哲学から考える日本の課題~正しさとは何か
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
プラトンの「アカデメイア」から受け継がれる大学の意味
哲学から考える日本の課題~正しさとは何か(5)対話の場所
「正しさ」というものを養っていくための教育機関として、古代ギリシャにはプラトンがつくった「アカデメイア」があった。そこは、さまざまな問題について言葉を自由に使いながら議論を交わす対話(ダイアローグ)の場として機能したが、それが1つのモデルになり、中世の大学ができ、現代の大学へと受け継がれていく。(2019年10月26日開催・テンミニッツTV講演会「西洋哲学と東洋哲学から考える日本の課題」より全11話中第5話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:6分56秒
収録日:2019年10月26日
追加日:2020年3月9日
≪全文≫

●「正しい人」をいかに育てるのか?


―― それでは次に、なかなか難しいのですが、どうやってそれ(「正しさ」というものを養っていくための教育)を実現するかということについてお聞きしたいと思います。例えば、古代ギリシャでも古代中国でも、教育機関など社会的なものがあったと思います。また、昔の「正しい」というのは、「正しい人」になることを目指すものだったのであれば、おそらくそれをいかに養成するかについての知もあったかと思います。具体的な例としては、こうしたものはどのような形で考えられていたのでしょうか。

納富 「正しい」とは、基本的に市民になるということで、それは普通の社会でもいろいろな場で行われるわけですが、前回私が言った2段階の教育でいうと、第2段階目が問題なのです。第1段階は、ある意味で健全な社会であれば機能します。親が子どもに対して「正しい行為を見習いましょう」ということをちゃんと教育をするというものです。特に伝統的な社会では、これは機能します。

 しかし、2段階目のところは難しく、これが形骸化してしまうと、「正しい」といわれているものが「昔からそうなんだ」という形で、やや抑圧的な形で働くこともあり得ます。これは宗教も同じだと思います。そこで、問いがきちんと機能するような場所を確保することが重要になっていきます。


●プラトンの「アカデメイア」から受け継がれる「大学」という場の意味


納富 これについては、人類があちこちで文明を築き、そうした場所をつくってきました。インドや中国も、それぞれそういった場をしっかりとつくってきたということが、大きな意味をもってきたと思います。ギリシャの場合、プラトンが最初につくった「アカデメイア」という学校があります。900年ぐらい続いたのですが、これが1つのモデルになり、中世の大学ができ、現代に至るわれわれの教育ができました。これはやはり前回、中島さんがおっしゃった「問う」ということと一緒に行われていったのだと思います。

 「対話」と訳すと少し軽く感じてしまうかもしれませんが、哲学には基本的に「ダイアローグ」という形で、問い、問われることを一緒に行う方法的なプロセスが必要です。そして、それは当然1人ではできないので、相手と一緒に行うことになります。その場合、相手を厳しく批判したり論駁したりしながら、場合によっては2人とも妥協す...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
「なぜ人は部屋を片付けられないか」を行動分析学で考える
島宗理
楽観は強い意志であり、悲観は人間の本性である
これからの時代をつくるのは、間違いなく「楽観主義」な人
小宮山宏
世界神話の中の古事記・日本書紀(1)人間の位置づけ
世界神話と日本神話の違いの特徴は「人間の格づけ」にある
鎌田東二
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
これから必要な人材と人材教育とは?(3)無謬性とジョブローテーション
もうゼネラリストを育てる人事制度では時代に対応できない
柳川範之
AI時代と人間の再定義(6)道徳の起源から考えるAIと感情の問題
道徳の起源は理性か感情か?…AI時代に必要な思考の身体性
中島隆博
聖徳太子「十七条憲法」を読む(1)十七条憲法を学ぶ現代的意義
聖徳太子の「和」は議論の重視…中華帝国への独立の気概
賴住光子
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
プロジェクトマネジメントの基本(9)リーダーシップとモチベーション
マズローの欲求階層説を発展させたアルダーファの理論とは
大塚有希子
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(3)「現場の熱」こそ多角化の要点
新規事業を成功させるリーダーとは…上意下達はなぜダメか
水野道訓
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司