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DATE/ 2023.01.23

外国人が住みにくい都市ランキング

 ドイツの調査会社InterNationsが「外国人にとって最も住みやすい&住みにくい都市(2022年)」を発表しました。

 今回は50都市中、ワースト10に入ってしまった「外国人が住みにくい都市ランキング」をご紹介します。

 同調査は、世界各国で働く海外駐在員に対して行われ、以下の5項目の指標をもとにランクを制作しています。

【1】“Quality Life”……生活の質(治安や気候など)
【2】“Ease of Setting In” ……定住のしやすさ(文化、友人ができやすいかなど)
【3】“Working Abroad” ……海外勤務環境(仕事への満足度、キャリアアップなど)
【4】“Expat Essentials” ……生活の必須条件(言語、デジタル環境など)
【5】“Personal Finance” ……家計

 これらの高評価を受け、最も住みやすい都市に選ばれたのは、スペインのバレンシア。続いてアラブ首長国連邦のドバイ、メキシコの首都メキシコシティと続きました。

 それでは逆に、「外国人にとって住みにくい」と低評価を受けてしまった都市はどこなのでしょうか。

外国人にとって最も住みにくい都市ワースト10(41位~50位)

【2022年】
41位:ローマ(イタリア)
42位:東京(日本)
43位:バンクーバー(カナダ)
44位:ミラノ(イタリア)
45位:ハンブルク(ドイツ)
46位:香港(中国)
47位:イスタンブール(トルコ)
48位:パリ(フランス)
49位:フランクフルト(ドイツ)
50位:ヨハネスブルク(南アフリカ共和国)

最も住みにくい都市ワースト1「ヨハネスブルク(南アフリカ共和国)」

 外国人が住みにくいと感じた都市のワースト1に選ばれてしまったのは、南アフリカ共和国のヨハネスブルクでした。

 もっとも低評価を受けたのは【1】生活の質で、50都市中最下位。ヨハネスブルクは巷でも「世界で最も治安が悪い都市」といわれていますが、それを裏付けるように「安全・セキュリティ面」での評価も最下位。全体の59%が「徒歩や自転車での移動に不安がある」と回答をしたそうです。公共交通機関の利用にも苦痛を感じるほどで、「通りを歩き回ることもできない」という悲痛な声まで寄せられています。

 ほかにも【2】定住のしやすさは40位、【3】海外勤務環境は49位、【5】家計は47位と、いずれも低迷。生活水準、仕事環境が劣悪という理由により、ランクを引き下げる結果に。唯一、【4】生活の必須条件は36位と30位圏内で、これは住居がリーズナブルな値段で手に入るという部分で評価されました。

 そもそもヨハネスブルクの治安がここまで悪化しているのは、20世紀末に行われた、アフリカの非白人への差別を助長する「アパルトヘイト政策」の影響によるもの。政策は1993年に廃止されましたが、白人に不当に就業・教育の機会を奪われ続けた彼らが健全に働ける環境はすでになく、多くの人が犯罪に手を染めざるを得なかったのです。それが街の治安の悪化につながってしまい、今に至ります。

 このような暗い歴史があるばかりにワースト1となってしまったヨハネスブルクですが、【1】生活の質のサブ評価である「気候」の評価は11位、「自然環境」は14位と大健闘。アフリカはどこも暑いというイメージですが、ヨハネスブルクは標高が高いために、気候は1年を通じて温暖なのです。そして食べ物(料理)の多様性に関しても「幸福だ」と答えた人が85%となり、世界平均の77%を大きく上回るなど、自然や文化面は理想に近い環境といえます。

 自然とともに生きる文化がそのまま現代でも引き継がれ、人種を越えてお互いを尊重することができていたら、ヨハネスブルクは世界で最も“住みやすい街”のひとつになっていたかもしれませんね。

最も住みにくい都市ワースト2「フランクフルト(ドイツ)」

 最も住みにくい都市ワースト2は、ドイツのフランクフルトでした。

 特に【4】生活の必須条件は最下位の50位と最低評価。今回選ばれた50都市中、ドイツの都市は5つ入っていますが、そのいずれの都市も【4】については44~50位と落ち込んでいます。

 低評価の理由は「デジタル化の遅れ」と「住居費」「生活費」の高さ。オンラインサービスが十分でないために情報にアクセスしにくかったり、キャッシュレスで買い物ができなかったりすることに不満を感じる外国人が多くいるようです。さらにフランクフルトは全体的に物価が高いために【5】家計も41位と、ドイツ5都市中最低ランクです。

 さらに【2】定住のしやすさが48位と、こちらも芳しくない結果に。友人のできやすさ、社会生活への満足度、文化・慣習へのなじみやすさ、これらすべてに関して世界平均を下回ってしまったのです。これはほかのドイツの都市も同様で、外国人移住者への細やかなサポートが求められているといえます。

 とはいえ、中には肯定的な評価もあります。それが「給与と雇用保障」に関する評価で、こちらは50都市中4位。外国人だとしても仕事を見つけるのは容易で、仕事が決まれば安定した生活を送ることができるとしています。「働くスタッフへの敬意が払われており、素晴らしい」と答える人も。

 保守的で伝統を重んじるためオンライン化では遅れをとるものの、勤労・勤勉を尊び、働く人への敬意を忘れないというドイツ人らしい国民性が、よく表れているように感じられますね。

最も住みにくい都市ワースト3「パリ(フランス)」

 そして下から3番目となった都市が、フランスの首都・パリ。フランクフルトと同じく【4】生活の必須条件が低く、47位という結果に。特に住宅の見つけづらさ、住居費・生活費の高さに言及する回答が多く、10人のうち7人以上が不満を述べています。さらに障害となったのが言語で、現地の言葉を使いこなせなければまず生活が成り立たない、という意見も。

 そして【2】定住のしやすさについても50都市中46位とワースト5位圏内。その理由として、パリの人は外国人をあまり歓迎していない雰囲気であるためとしています。言葉の壁に加えフレンドリーさもなく、パリで働く外国人は居心地の悪さを感じてしまっているようです。

 ポジティブな評価としては、【1】生活の質が30位とそこそこのランクであること。公共交通機関がリーズナブルなうえ、旅行、観光の機会が多く、食生活の多様さは高評価。文化生活が充実している点は、まさに花の都の面目躍如といったところでしょうか。ただし治安は46位と低いため、もし住む場合はセキュリティ面で大いに注意すべきでしょう。

東京は42位。その理由は?

 日本で唯一、今回の調査にエントリーされている東京は、残念ながら下から9番目の42位と、ワースト10以内に入ってしまっています。

 その理由が【3】海外勤務環境の中の「仕事の満足度」と、【4】生活の必須条件の「言語」の評価。これらはともに、50都市中最下位となっていたのです。特にワークライフバランスの取りづらさ、やりがいの部分において、外国人は東京での労働環境に少なからず不満を抱いているようです。また徐々にグローバル化が進んでいるとはいえ、言語の壁はまだまだ厚く、日本語ができなければ快適な生活は困難とされています。ほか、キャッシュレス化の遅れについても指摘されています。

 また【2】定住のしやすさについても東京は39位。パリと同じく、東京はあまり外国人が歓迎されない雰囲気で、友人ができづらいことが難点に挙げられました。

 とはいえ、ポジティブな面もあります。特に健康と福祉、旅行、公共交通機関、レジャーの評価が高く、【1】生活の質の面で東京は16位になりました。

 各都市の良い面、悪い面が垣間見られた今回のランキング、いかがでしたか。日本では労働人口の減少が問題となっており、海外からの外国人労働者を増やす議論も高まっています。外国人観光客を受けいれることに加え、外国人が定住しやすくなる街づくりを考えるタイミングに来ているのかもしれませんね。

<参考サイト>
・The Cities Offering the Best (& Worst) Life Abroad(InterNations)
https://www.internations.org/expat-insider/2022/best-worst-cities-for-expats-40327
・【2022年】外国人が住みやすい世界の都市ベスト&ワースト10ランキング(onboard)
https://onboard-usa.com/blog/best10-cities-for-expats-living/
・外国人にとって東京は住みにくい? 調査で42位にランクイン(タイムアウト東京)
https://www.timeout.jp/tokyo/ja/news/tokyo-ranked-in-the-bottom-ten-cities-for-expats-to-live-in-2022-113022
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