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DATE/ 2016.06.29

価格差100倍!こんなに違う歯医者の治療費

 夜中に歯がズキズキ。朝起きたら、歯がグラグラ。水を飲もうとしたら、歯にしみて飛び上がった経験はありませんか?

 そんなときはすぐ歯医者さんに行くのが、日本人の常識ですね。でも、歯の症状は不安定。夜中に痛んでも、朝になるとおさまることもあるので、「やっぱり大丈夫かな?」と放置して、悪化させる場合も多いようです。

 歯医者さんは、やっぱり敷居が高い。その高さの原因は、「痛い思いをするかもしれない」という不安と、「予約制」のところが多いのでいつ行っていいのかわからないこと。それに加えて「費用と治療期間がどのぐらいかかるのかわからない」という不透明さがあります。

 そこで今回は、歯科治療に関する費用や期間の「相場」感について調べてみました。

半年に1度の検診+クリーニングが現代人の常識?

 歯科治療の費用と期間を決めるのは、ズバリ、症状がどこまで進んでいるかです。小中学校で「学校検診」があったとき、「C0」や「C1」と記された紙をもらったことを覚えていますよね。

 その「C」とは「caries」の略で、骨が壊れることを指しています。虫歯の程度は「C0」から「C4」の5段階に分けられ、治療の方法も費用や期間も変わってきます。順に見ていきましょう。

 「C0」は検診などで専門家が見たときに発見できるごく初期の虫歯で、痛みはありません。歯みがきを適切におこなう・フッ素を塗布するなどで回復するため、治療は必要なく口頭のアドバイスで済んだり、せいぜい1日でOKです。費用は初診料+フッ素塗布で1500円程度。ただ、口内の状態によっては歯のクリーニングを勧められるケースも多く、保険3割負担の人の場合、3000円ぐらいが相場です。

 社会人になったら半年に一度は歯医者さんで検診してもらい、クリーニングで歯石などを落とすのが、もっとも安く効果的に自分の歯を守る方法です。

「食べると痛い」か「何もしなくても痛い」かが運命の分かれ道

 エナメル質の内部に虫歯がおよぶ「C1」では、水がしみるようになります。この段階なら、虫歯部分を取り除き、つめものをする簡単な治療でOK。麻酔の必要もないので、費用も1500円から2500円程度見ておけば十分です。

 ほとんどの人が診察を決断するのは、これより進んでからでしょう。冷たい食べ物がしみるのが「C2」、何もしなくても痛いのが「C3」。「C2」では虫歯の進行は象牙質に達し、「C3」はさらに歯髄にまで達した状態。この違いは大きく、「C2」の治療はつめもの(インレー)、「C3」ではかぶせもの(クラウン)や差し歯が必要になります。「一刻も早く」は、歯医者さんにかかる鉄則です。

 保険治療か否かだけでなく、見た目を優先するかどうかなど、本人の決断が迫られるのは、ここから。インレーの場合、保険適用内の金銀パラジウム合金を選べば1本あたり1500円程度で済みますが、見た目を優先すると3~8万円かかることもあります。クラウンではさらに素材の選択肢は広がりますが、キレイで丈夫なものほど高く、変色しにくいオールセラミックを選ぶと1本15万円ほどになることもあります(セラミッククラウンは保険適用で3000円~7500円程度)。

ブリッジや部分入れ歯にも保険は効く?

 「痛くないのに、顔が腫れた」「歯みがきをしようとしたら、膿が出た」などの症状は、「痛い」のをよほど我慢してしまったか、過去に治療して神経を取ってしまった部分などの歯が溶け、虫歯菌が歯ぐきや歯槽骨にも達した状態(「C4」)です。

 こうなると歯を残すことは難しくなるので、「インプラント」や「ブリッジ」などの治療が必要になります。いずれもX線撮影・抜歯・型取りなど、複雑な治療が必要になるので、治療期間は長くなり費用もかさみます。また、抜歯箇所の両側に歯がなく、インプラントも嫌という場合は「部分入れ歯」を作ることになります。

 ブリッジと部分入れ歯は保険適応になる場合もあります。ブリッジは場所と欠けた歯の数によって保険適応かどうかが定められていて、1箇所2万円~4万円、部分入れ歯は5000円~1万3000円程度です。

「混合診療」解禁で何が変わるか?

 自費診療で1本欠損のブリッジ治療をする場合、初診から治療完了までのトータルは15万~90万円といわれています。耐久性と見た目を兼ね備えているのはメタルボンド(セラミック)ですが、1本あたり8万~10万円。ブリッジは最低3本必要なので、およそ30万円の出費を覚悟しなければいけません。

 それだけでなく、ブリッジ自体を自費で選ぶと、その手前の抜歯などにも保険は効かなくなります。インプラントの費用が高い(1本15万~90万円)といわれるのも、その前後の治療がすべて自費になることが原因の一つにあります(前歯の金合金や金属床総義歯など、「選定療養」として認められているものも)。

 これは「混合診療」を禁止してきた法律によるものですが、TPPへの対応策として、「歯冠修復・欠損補綴」などで自費による素材を選んでも、必要な部分は保険診療で行えるようになっています。

 2016年4月からは、先進医療などにおける「患者申出療養制度」が認められることになりました。今後はインプラントに保険義歯を装着できるなど、選択肢が広がってきます。何を選べばどんなメリットがあり、費用の違いはどのぐらいなのか。きちんと説明してくれる歯医者さんを選ぶことが、虫歯を放置してしまった患者のできる一番の仕事です。

<参考サイト>
http://www.jdpf.jp/102/
(10MTV編集部)

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