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2022年人口世界一となるインド~得する国はどこ?
2015年7月29日、国連が発表した「世界人口予測」によると、インドは数年のうちに中国を抜いて、世界最大の人口を抱える国になる。
中国とインドの人口はともに10億人を上回ることになるが、2022年には首位が逆転すると予想している。人口増加とともに当然、経済成長が見込まれる。
インドの経済成長が世界全体に与える影響について高島修氏(シティグループ証券チーフFXストラテジスト)に伺った。
一方インドは8パーセント台の経済成長を遂げていくと見込んでいる。主な経済国の中では、インドの経済成長率が中国を抜いて世界第1位になると想定している。こういった観点からも、世界経済におけるインドの重要性はやはり増してくるだろう。
インドを取り巻く環境を見ると、いま中国主体で「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)」が提唱されている。話が出たばかりで、実現に向けてはまださまざまなハードルがあるが、日米中心のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)と並び、アジア地域のもう一つ大きな自由貿易協定の枠組みになっていくことが期待されている。
ちなみに「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)」とは、東南アジア諸国連合加盟10ヶ国に、日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドの6ヶ国を含めた計16ヶ国でFTA(自由貿易協定)を進める構想。
注目すべき特徴は、APEC(アジア太平洋経済協力)にもTPPにも入っていないインドを含んでいること。おそらくここから、成長するインドの需要を取り込む国が出てくるだろう。
RCEP、TPP、ASEAN(東南アジア諸国連合)、APECの全てに加盟している国に、マレーシア、シンガポール、ベトナムがある。このあたりが重要な中核国となってくると考えられる。
現在インドとニュージーランドの貿易関係は非常に希薄だが、いま2カ国間でFTA(自由貿易協定)の交渉が始まっており、RCEPの話も同時に進行している。
ニュージーランドは、インドに先駆けて2008年に中国とのFTAを締結したが、その結果、ニュージーランドと中国の貿易関係が急拡大した前例がある。
よって、RCEPの枠組みになるのか、2カ国間のFTAの締結になるのかは不確定であるものの、インドとニュージーランドの間で何らかの自由貿易協定が締結されれば、経済成長を遂げて拡大していくインドの酪農需要を、ニュージーランドがより効率的に吸収できるようになるだろう。
ただし、モディ政権下におけるメイク・イン・インディア政策も、インドの人口動態上の強みも、自由貿易協定の枠組みも、いずれも長期的なストーリーになってくるため、時々の経済動向や市場動向に与える影響は当然ながら限定的だ。
目先としては、ラグラム・ラジャン総裁率いるインド中銀のインフレ抑制のかじ取り、ルピー安をどこまで黙認するかが一番重要な鍵となる。
いずれにせよ、今後も勢いを増すインドの動向から目が離せない。
中国とインドの人口はともに10億人を上回ることになるが、2022年には首位が逆転すると予想している。人口増加とともに当然、経済成長が見込まれる。
インドの経済成長が世界全体に与える影響について高島修氏(シティグループ証券チーフFXストラテジスト)に伺った。
重要国・インドを含むRCEPに注目!
シティグループでは、2010年代後半、中国の経済成長率は6パーセント台と予想しているそうだ。一時期は10パーセント台を達成していたが、そこから6パーセント台まで中国の成長が落ちてくるとのこと。一方インドは8パーセント台の経済成長を遂げていくと見込んでいる。主な経済国の中では、インドの経済成長率が中国を抜いて世界第1位になると想定している。こういった観点からも、世界経済におけるインドの重要性はやはり増してくるだろう。
インドを取り巻く環境を見ると、いま中国主体で「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)」が提唱されている。話が出たばかりで、実現に向けてはまださまざまなハードルがあるが、日米中心のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)と並び、アジア地域のもう一つ大きな自由貿易協定の枠組みになっていくことが期待されている。
ちなみに「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)」とは、東南アジア諸国連合加盟10ヶ国に、日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドの6ヶ国を含めた計16ヶ国でFTA(自由貿易協定)を進める構想。
注目すべき特徴は、APEC(アジア太平洋経済協力)にもTPPにも入っていないインドを含んでいること。おそらくここから、成長するインドの需要を取り込む国が出てくるだろう。
RCEP、TPP、ASEAN(東南アジア諸国連合)、APECの全てに加盟している国に、マレーシア、シンガポール、ベトナムがある。このあたりが重要な中核国となってくると考えられる。
酪農需要でインドとつながるニュージーランドの存在
インドは、中国と並んで世界最大の酪農製品の消費国だが、この枠組みの中で、酪農製品を輸出している代表的な国は、ニュージーランドだ。現在インドとニュージーランドの貿易関係は非常に希薄だが、いま2カ国間でFTA(自由貿易協定)の交渉が始まっており、RCEPの話も同時に進行している。
ニュージーランドは、インドに先駆けて2008年に中国とのFTAを締結したが、その結果、ニュージーランドと中国の貿易関係が急拡大した前例がある。
よって、RCEPの枠組みになるのか、2カ国間のFTAの締結になるのかは不確定であるものの、インドとニュージーランドの間で何らかの自由貿易協定が締結されれば、経済成長を遂げて拡大していくインドの酪農需要を、ニュージーランドがより効率的に吸収できるようになるだろう。
ただし、モディ政権下におけるメイク・イン・インディア政策も、インドの人口動態上の強みも、自由貿易協定の枠組みも、いずれも長期的なストーリーになってくるため、時々の経済動向や市場動向に与える影響は当然ながら限定的だ。
目先としては、ラグラム・ラジャン総裁率いるインド中銀のインフレ抑制のかじ取り、ルピー安をどこまで黙認するかが一番重要な鍵となる。
いずれにせよ、今後も勢いを増すインドの動向から目が離せない。
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