社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
共働き・子育てがしやすい企業とは?
結婚すると男性は収入が上がり、女性は収入が下がる!?
女性の社会進出が大きなトピックとなって久しいですが、現状はどうなのでしょうか。2013年の明治安田生活福祉研究所の調査によると、30代未婚女性の7割近くが結婚相手として年収400万以上の男性を、また3割が年収500万以上の男性を希望しているそうです。これに対して、30代未婚男性でそうした稼ぎがあるのは3割弱、5割は年収300万未満という結果が出ています。この状況を見れば、未婚者が多い理由の一部はわかります。しかし、これは単に女性が高望みしているという話ではありません。武蔵野大学、杏林大学兼任講師の舞田敏彦氏によると、結婚すると男性は収入が上がり、女性は収入が下がるそうです。つまり、女性で高い収入を得ているのは未婚の女性なのです。こうなれば、結婚を望む女性が相手に高収入を求めるのも当然と言えるでしょう。
共働き子育てしやすい企業は?
一方、日経BP社の共働き子育て家庭向け情報サイト日経DUALでは「共働き子育てしやすい企業2016」TOP20社を発表しています。女性の社会進出に取り組んでいる企業100社に調査票を送り、回答を受けて選出するものです。重視された評価基準は以下の通り。1. 男性社員の多くが(3日以上連続の)育児休業を取得しているか
2. 産育休を取得する(している・した)社員を対象に、両立支援の取り組みを実施しているか
3. 2の両立支援の取り組みには、社員の配偶者も巻き込んでいるか
4. 在宅勤務制度があり、多くの社員に利用されているか
5. 月ごとの平均残業時間が短いか
6. 恒常的な残業を削減する取り組みを行っているか
7. イクボスを増やす取り組みを実施しているか
8. 社員の保活をサポートする取り組みがあるか
9. フレックス勤務制度を取り入れており、多くの社員により利用されているか
10. 業務効率化の施策を行っているか
11.「時間当たり生産性」を社員の人事評価に入れているか
12. 性別や年齢等の属性に関係なく受けられる、キャリア教育の機会があるか
13. 経営戦略に「育児中社員の両立支援」や「働き方の改革」という視点が盛り込まれているか
以上の項目から、時間の拘束をなるべく少なくするような取り組みや、男性の育児参加というところを重視していることがうかがえます。男女社員がともに仕事と育児を両立して行うことができるかがポイントで、男性も休みを取りやすくなる、また残業にたよらない労働形態が大事になるということです。
ちなみに、優良とされた企業のトップ5は以下の通りです。
1位:サントリーホールディングス
2位:丸井グループ
3位:ダイキン工業
4位:日本生命保険
5位:ピジョン
より自由な労働の形が一般化するために
今後、こうした取り組みがひろがり、長時間労働によらない効率的な労働システムが導入されれば、既婚・未婚、男性・女性という違いを超えた、より自由な労働の形が一般化するのではないでしょうか。そうなれば、長時間労働だけでなく、ワーキングプアに関する問題にも光がさすかもしれません。ということで、女性の社会進出にともなって、会社の労働環境がどう変わっていくのか、今後も注目していきたいところです。
<参考サイト>
・BLOGOS:正視に耐えない残酷な現実「男性の年収と未婚率」(武蔵野大学、杏林大学兼任講師 舞田敏彦=文・図版)
http://blogos.com/article/203791/
・日経電子版:日経DUAL「共働き子育てしやすい企業2016」TOP20社を発表!
http://style.nikkei.com/article/DGXMZO10486190Z01C16A2000000?channel=DF260120166497
・BLOGOS:正視に耐えない残酷な現実「男性の年収と未婚率」(武蔵野大学、杏林大学兼任講師 舞田敏彦=文・図版)
http://blogos.com/article/203791/
・日経電子版:日経DUAL「共働き子育てしやすい企業2016」TOP20社を発表!
http://style.nikkei.com/article/DGXMZO10486190Z01C16A2000000?channel=DF260120166497
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
国家が的確な情報を素早く見つけ行動するためには、インテリジェンスが欠かせない。日本の外交がかくも交渉下手なのは、インテリジェンスに対する意識の低さが原因だ。日本人の苦手なインテリジェンスの重要性について、また日...
収録日:2017/11/14
追加日:2018/05/07
ルソーの「コスモポリタニズム批判」…分権的連邦国家構想
平和の追求~哲学者たちの構想(4)ルソーが考える平和と自由
かのジャン=ジャック・ルソーも平和問題を考えた一人である。個人の「自由意志」を尊重するルソーは、市民が直接参加して自分の意思を反映できる小さな単位を基本としつつ、国家間紛争を解決する手段を考えた。「自由の追求」に...
収録日:2025/08/02
追加日:2025/12/16
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』、秀吉と秀長の実像に迫る
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
「織田家中一の武略者」――今までの大河ドラマでは見たことがない秀吉の姿が見られるという2026年NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』。いったいどういうことなのか。日本史の中でもファンの多い戦国時代だが、特に「天下一統」に向かう...
収録日:2025/10/20
追加日:2025/12/17
夜まとめて寝なくてもいい!?「分割睡眠」という方法とは
熟睡できる環境・習慣とは(4)起きているときを充実させるために
「腸脳相関」という言葉がある。健康には腸内環境が大切といわれるが、腸で重要な役割をしている物質が脳にも存在することが分かっている。「バランスの良い食事」が健康ひいては睡眠にも大切なのは、このためだ。人生は寝るた...
収録日:2025/03/05
追加日:2025/12/14
『100万回死んだねこ』って…!?記憶の限界とバイアスの役割
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(2)バイアスの正体と情報の抑制
「バイアスがかかる」と聞くと、つい「ないほうが望ましい」という印象を抱いてしまうが、実は人間が生きていく上でバイアスは必要不可欠な存在である。それを今井氏は「マイワールドバイアス」と呼んでいるが、いったいどうい...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/11/09


