社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2017.01.21

3人に1人が離婚する日本人の再婚率は?

 日本では「3人に1人が離婚する」といわれています。確かに自分の周囲を考えてみると案外、当たっているのではないか、という気はしていますが、実際のところはどうなのでしょうか。まずは世界の数字から見てみましょう。

主要国のなかでは離婚率の低い日本

 離婚率とは、その年の離婚数を人口1000人当たりで割ったもの。2015年の厚生労働省発表によると、世界の主な国の離婚率は以下の順となっているそうです。

<離婚率>
1位:アメリカ/3.6
2位:スウェーデン/2.46
3位:韓国/2.3
4位:ドイツ/2.19
5位:イギリス/2.05
6位:フランス/1.97
7位:シンガポール/1.86
8位:日本/1.77
9位:イタリア/0.91

 このなかではアメリカが1位、それにスウェーデン、韓国、ドイツと続いています。日本の離婚率は世界的にみれば比較的低いといえるのかもしれません。

 さて、はじめに3人に1人は離婚すると示しました。これは、その年の婚姻率(人口1000人当たりの結婚数)に対する離婚率(人口1000人当たりの離婚数)の割合のことです。日本の場合、さきほど上げた厚労省の発表によると、婚姻率は5.2で、離婚率は1.77、つまり、およそ「3組に1組は離婚する」という言い方になるわけです。

 ここで、「3組に1組が離婚」という言い方ですが、少し注意が必要です。日本では、婚姻件数は2011年から2013年まで約66万件台を保っていたのですが、2014年には約64万9千件に減少しています。一方、離婚件数は、2011年から2014年まで約22~23万件台となっています(毎年、少しずつ減っていますが)。ただ、離婚件数に該当するのはその年に結婚した夫婦だけではなく、それ以前に結婚した夫婦も含めた、さまざまな年代の夫婦です。つまり、分母の婚姻件数が少なくなっている状況ですから、実際よりは多い数値が出ていると考えてもいいかと思われます。

離婚の理由

 離婚の理由にはさまざまなものがあるかと思われますが、ダイヤモンドオンラインの調査によると、離婚にいたった女性側の理由は以下の通り(複数回答)。

・「価値観の違い」(53.2%)
・「金銭感覚の違い」(46.2%)
・「性格の不一致」(43.8%)
・「夫婦の会話がない」(32.0%)

 これらの項目では、夫婦間におけるコミュニケーションのズレなどが問題だと思われますが、具体的なところはややつかみにくいところはあります。

 そこで、同サイトによると、さらに重要なのは、「相手が家事に協力的ではない」(女性27.2%)、「相手が育児に協力的ではない」(同26.2%)の項目だといいます。「この2つは女性と男性との間で20ポイント以上の開きがあり、男女で意識の隔たりがある」とのことです。

 ここ数年で時代は大きく変わっています。スタッフの知人には、夫と同じくらいの給与をかせぐ妻がいたり、出産後も同じように働く女性が少なくありません。もはや「家計を支えるのは男性」という考えはもはや通用しなくなっており、男性側に柔軟な考えを持つことが求められているのではないでしょうか。

離婚してもしっかり子育てできる社会に

 世界的な比較による日本の離婚率の低さは、もしかしたら「世間の目」というものも関係しているかもしれません。いわゆる「バツイチ」への偏見とでもいうべきものでしょうか。しかし、この意識はここ20年近くのあいだに柔軟な方向に変化しているようです。以下は厚生労働省の発表による再婚率(全婚姻件数に対する再婚件数の割合)ですが、夫も妻も20年間のあいだにおよそ5~6%ほど高い数値になっていることが分かります。

<全婚姻件数に対する再婚件数の割合>
1994(平成6)年:夫/12.9%、妻/11.4%
2004(平成16)年:夫/17.8%、妻/15.9%
2010(平成22)年:夫/18.5%、妻/16.2%
2011(平成23)年:夫/18.8%、妻/16.4%
2012(平成24)年:夫/19.0%、妻/16.4%
2013(平成25)年:夫/19.2%、妻/16.5%
2014(平成26)年:夫/19.3%、妻/16.6%

 データから、離婚や再婚への偏見が減っているということがうかがえます。合理的に考えれば、たしかに個人がより幸福に生きていくためにパートナーを変えるということは自然なことといえるかもしれません。

 ただ一方で、育児に関する問題も見逃せません。もし離婚してシングルになった場合、そのまま子育てをする親は非常に大変で、また仕事に関しても、時間的制約などから不遇を受ける可能性があることは否定できません。この点に関しては、周囲や企業の配慮だけでなく、国の政策に期待するところは少なくないでしょう。

<参考サイト>
・厚生労働省ホームページ(平成26年人口動態統計の年間推計、平成26年人口動態統計月報年計(概数)の概況)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suikei14/dl/honbun.pdf
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai14/dl/gaikyou26.pdf
・DIAMOND online:離婚の理由、一発KOよりボディブローが効く2016/8/31
http://diamond.jp/articles/-/100359?page=2
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
“社会人学習”できていますか? 『テンミニッツTV』 なら手軽に始められます。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

熟睡できる習慣や環境は?西野精治先生に学ぶ眠りの本質

熟睡できる習慣や環境は?西野精治先生に学ぶ眠りの本質

編集部ラジオ2025(30)西野精治先生に学ぶ「熟睡の習慣」

テンミニッツ・アカデミーで、様々な角度から「睡眠」についてお話しいただいている西野精治先生(スタンフォード大学医学部精神科教授)に「熟睡できる環境・習慣とは」というテーマで具体的な方法論をお話しいただいた講義を...
収録日:2025/10/17
追加日:2025/12/11
2

平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?

平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?

平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想

平和は、いかにすれば実現できるのか――古今東西さまざまに議論されてきた。リアリズム、強力な世界政府、国家連合・連邦制、国連主義……。さまざまな構想が生み出されてきたが、ここで考えなければならないのは「平和」だけで良...
収録日:2025/08/02
追加日:2025/12/08
川出良枝
東京大学名誉教授 放送大学教養学部教授
3

PDCAサイクルを回すための5つのプロセスとそのすすめ方

PDCAサイクルを回すための5つのプロセスとそのすすめ方

プロジェクトマネジメントの基本(3)プロジェクトのすすめ方

プロジェクトを進める際にPDCAサイクルの概念は欠かせない。国際標準PMBOKでは、PDCAを応用した「立上げ」「計画」「実行」「監視コントロール」「終結」の5段階をプロジェクトに有用とし、複数フェーズでそれを回す。ステーク...
収録日:2025/09/10
追加日:2025/12/10
大塚有希子
法政大学専門職大学院イノベーションマネジメント研究科准教授
4

熟睡のために――自分にあった「理想的睡眠」の見つけ方

熟睡のために――自分にあった「理想的睡眠」の見つけ方

熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法

「熟睡とは健康な睡眠」だと西野氏はいうが、健康な睡眠のためには具体的にどうすればいいのか。睡眠とは壊れやすいもので、睡眠に影響を与える環境要因、内面的要因、身体的要因など、さまざまな要因を取り除いていくことが大...
収録日:2025/03/05
追加日:2025/11/23
西野精治
スタンフォード大学医学部精神科教授
5

葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか

葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか

葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化

浮世絵を中心に日本画においてさまざまな絵画表現の礎を築いた葛飾北斎。『富嶽三十六景』の「神奈川沖浪裏」が特に有名だが、それを描いた70代に至るまでの変遷が実に興味深い。北斎とその娘・応為の作品そして彼らの生涯を深...
収録日:2025/10/29
追加日:2025/12/05
堀口茉純
歴史作家 江戸風俗研究家