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DATE/ 2023.04.20

自分に最適な「スマホの選び方」

 スマホを買うとき、迷うポイントは大きく言って2つです。どの機種にするかという点と、どんな通信会社のどのプランに契約するかです。現在ではさまざまな選択肢がありますが、いったい何を重視してどういうポイントで選べばいいのでしょうか。まずはスマホの選ぶ際に必要な知識を整理しておきましょう。

MNOとMVNOの違い

 スマホを選ぶ時にまず知っておいた方がいい知識としてMNOとMVNOがあります。まずはMNOについて。スマホのキャリアには、docomo、au、ソフトバンクに加えて最近参入した楽天があります。このキャリア4社は独自で通信回線インフラ(通信設備・施設、通信回線網)や無線局免許を持っている会社です。このキャリア4社がMNO(Mobile Network Operator)=移動体通信事業者です。

 これに対してMVNO(Mobile Virtual Network Operator)=仮想移動体通信事業者と呼ばれるものがありますが、これはMNOから回線の一部を借りて通信サービスを提供している会社です。格安SIMや格安スマホと呼ばれるようなプランやスマホを提供している会社としても知られています。先に挙げたキャリアが別ブランドとして提供しているものもあれば、インターネットプロバイダ事業を行っている会社のブランド、家電販売店が運営するブランドなどさまざまなものがあります。

安心重視のMNO、安さ重視のMVNO

 とにかく安さを重視するのであればMVNOでいいでしょう。ただしMVNOは、多くの人が一定のエリア内で利用する通勤時間や昼休みなどに混雑して通信が遅くなることがあります。またサポートはインターネットを通して行われることが多く、実店舗がMNOに比べて少ないかもしくはほとんどない場合もあります。細かいサポートを受けたい場合は適さないでしょう。つまり、ある程度スマホに関する知識がある人向けと言えるかもしれません。

 一方、MNOはMVNOよりも料金が高くなるかもしれませんが、一般的に通信が比較的安定しています。また全国に店舗があるので、修理の受付や使い方のサポートなどを受けやすいと言えます。このことからスマホに詳しくない人でも安心です。さらに販売に関しても最新のiPhoneまで含めて、さまざまな機種を選ぶことができるのも利点です。

iPhoneかAndroidか

 次に機種について考えてみましょう。現在市場に出回っている一般的な機種はappleのiPhoneかGoogleのAndroidという2つのOSです。OSとはオペレーティングシステムのことで、スマホの動作を管理・操作する仕組みのこと。OSによって操作方法が異なります。ではiPhoneとAndroidのどちらがいいのでしょうか。一般的にAndroidは自分の好みにカスタマイズしやすいという点や、さまざまな形の機種から選ぶことができるという点が利点です。一方iPhoneはセキュリティに優れていたり、操作したときの画面や動きが美しく、直感的にわかりやすいという声があったりします。

 またiPhoneは同じくAppleのApple Watchと連動したり、Macとデータ共有しやすかったりします。最新のiPhoneが欲しい場合はappleの販売店やMNOで購入できます。MVNOでは最新のiPhoneは取り扱わず、少し前の機種を販売することが多いようです。ただし、iPhoneは同等の性能のAndroidと比べるとやや高価なので、とにかく安く済ませたいという場合はAndroidを選ぶことになるかもしれません。もしくは中古のスマホを買って回線契約だけをどこかで行うのも一手です。

スマホ選びの基本ポイント4つ

 スマホはもちろん高性能であればそれだけ値段が高くなります。「大は小を兼ねる」の思考でいくと、不要なスペックのために余計なお金を払うことになりかねません。自分に必要な機能や性能の見極めも大事です。ということで以下、スマホの性能を知るために知っておきたいポイント「CPU(プロセッサ)」「メモリ(RAM/ラム)」「ストレージ(ROM/ロム)」「バッテリー容量」の4つの点について、おおまかに解説しておきます。

【CPU(プロセッサ)】
 スマホやコンピュータの頭脳で、Central Processing Unitの略です。またCPU周りの装置をまとめてSoc(System on a chip)と呼ばれることもあります。これが高性能であればあるほどスマホの動きは早く快適です。いくつかの種類がありますが、同じ種類のものであれば基本的には数字が大きいほど高性能です。またオクタコア、クアッドコアといったものはコア(CPUの中心部分)の数を示しています。コア数が多いものの方がより多くの処理を同時に行うことができます。ちなみにデュアルは2、クアッドは4、ヘキサが6、オクタは8です。数字が大きい方が高性能ですが、その分バッテリー消費が大きかったりすることもあります。

【メモリ(RAM/ラム)】
 メモリは作業領域の広さとして机に例えられることが多いです。メモリが大きい方が複数のアプリを同時に立ち上げる、綺麗なグラフィックを動かすといった動作が安定します。CPUとメモリは密接な関係があり、「メモリ(机)に一時的に置かれた情報をCPU(頭脳)が処理していく」と考えるとわかりやすいかもしれません。一般的に重い処理を伴うものとしてはスマホゲームがあげられます。スマホで快適にゲームをする場合、CPUとこのメモリにはこだわった方がいいでしょう。

【ストレージ(ROM/ロム)】
 ストレージはデータ保存領域です。ここに記録したものはスマホの電源を切っても保存されています。ストレージが大きければ大きいほど大量のデータを保存できますが、AndroidでSDカードを使える機種であれば、画像や動画、音楽のデータはSDカードに移すことが可能です。またクラウドストレージ(ネット上の保存領域)にデータを保存する方法もあります。ただし、クラウドは通信量が多くなる、バッテリーを多く消費する、大容量のクラウド領域を確保するのにはお金がかかるといったデメリットはあります。比較的容量を多く消費する写真や動画などを積極的に使いたい場合、本体のストレージは大きい方がいいとも言えます。

【バッテリー容量】
 バッテリー容量は多ければ多いほど充電せずに長時間使うことができます。例えばiPhone14では3,279mAh、iPhone14 Plusでは4,325mAhとなっています。単位のmAhは「ミリ・アンペア・アワー」と読みます。Androidではもっと容量が大きいものもあるようです。バッテリーは充電を繰り返すことで劣化が早まります。また、充電しながらスマホをつかうのもバッテリーの寿命を縮める要因になります。こう考えると、ゲームをする、よく動画を見る、たくさんの通信を行うという人は、はじめからある程度バッテリー容量の大きいものを選んだ方がいいかもしれません。

おすすめ機種診断も活用しよう

 まずは自身がスマホをどういった用途でよく使うか、もしくは使いたいかを明確にしましょう。簡単な連絡が取れればいいのであれば、ロースペックのスマホをMVNOで契約するので十分かもしれません。動画を存分に楽しみたい場合、中位の性能で画面がやや大きめで解像度が高いものがいいでしょう。

 もし電話番号を使った電話機能が重要になる場合は、MNOの方が通話プランは充実している可能性があります。写真や動画撮影に使いたい場合は、CPUやメモリのスペックが少し高いものを意識して、本体のストレージは大きいものがいいでしょう。またいつでもどこでも通信を伴うゲームがしたいとなると、CPUとメモリがハイスペックのスマホ、かつ安定的に大容量の通信ができるキャリアのプランが向いているとも言えます。

 ある程度自分がどういった用途で使いたいか分かったら、あとはウェブ上にある「おすすめ機種診断」を使うと目的のスマホにたどり着けるかもしれません。例えばdocomoのサイトには「おすすめ機種診断」があります。ここで自分の使い方や重視するポイントをチェックして機種を探すことができます。またGoogleの「Androidの診断サイト」ではブランドや予算、カメラ性能、バッテリーなどなどといったポイントを絞り込んで機種を探すことができます。

<参考サイト>
スマートフォンの選び方│価格.com
https://kakaku.com/keitai/smartphone/guide_3147/
最高のスマートフォンを見つけましょう│Android
https://www.android.com/intl/ja_jp/phones/help-me-choose/
おすすめ機種診断│docomo
https://onlineshop.smt.docomo.ne.jp/products/recommend_model/index.html
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