テンミニッツ・アカデミー|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツ・アカデミーとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2016.04.19

「変なホテル」の最新ロボット掃除機「ルンバ980」の実力

 受付をロボットに任せるという話題のホテル、ハウステンボス「変なホテル」が、先月(3月)に第2期棟(72室)をオープンさせました。このホテルには、受付のほかにも最先端のロボット従業員がいます。それが、昨年10月、米iRobot社がフラッグシップモデルとして発表したロボット掃除機「ルンバ980」です。

かしこい機能「バーチャルウォールモード」とは?

 ルンバといえば、2002年の初代機以降、ロボット掃除機というジャンルを切り開いた先進的な掃除機。本体に埋めこまれたカメラが前方をとらえて状況を把握、ベッドの下など10センチメートル以上のすき間があれば、もぐり込んでお掃除します。

 この「もぐり込む」という機能がなかなかのすぐれもの。ベッドの下などは、人間がやれば手間と労力がかかる場所です。底面には、ブラシの代わりに髪の毛などがからみにくい「エアロフォース・エクストラクター」を搭載、やわらかい素材でできた2本のローラーが内側に向けて回転して、床面のゴミを「引っこ抜く」ような動きをします。

 かしこい機能に「バーチャルウォールモード」があります。設定すると、置いた場所から一方向におよそ3メートルの仮想的な壁がつくられます。つまり、部屋の出入り口にセットすれば、ルンバはその部屋から勝手に出ていくことはありません。

シリーズで初めてWi-Fiを内蔵

 さらに特質すべき点として、この「ルンバ980」、シリーズで初めてWi-Fiを内蔵しているのです。専用アプリ「iRobot HOME」(Andoroid/iOS)をインストールしたスマートフォンなどをつかって、操作したりスケジュール機能をつかったり、各種掃除モードを設定したりできるのです。

 また、効率性にもすぐれ、いわゆる「一筆書き」のように動きます。つまり、特別な設定をしなければ、基本的に同じ場所を2回掃除することはないのです。これにより、大変効率的に掃除することができるようになりました。最大稼働面積は、ルンバ800シリーズが最大25畳であるのに対して、「ルンバ980」は最大で112畳(185平方メートル)に達しています。このことから、家庭用にとどまらず、ホテルや施設など広い空間での活躍が期待されているのです。

ルンバがホテルやお寺で大活躍!

 その一例が、先述した、ハウステンボス「変なホテル」でロボット清掃員として活躍する「ルンバ980」です。また、「ルンバ980」が出る以前のことですが、2015年春ごろ、「お寺でルンバが活躍している」というツイートが話題になりました。さらに、福祉施設でもルンバが導入されているという事例もあります。

 これらは、「施設は清潔にしておきたいけれど、空間が広くて人手が足りない」といったことに、ルンバが適しているといえるでしょう。

 ということで、数多くの高機能を持つ「ルンバ980」を紹介しました。どうです、みなさん、このスマート家電に未来が詰まっている感じがして、ワクワクしてきませんか?

<参考サイト>
・アイロボット ルンバ 980| iRobot ロボット掃除機ルンバ 公式サイト
http://www.irobot-jp.com/roomba/980/
・Gooニュース:いまトピ2015年04月07日(「聖☆おにいさん」のネタが実在…お寺のルンバが話題に)
http://news.goo.ne.jp/article/imatopi/trend/imatopi-20150407193308875.html
・ITmedia LifeStyle:あのハウステンボスのホテルに:「ルンバ980」、「変なホテル」の清掃員になる
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1601/19/news109.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

百年後の日本人のために、共に玉砕する仲間たちのために

百年後の日本人のために、共に玉砕する仲間たちのために

大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(4)百年後の日本人のために

硫黄島の戦いでの奇跡的な物語を深く探究したノンフィクション『大統領に告ぐ』。著者の門田隆将氏は、「読者の皆さんには、その場に身を置いて読んでほしい」と語る。硫黄島の洞窟の中で、自分が死ぬ意味を考えていた日本人将...
収録日:2025-07-09
追加日:2025/08/15
門田隆将
作家 ジャーナリスト
2

原発建設には10年以上も…小型モジュール炉の可能性と課題

原発建設には10年以上も…小型モジュール炉の可能性と課題

日本のエネルギー政策大転換は可能か?(2)世界のエネルギーと日本の原発事情

再生可能エネルギーのシェアが世界的に圧倒的な伸びを見せる中、第7次エネルギー基本計画において原子力発電を最大限活用する方針を示した日本政府だが、それはどこまで現実的なのか。国際エネルギー機関が発表した今後のエネル...
収録日:2025-04-04
追加日:2025/08/17
鈴木達治郎
長崎大学客員教授 NPO法人「ピースデポ」代表
3

なぜ社会的時差ボケになる?若者の夜型傾向とうつの関係

なぜ社会的時差ボケになる?若者の夜型傾向とうつの関係

睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ(3)夜型人間と社会的時差ボケの関係

「夜型人間ほど社会的時差ボケは大きい」――つまり社会的時差ボケには、いわゆる夜型の生活習慣が大きく関わっているということだ。また、実はそうした睡眠のリズムは、持って生まれた遺伝子の影響も無視できないという。クロノ...
収録日:2025-01-17
追加日:2025/08/16
西多昌規
早稲田大学スポーツ科学学術院教授 早稲田大学睡眠研究所所長
4

日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本

日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本

戦前、陸軍は歴史をどう動かしたか(1)総力戦時代の到来

日本陸軍は戦前の歴史をどう動かしたのか。シリーズでは陸軍の皇道派と統制派がどのような考えのもとに動いたかを論じる。第1話の今回はまず、第一次大戦が世界史的にいかなる意味を持ったかについて解説する。(全7話中第1話)
収録日:2018-12-25
追加日:2022/08/12
中西輝政
京都大学名誉教授 歴史学者 国際政治学者
5

全ては経済?…米中対立の現状とリスクが高まる台湾危機

全ては経済?…米中対立の現状とリスクが高まる台湾危機

トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(2)米中対立の現在地

世界第一、第二の経済力を誇る米中の対立は由々しい問題である。第1次トランプ政権下で始まった対立はバイデン政権に継承されてきたが、トランプ第2次政権では主題はもっぱら経済に集中している。われわれも米中協議の行方を注...
収録日:2025-06-23
追加日:2025/08/14
佐橋亮
東京大学東洋文化研究所教授