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DATE/ 2023.02.23

スマホの修理保証は必要か?

 スマホを買い替える時、補償サービスに入るかどうかという点は悩みどころです。買う時までは案外、意識していない場合が多いかもしれません。入っておいた方が安心ではありますが、決して安い出費ではありません。入るべきなのか迷いどころです。ここで一度、状況を整理しておきましょう。

docomoのsmart安心補償の場合

 docomoには2022年9月15日から「smartあんしん補償」という補償プランがあります。ここでは水濡れ・盗難・紛失に対するトラブルに対してサポートを受けることができます。機種により金額は異なりますが、月額330円から月額990円となっています。1年で計算すると3,960円から11,880円です。対応する修理は画面の修理、基板修理、電池交換なども含めて、上限は3,300円(税込)となっています。iPhoneの場合はやや制限があるようですが、Apple独自の補償プランであるAppleCareとは別に加入することができるようです。

 補償に入っていなかった場合、機種別で代金は異なります。スタンダードモデルとして挙げられているGalaxy A52の例を見ると、画面修理で20,460円、基板修理34,100円で修理上限額は56,980円となっています。バッテリー交換の場合は11,550円です。ここで補償に入っていれば上限はすべて3,300円となります。ここではdocomoの例を挙げましたが、キャリアの保証は他のところであっても比較的近い料金体系のようです。

AppleCare+の場合

 また、iPhoneの場合「製品購入後1年間の年間のハードウェア製品限定保証と90日間の無償テクニカルサポート」がついています。これにさらに補償をつける場合は、Appleが提供するAppleCare+で保証期間を延長することができます。料金は機種ごとに異なりますが、iPhone14やiPhone13などであれば毎月1,180円(税込)、iPhone14 pro MaxやiPhone 14 proであれば毎月1,480円(税込)です。これに盗難・紛失プランを追加するとプラス100円から120円の支払いとなります。

 AppleCare+では過失や事故による損傷(追加で盗難、紛失プランに入っていればそれも同様)といった状況になった場合12,900円(税込)でサービスを受けられます。またガラス面の損傷であれば3,700円(税込)、バッテリーは蓄電容量が80%未満に低下している場合、無償交換です。AppleCare+に入っていない状態でガラス面を損傷して画面の修理をすると42,800円(iPhone13の場合)かかります。なかなかの差ではないでしょうか。

保険会社のスマホ保険もある

 またメーカーやキャリアの保証とは別に、保険会社もスマートフォン用の保険を提供しています。たとえば損保ジャパンが提供するiPhone向けのものでは、スタンダードプランで月額470円(年間5,640円)で盗難・紛失・データ復旧といった点に対応しています(ただし、バッテリー修理は未対応)。修理にかかる費用は3,000円のみで1事故あたり最大10万円が補償されます。ただし、このプランでは対象となる機種は格安SIMを使用しているものに限られているようです。

 高価格なスマホであればあるほど修理料金も高くなります。過去にスマホを壊した経験がある場合は、やはり同じようなことが起こる可能性は高いようです。保険はリスクとどう向き合うかという問題です。このあたりは自身の経験とも照らし合わせて決めると考えておくといいかもしれません。

<参考サイト>
smartあんしん補償|docomo
https://www.docomo.ne.jp/service/smart_anshin_hoshou/
AppleCare製品|Apple
https://www.apple.com/jp/support/products/iphone/
月々200円からiPhoneに最適な保険|MYSURANCE 損保ジャパン
https://www.mysurance.co.jp/service/sumaho-hoken/
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