テンミニッツ・アカデミー|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツ・アカデミーとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2015.10.13

英語を学ぶなら駅前留学よりフィリピン留学!!

 今、英語を学ぶならフィリピン留学が熱い。ここ数年うなぎ上りに留学生の人数が増え、今や留学先の定番となっている。

 統計をとっている機関が異なるためあくまで参考の数字にはなるが、文部科学省が今年2月に発表した「日本人の海外留学状況」によると、最新データとなる2012年の英語圏留学先の上位5カ国は、1位からアメリカ(19,568人)、イギリス(3,633人)、オーストラリア(1,855人)、カナダ(1,626人)、ニュージーランド(1,052人)となる。

 文部科学省の統計にフィリピン留学は含まれていないが、トータルの日本人留学者数は82,945人の2004年をピークにその後は減少傾向で、08年以降12年までの5年間は6万人で横ばい。一方フィリピン観光省の調査では、フィリピンへの日本人留学者数は2010年から4,000人、10,000人、20,000人、26,000人、30,000人、15年は36,000人(見込み)と急増している。

 フィリピンがこれだけ人気を集めるているのは理由がある。一番大きいのはコストパフォーマンスだろう。学費、物価ともに欧米よりも格段に安い。アメリカ、イギリス、オーストラリアなどはおおまかに学費、生活費をあわせて一カ月の費用がだいたい40万円前後。一方フィリピンでは15万円から20万円程度と半額かそれ以下に抑えることができる。

 さらにただ安いだけでなく、授業内容もフィリピンが勝る点がある。一般的に欧米留学先は大人数授業が中心であることに対し、フィリピンはマンツーマン授業が基本。1度でも英会話スクールに通ったことがある人ならば、大人数授業とマンツーマンの密度の差はよくわかることだろう。

 メリットだけを語るのはフェアではないので、デメリットもきちんと説明しておこう。フィリピンは英語が公用語とは言え、なまりがあることは事実。教師は選抜されているため極端ななまりがあることは少ないようだが、街中で浴びる英語のシャワーの質が欧米諸国に劣ることは否めない。

 上述したように教師のなまりが強いことは少ないが、それでもブリティッシュ・イングリッシュやアメリカン・イングリッシュの発音をじっくり学びたいならば、やはりフィリピンで学ぶよりそれぞれ現地の教師に学ぶのが得策。コミュニケーションツールとしては多少のなまりがあろうが、美しいブリティッシュ・イングリッシュだろうが優劣はない、そう考えられるのであればフィリピンが断然おすすめだ。

 またフィリピンというと一年中蒸し暑いイメージがあるかもしれないが、エリアによって違う。大きくわけて首都で店も多く便利なマニラ、美しいビーチが有名でリゾート地のセブ、標高が高く避暑地のバギオ。マニラはイメージ通りの蒸し暑さだが、セブはいくぶんましで、バギオは「フィリピンの軽井沢」と呼ばれるだけあって涼しく過ごしやすい。何に重きを置くかによって選ぶべきエリアも変わってくる。

 ここ最近留学者数が急増していることにも理由がある。2010年1月にフィリピン観光省の依頼によりフィリピン留学普及協会が設立されるなど、国を挙げて留学生誘致に力を入れているのだ。それに伴ってフィリピン留学に力を入れる日本のエージェントもここ数年が増えている。2週間程度の短期コースを選べる学校もあり、学生だけでなく少し長めの休みを取得した社会人だって行くことが可能だ。

 英語が重要どころか、必須スキルになりつつある現代。フィリピン留学も選択肢に入れてみたらどうだろうか。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
“社会人学習”できていますか? 『テンミニッツTV』 なら手軽に始められます。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

アカデメイアからアカデミーへ…自由なる学びの府の原型

アカデメイアからアカデミーへ…自由なる学びの府の原型

「アカデメイア」から考える学びの意義(3)受け継がれる学園の理念

プラトンが創設した学問アカデメイア。そこでは性別や身分を問わず多種多様な人々が議論を展開し、学問に励んだ。では創設者のプラトンは、その学園でどのように振る舞っていたのか。実は、アカデメイアにおいて、プラトンは自...
収録日:2025/06/19
追加日:2025/08/27
納富信留
東京大学大学院人文社会系研究科教授
2

契機は白村江の戦い…非常時対応の中央集権国家と防人の歌

契機は白村江の戦い…非常時対応の中央集権国家と防人の歌

「集権と分権」から考える日本の核心(2)非常時対応の中央集権と東アジア情勢

律令国家は中国の先進性に倣おうと始まったといわれるが、実際はどうだろうか。当時の日本は白村江の戦いの後、唐と新羅が日本に攻め込むのではないかという危機感から「防人」という徴兵制をつくった。徴兵には戸籍を充実させ...
収録日:2025/06/14
追加日:2025/08/25
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授 音楽評論家
3

スターリンクや宇宙旅行の課題とは?…民間企業の宇宙開発

スターリンクや宇宙旅行の課題とは?…民間企業の宇宙開発

未来を知るための宇宙開発の歴史(6)技術の確立、そして民間企業が参入へ

宇宙事業には民間企業が参入し始めている。有名なのはイーロン・マスク率いるスペースX社で、次々とロケット(衛星)を打ち上げている。だが、そこには懸念もあるという。はたして、どのようなことだろうか。さらに近い将来、宇...
収録日:2024/11/14
追加日:2025/08/26
川口淳一郎
宇宙工学者 工学博士
4

「生成AI」実装の衝撃…人工知能の歴史と特長

「生成AI」実装の衝撃…人工知能の歴史と特長

Microsoft Copilot~AIで仕事はどう変わるか(1)「生成AI」の画期性

ChatGPTに代表される「生成AI(Generative AI)」が社会を、そして仕事を、大きく変えようとしている。日本マイクロソフト株式会社の渡辺宣彦氏によれば、生成AIは「人間の英知をすべて装備している」という。では、いったい、...
収録日:2023/08/01
追加日:2023/09/27
渡辺宣彦
日本マイクロソフト株式会社 執行役員常務 エンタープライズ事業本部長
5

不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント

不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント

定年後の人生を設計する(1)定年後の不安と「黄金の15年」

「人生100年時代」といわれている現代において、定年後の人生に不安を抱く人は少なくないだろう。雇用延長で定年を延ばす人は多いが、その後の生活上の中心になるものを探しておくことが重要になってくる。時間的にも精神的にも...
収録日:2021/08/25
追加日:2021/09/28
楠木新
人事・キャリアコンサルタント