長編ファンタジーです。竜に奪われた宝を取り戻す旅に出たホビット族の小人ビルボの活躍と成長を描いています。
いかがでしたでしょうか。あなたの本棚にある本や読んだことがある本、愛読書はありましたでしょうか。今回紹介した本は全て、今現在も「売られている本」です。気になった本がありましたら、ぜひ書店でも探してみてください。
【世界で最も「売れた本」ランキング・トップ10】
1位『聖書』:推定50~60億部以上
2位『毛主席語録』:推定9億部以上
3位『コーラン』:推定8億部
4位『ドン・キホーテ』:推定5~6億部
5位『二都物語』:推定2億部
6位『指輪物語』:推定1億5500万部
7位『星の王子さま』:推定1億4200万部
8位『ハリー・ポッターと賢者の石』:推定1億2000万部
9位『紅楼夢』:推定1億部
9位『そして誰もいなくなった』:推定1億部
9位『不思議の国のアリス』:推定1億部
9位『ホビットの冒険』:推定1億部
※但し、推定販売部数は各国の統計の違い、シリーズや複数巻にわたるタイトルのカウント方法の違いなどによって流布しているデータにも変動があるため、2位以下のランキングに異説があることはご了承ください。
トップ3は聖典&名言集!
1位『聖書』(販売部数:推定50~60億部以上)は、キリスト教の聖典にして正典。キリストの新しい契約に関する書としての『新約聖書』と、ユダヤ教の正典の一部を救主キリストの準備の書とした『旧約聖書』を合わせた総称となっています。「The Book」「the Book of Books」とも称される『聖書』は、文字通り桁違い、さらにいえば統計不可能レベルの“世界で最も「売れた本」”です。また、“世界で最も多く翻訳された本”でもあり、“世界で最も多くの人に読まれている本”でもあります。
2位『毛主席語録』(販売部数:推定9億部以上)は、中国共産党の主席であった毛沢東の名言集です。携帯できるハンディサイズで、共産党を象徴する赤色の汚れ防止のビニール製表紙で販売されたため、「小さな赤い本(The Little Red Book)」と通称されました。
編集された当初は一般には未公開でしたが、1966年に一般用に出版された際、中国の全国民に所有することが義務づけられました。そして、同年の中国の人口が約8億人であったことなどを考慮し、上記の販売部数と推定されています。なお、日本では『毛沢東語録』としても出版されています。
3位『コーラン』(販売部数:推定8億部)は、イスラム教の根本聖典です。ムハンマド(マホメット)が天使ガブリエルを通して受けたとされるアッラーの啓示(信徒の信条・倫理的規範・法的規範など)が、特異な散文詩体で書かれています。
なお、「コーラン」には読誦(どくじゅ:「読」は文字を見て読む、「誦」は文字を離れてそらで唱える)されるものといった意味があります。原文のアラビア語で読まれることを前提としているため、翻訳版は聖典ではなくあくまでも注釈本のように扱われます。日本では『クルアーン』と表記される場合もあります。
4位以降は名作文学目白押し!
4位のミゲル・デ・セルバンテス『ドン・キホーテ』(販売部数:推定5~6億部)は、自分が騎士であるという誇大妄想にとりつかれたドン・キホーテと従者サンチョ・パンサが旅先で巻き起こす滑稽な悲喜劇を、風刺気を利かせた冒険譚仕立てに描いています。“世界で最も「売れた小説」”であり、近代文学の先駆的な小説として、高く評価されています。5位のチャールズ・ディケンズ『二都物語』(販売部数:推定2億部)は、フランス革命頃のパリとロンドンを舞台に、四人の男女の複雑に変転する運命を描いた大作です。緊迫した二つの都市の情景描写が素晴らしく、劇的な見せ場も豊富なため、何度も映画化や舞台化もされています。
6位のJ・R・R・トールキン『指輪物語』(販売部数:推定1億5500万部)は、架空の世界「中つ国」を舞台に、魔法の指輪をめぐる小人や魔法使い、人間たちの冒険と友情を描いた長編ファンタジーです。映画化も大成功を収めています。
7位のサン・テグジュペリ『星の王子さま』(販売部数:推定1億4200万部)は、サハラ砂漠に不時着した飛行士とほかの星から着た王子さまとの心の交流を、詩的な文体のうちに多彩な寓意を交えて描いています。「肝心なことは目に見えない」など名言も多数です。
8位のJ.K.ローリング『ハリー・ポッターと賢者の石』(販売部数:推定1億2000万部)、主人公のハリーが仲間とともに闇の魔法使いに立ち向かい、さまざまな冒険の中で魔法使いとして成長する過程を描いたファンタジー「ハリー・ポッター」シリーズの第一作にあたります。
9位でも1億部超え!4冊ランクイン
9位相当となる販売部数推定1億部には、4冊がランクインしています。タイトルのあいうえお順に紹介します。曹雪芹(そうせっきん)『紅楼夢(こうろうむ)』(販売部数:推定1億部)は、中国清代を代表する口語体長編小説です。貴公子の賈宝玉(かほうぎょく)と従妹の林黛玉(りんたいぎょく)の悲恋を中心に、当時の上流家庭の生活と衰退を描いています。
アガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった』(販売部数:推定1億部)は、謎の人物からの招待状で孤島に招かれた10人の男女がマザー・グースの歌詞の通りに次々と殺されていく、“孤島もの”と“見立て殺人”双方の特徴を併せ持つ傑作ミステリーと称されています。
ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』(販売部数:推定1億部)は、服を着たしゃべる白ウサギを追いかけて穴に落ち不思議の国に迷い込んだ少女アリスが、奇妙な住人たちと出会い不条理な出来事に巻き込まれる様子を生き生きと描いた、ノンセンス・ファンタジーです。
J・R・R・トールキン『ホビットの冒険』(販売部数:推定1億部)は、6位にランクインした『指輪物語』の前日譚にあたる長編ファンタジーです。竜に奪われた宝を取り戻す旅に出たホビット族の小人ビルボの活躍と成長を描いています。
いかがでしたでしょうか。あなたの本棚にある本や読んだことがある本、愛読書はありましたでしょうか。今回紹介した本は全て、今現在も「売られている本」です。気になった本がありましたら、ぜひ書店でも探してみてください。
<参考文献・参考サイト>
・『日本大百科全書』(小学館)
・『世界大百科事典』(平凡社)
・『日本国語大辞典』(小学館)
・『デジタル大辞泉』(小学館)
・『世界人名大辞典』(岩波書店)
・歴史上、世界でもっとも売れた本は何?ベストセラー本ランキング10を紹介。│ナヲメディア
https://nawomedia.com/2021/09/21/
・書物の歴代発行部数ランキング│アデランテ
https://adelante.jp/noticias/blog/los-10-libros-que-mas-se-han-leido-en-la-historia/
・『日本大百科全書』(小学館)
・『世界大百科事典』(平凡社)
・『日本国語大辞典』(小学館)
・『デジタル大辞泉』(小学館)
・『世界人名大辞典』(岩波書店)
・歴史上、世界でもっとも売れた本は何?ベストセラー本ランキング10を紹介。│ナヲメディア
https://nawomedia.com/2021/09/21/
・書物の歴代発行部数ランキング│アデランテ
https://adelante.jp/noticias/blog/los-10-libros-que-mas-se-han-leido-en-la-historia/
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