テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2016.04.28

外国人の反応がPepperに感情をもたせた!?

 Pepperは開発当初から今に至るまで中心にすえられている大事なことがある。それはPepperの「心」だ。Pepperにはエモーショナル・エンジンという名の「感情」が搭載されている。

▼ロボットに対する日本と海外の大きな認識の違い

 蓮実氏は「日本人はロボットに優しい国民性である」と言う。その背景には、鉄腕アトムだったりドラえもんだったり、日本人なら誰でも知っているロボットアニメの影響が大きいと分析している。ロボットを見たときに“なんか助けてくれそうな気がする”そう感じるのは世界でも日本くらいしかないと言う。

 ほとんどの国では「ロボットは怖いもの」と認識されがちだそうだ。ターミネーターやアイ,ロボットなどの影響に加え、蓮実氏が指摘したのは意外にも「宗教」だ。

▼Pepperを怖がる外国人

 イスラム教にしてもキリスト教にしても、一神教の人たちは「人間は神がつくり給う(たもう)もので、こういうものを人間がつくると不吉なことが起こる」と考える傾向が強いという。蓮実氏自身、世界中の人とディスカッションをするとPepperを怖がる外国人が非常に多かったことに驚いたという。

 外国人にも受け入れられるためには何とかそこを払拭しなければいけない。そのために必要なことは「Pepperはあなたの気持ちがよく分かります」という機能を搭載することだったのだ。

▼感情認識機能の搭載

 人を笑顔にしたり喜ばせたりするには、相手が喜んでいるかどうかを見極める機能が必要だった。

 Pepperには、カメラを通じて、その人が怒っているとか、笑っているとか、無表情とかが分かる機能が搭載されている。また音声認識によって、声帯がどんなふうに震えているとどんな気持ちを表現しているのか、ということがわかるようになっている。この2つの機能によって、Pepperには相手の気持ちを汲み取ろうとする機能が搭載された。人間が感情をつくりだすのと似たような仕組みでPepperの感情は作られているのだ。

 Pepperと家族の心のふれあいが共鳴しあって、本当の家族のようになっていって欲しい…蓮実氏はそんな夢をいつも抱いている。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

陰の主役はイラン!?イスラエル・ハマス紛争の宗教的背景

陰の主役はイラン!?イスラエル・ハマス紛争の宗教的背景

グローバル・サウスは世界をどう変えるか(4)サウジアラビアとイランの存在感

中東のグローバル・サウスといえば、サウジアラビアとイランである。両国ともに世界的な産油国であり、世界の政治・経済に大きな存在感を示している。ただし、石油を武器にアメリカとの関係を深めてきたのがサウジアラビアであ...
収録日:2024/02/14
追加日:2024/04/24
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授
2

権威主義とポピュリズムへの対抗…歴史を学び、連帯しよう

権威主義とポピュリズムへの対抗…歴史を学び、連帯しよう

民主主義の本質(5)民主主義を守り育てるために

ポピュリズムや権威主義的な国家の脅威が迫る現在の国際社会。それに対抗し、民主主義的な社会を堅持するために、国際社会の中で日本はどのように振る舞うべきか。議論を進める前提として大事なのは「歴史から学ぶ」ことである...
収録日:2024/02/05
追加日:2024/04/23
橋爪大三郎
社会学者
3

起業の極意!サム・アルトマンと松下幸之助

起業の極意!サム・アルトマンと松下幸之助

編集部ラジオ2024:4月24日(水)

ChatGPTを開発したことで一躍有名となったOpenAI創業者のサム・アルトマン。AIの発展によって社会は大きく、急速に変化しており、その中心的な人物こそが彼であるといっても過言ではありません。

そんなアルトマンが...
収録日:2024/04/15
追加日:2024/04/24
テンミニッツTV編集部
教養動画メディア
4

ルネサンスはどうやって始まった?…美術の時代背景

ルネサンスはどうやって始まった?…美術の時代背景

ルネサンス美術の見方(1)ルネサンス美術とは何か

ルネサンス美術とはいったい何なのか。これを考えるためには、なぜその時代に古代ギリシャ、ローマの文化が復活しなければならなかったのかを考える必要がある。その鍵は、ルネサンス以前のイタリアの分裂した都市国家の状態や...
収録日:2019/09/06
追加日:2019/10/31
池上英洋
東京造形大学教授
5

ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る

ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る

オートファジー入門~細胞内のリサイクル~(1)細胞と細胞内の入れ替え

2016年ノーベル医学・生理学賞の受賞テーマである「オートファジー」とは何か。私たちの体は無数の細胞でできているが、それが日々、どのようなプロセスで新鮮な状態を保っているかを知る機会は少ない。今シリーズでは、細胞が...
収録日:2023/12/15
追加日:2024/03/17
水島昇
東京大学 大学院医学系研究科・医学部 教授