社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
有休消化率は世界最低!日本人の「社畜」傾向
うわっ、私たちみんな社畜…?日本人の美徳の1つとして勤勉さが挙げられますが、その一方で有休消化率が世界最下位級というデータも発表されました。
過去9年の調査結果を見ると、最も消化率が悪かった2012年の38%よりは消化率が上がっているものの、消化率以外でも日本人の“社畜的傾向”を示すデータがあります。たとえば「休み不足を感じている人の割合」。消化率が低ければ休みが足りないと思う人も多いのが自然なはずですが、なんと最下位の34%。そもそも休みが足りないとそれほど思っていないのです。ちなみに有休が30日も支給され、消化率100%のスペイン人の68%は休み不足と感じているとのこと。世界一休んでいるのに、まだまだ休み足りないようです。
有給休暇取得の法的な義務化が取り沙汰されるなどかつてに比べれば有休を取りやすくなってはいるものの、国際レベルではまだまだということが浮き彫りになってしまいました。
上記の調査結果を見るに、ただ単に休みが取りづらいという制度的な問題ではなく、日本人の考え方が有休取得向上の方向に向いていないのではないかとさえ感じてしまいます。これを仕事熱心ととればいいのか、あるいは会社に飼いならされてしまっていると見るか。諸外国並みに有休消化率を上げるためには、制度的なアプローチだけではなく、有休消化を当然とする風潮を盛り上げていくことも必要かもしれません。
有休の半分はパー…でも不足感なし?
総合旅行サイトのエクスペディアが、有給休暇の国際比較調査を実施。世界28ケ国18歳以上の有職者9,424人を対象としたもので、日本は3年ぶりの最下位となりました。ブラジル、フランス、スペインは30日支給され、消化率100%。一方、日本は支給日数では最下位にならなかったものの、20日支給で消化は10日、つまり消化率は50%。53%の韓国をわずかに下回り、「最も有休を取りづらい国」となってしまいました。過去9年の調査結果を見ると、最も消化率が悪かった2012年の38%よりは消化率が上がっているものの、消化率以外でも日本人の“社畜的傾向”を示すデータがあります。たとえば「休み不足を感じている人の割合」。消化率が低ければ休みが足りないと思う人も多いのが自然なはずですが、なんと最下位の34%。そもそも休みが足りないとそれほど思っていないのです。ちなみに有休が30日も支給され、消化率100%のスペイン人の68%は休み不足と感じているとのこと。世界一休んでいるのに、まだまだ休み足りないようです。
休みづらい、休んでも仕事が気になる…
さらに有休取得に罪悪感を感じる人という統計では、日本は世界2位の59%(1位は韓国の69%)。そもそも自分の有休支給日数を知らない人の割合はダントツ1位の47%。2位の韓国(21%)に2倍以上の差をつけています。そして、休んだにもかかわらず「一日中仕事のメールを見てしまう」という人の割合も世界2位の22%(1位は韓国の23%)。せっかくの休みでもなかなか気が休まらない、という人も少なくないようですね。有給休暇取得の法的な義務化が取り沙汰されるなどかつてに比べれば有休を取りやすくなってはいるものの、国際レベルではまだまだということが浮き彫りになってしまいました。
上記の調査結果を見るに、ただ単に休みが取りづらいという制度的な問題ではなく、日本人の考え方が有休取得向上の方向に向いていないのではないかとさえ感じてしまいます。これを仕事熱心ととればいいのか、あるいは会社に飼いならされてしまっていると見るか。諸外国並みに有休消化率を上げるためには、制度的なアプローチだけではなく、有休消化を当然とする風潮を盛り上げていくことも必要かもしれません。
<参考サイト>
・Expedia 有休消化率3年ぶりに最下位に!有給休暇国際比較調査2016
https://welove.expedia.co.jp/infographics/holiday-deprivation2016/
・Expedia 有休消化率3年ぶりに最下位に!有給休暇国際比較調査2016
https://welove.expedia.co.jp/infographics/holiday-deprivation2016/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
“社会人学習”できていますか? 『テンミニッツTV』 なら手軽に始められます。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
ヒトは共同保育の動物――生物学からみた子育ての基礎知識
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(1)動物の配偶と子育てシステム
「ヒトは共同保育の動物だ」――核家族化が進み、子育ては両親あるいは母親が行うものだという認識が広がった現代社会で長谷川氏が提言するのは、ヒトという動物本来の子育て方法である「共同保育」について生物学的見地から見直...
収録日:2025/03/17
追加日:2025/08/31
日本の弾道ミサイル開発禁止!?米ソとは異なる宇宙開拓の道
未来を知るための宇宙開発の歴史(7)米ソとは異なる日本の宇宙開発
日本は第二次大戦後に軍事飛行等の技術開発が止められていたため、宇宙開発において米ソとは全く違う道を歩むことになる。日本の宇宙開発はどのように技術を培い、発展していったのか。その独自の宇宙開拓の過程を解説する。(...
収録日:2024/11/14
追加日:2025/09/02
天平期の天然痘で国民の3割が死亡?…大仏と崩れる律令制
「集権と分権」から考える日本の核心(3)中央集権と六国史の時代の終焉
現代流にいうと地政学的な危機感が日本を中央集権国家にしたわけだが、疫学的な危機によって、それは早い終焉を迎えた。一説によると、天平期の天然痘大流行で3割もの人口が減少したことも影響している。防人も班田収授も成り行...
収録日:2025/06/14
追加日:2025/09/01
世界は数学と音楽でできている…歴史が物語る密接な関係
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
数学も音楽も生きていることそのもの。そこに正解はなく、だれもがみんな数学者で音楽家である。これが中島さち子氏の持論だが、この考え方には古代ギリシア以来、西洋で発達したリベラルアーツが投影されている。この信念に基...
収録日:2025/04/16
追加日:2025/08/28
発がんリスク、心身の不調…シフトワークの悪影響に迫る
睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ(5)シフトワークと健康問題
社会的時差ボケの発生には、働き方も大きな影響をもっている。特にシフトワークによって不規則な生活リズムを強いられる業種ではその回避が難しい。今回は、発がんリスク、メンタルヘルスの不調など、シフトワークが抱える睡眠...
収録日:2025/01/17
追加日:2025/08/30