社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
あのTVや新聞はどっち?政治とメディアの右と左
ここ数年、「ヘイトスピーチ」(憎悪扇動)や「レイシズム」(人種差別)が問題として取り上げられることが多くなりましたが、「右傾化」「保守化」する日本社会という報道を耳にしたことはないでしょうか。
「政治は右寄り、経済は左寄り」など、世界を評する会話のキーワードとしての「左・右」。「左派、右派」、「左翼と右翼」など、人物だけでなく、新聞やTVなどメディアを評するときにも、そうした対立した二分法で語られることが少なくありません。
左 朝日新聞/テレビ朝日
↑ 毎日新聞/TBS
| 日本経済新聞/テレビ東京
↓ 読売新聞/日本テレビ
右 産経新聞/フジテレビ
こうした分け方は時代や立場、視点によっても変化しますが、社会的に「左」といえば、社会主義的な傾向で語られ、「右」といえば愛国的なイメージを持たれるように思います。社会を二分する「左・右」については歴史的な事実もふまえて理解しておいたほうがよいでしょう。
左翼と右翼、その歴史的な起源は、フランス革命後の国民議会での座席位置にありました。革命後の国としての指針を議論する上で、革新または急進主義が「左翼」、保守が「右翼」と呼ばれた事が起源とされています。
フランス革命の初期国民議会において、右翼は完全な王党派であり、左翼は王権の制限を主張しました。この革命的意義を政治的・哲学的に検証したヘーゲル、マルクスの研究成果が、フランス革命における左翼主張の発展的形態として、共産主義・社会主義国家を生み出したことが、一般的な意味づけを決定的にしました。
日本は天皇制を維持する立憲君主国家であることから、天皇制を軸に、右翼と左翼のコントラストが明確になりやすい傾向にあります。しかし、東西冷戦後、20世紀後半にソ連など西欧の共産主義国家群が崩壊し、より複雑化し混迷を極める今日の世界情勢のなかで、伝統的な意味づけでの「左翼と右翼」という二分法は意味をなさなくなってきているというのが現状です。
政治における権力の集中と独占も困りますが、そのメディアによる批判から解体されたまま再構築できない状況はさらに困ります。自民党と民主党だけではなく、日本にはかつて保守と革新の闘争が社会を右往左往させ、疲弊させてきた歴史があります。
目指すべきは経世済民で、メディアにしてもその役割は明確です。対立を鮮明化させる「右・左」のキーワード的な扱いを改め、よりよい社会を実現するため、それぞれの考え方の違いから協調する方向にシフトさせるタイミングに来ているのではないでしょうか。
「政治は右寄り、経済は左寄り」など、世界を評する会話のキーワードとしての「左・右」。「左派、右派」、「左翼と右翼」など、人物だけでなく、新聞やTVなどメディアを評するときにも、そうした対立した二分法で語られることが少なくありません。
TVや新聞を分けるとすると?
Yahoo!知恵袋には、「TVと新聞の対応関係と右左を教えてください。例えば読売新聞→日本テレビ→やや右、朝日新聞→朝日テレビ→やや左ってありますよね?」という質問があり、以下の回答がベストアンサーに選ばれていました。左 朝日新聞/テレビ朝日
↑ 毎日新聞/TBS
| 日本経済新聞/テレビ東京
↓ 読売新聞/日本テレビ
右 産経新聞/フジテレビ
こうした分け方は時代や立場、視点によっても変化しますが、社会的に「左」といえば、社会主義的な傾向で語られ、「右」といえば愛国的なイメージを持たれるように思います。社会を二分する「左・右」については歴史的な事実もふまえて理解しておいたほうがよいでしょう。
左翼と右翼の起源はフランス革命後の国民議会での座席位置にあり
伝統的に、「左」には、進歩主義、社会主義、共産主義、アナキズム、そして、「右」には保守主義、国家主義、ファシズムなどのイメージが定着し、絶対的ともいわれる意味づけでコミュニケーションされているというのが現状です。左翼と右翼、その歴史的な起源は、フランス革命後の国民議会での座席位置にありました。革命後の国としての指針を議論する上で、革新または急進主義が「左翼」、保守が「右翼」と呼ばれた事が起源とされています。
フランス革命の初期国民議会において、右翼は完全な王党派であり、左翼は王権の制限を主張しました。この革命的意義を政治的・哲学的に検証したヘーゲル、マルクスの研究成果が、フランス革命における左翼主張の発展的形態として、共産主義・社会主義国家を生み出したことが、一般的な意味づけを決定的にしました。
日本は天皇制を維持する立憲君主国家であることから、天皇制を軸に、右翼と左翼のコントラストが明確になりやすい傾向にあります。しかし、東西冷戦後、20世紀後半にソ連など西欧の共産主義国家群が崩壊し、より複雑化し混迷を極める今日の世界情勢のなかで、伝統的な意味づけでの「左翼と右翼」という二分法は意味をなさなくなってきているというのが現状です。
60年代の安保闘争が影響するメディアの傾向
そして、新聞、テレビといったメディアについては、もともとニュートラルであることが求められますが、メディアとしての出自、経営者から現場の記者にいたるまで、それぞれのスタンスからの影響が少なからずあるといってよいでしょう。例えば、60年代の安保闘争に参加していた学生が、現行メディアの経営やベテラン記者になっている事情から、メディアの左傾向は想像に難くありません。政治における権力の集中と独占も困りますが、そのメディアによる批判から解体されたまま再構築できない状況はさらに困ります。自民党と民主党だけではなく、日本にはかつて保守と革新の闘争が社会を右往左往させ、疲弊させてきた歴史があります。
目指すべきは経世済民で、メディアにしてもその役割は明確です。対立を鮮明化させる「右・左」のキーワード的な扱いを改め、よりよい社会を実現するため、それぞれの考え方の違いから協調する方向にシフトさせるタイミングに来ているのではないでしょうか。
<参考サイト>
・Yahoo!知恵袋
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10110898910
・Yahoo!知恵袋
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10110898910
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
分断進む世界でつなげていく力――ジェトロ「3つの役割」
グローバル環境の変化と日本の課題(5)ジェトロが取り組む企業支援
グローバル経済の中で日本企業がプレゼンスを高めていくための支援を、ジェトロ(日本貿易振興機構)は積極的に行っている。「攻めの経営」の機運が出始めた今、その好循環を促進していくための取り組みの数々を紹介する。(全6...
収録日:2025/01/17
追加日:2025/04/01
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
今や世界共通の喫緊の課題となっている地球温暖化。さらに、日本国内の上下水道など、インフラの問題も、これから大きな問題になっていく。地球環境からインフラまで、「持続可能」な未来をどうつくっていくのかについて、「水...
収録日:2024/09/14
追加日:2025/03/06
なぜやる気が出ないのか…『それから』の主人公の謎に迫る
いま夏目漱石の前期三部作を読む(5)『それから』の謎と偶然の明治維新
前期三部作の2作目『それから』は、裕福な家に生まれ東大を卒業しながらも無気力に生きる主人公の長井代助を描いたものである。代助は友人の妻である三千代への思いを語るが、それが明かされるのは物語の終盤である。そこが『そ...
収録日:2024/12/02
追加日:2025/03/30
イーロン・マスクは何がすごい?生い立ちと経歴
イーロン・マスクの成功哲学(1)マスクが「世界一」になるまで
2022年、フォーブス誌が発表した世界長者番付の一位となったイーロン・マスク。テスラの電気自動車やスペースXのロケット開発などを通じ、革新的なイノベーションを実現してきたことで知られるマスクは、いかにして現在のような...
収録日:2022/06/22
追加日:2022/08/23
このように投資にお金を回せば、社会課題も解決できる
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(6)日本の課題解決にお金を回す
国内でいかにお金を生み、循環させるべきか。既存の大量資金を社会課題解決に向けて循環させるための方策はあるのか。日本の財政・金融政策を振り返りつつ、産業育成や教育投資、助け合う金融の再構築を通した、バランスの取れ...
収録日:2024/12/04
追加日:2025/03/29