●肉体大事の西側諸国は、もう中国や北朝鮮に勝てない
執行 私なんて、何の権利も認められていません。私は子供のときから、喧嘩が強かったのですが、喧嘩が強い人間は、誰も味方してくれませんし、何も褒められることもない。私は2600回も喧嘩して勝ってきた、どうしようもない男でしたが、でも、勝ったほうが怒られるのが喧嘩です。
―― なるほど。
執行 でも鎌倉時代や室町時代なら、男の子は喧嘩に勝ったら褒められました。
―― 負けたら、死んでしまいますからね。
執行 負けた奴なんて、親から「おまえみたいなクズは生きる資格がない」と室町時代あたりの武士道では言われていました。でも今や、勝った人間が悪い。これは私が子どものときからそうです。
コロナ問題への対応を見ていると、ヒューマニズムが、私が思っているよりもっと進んでいます。どうしてコロナに対応できないかというと、ちょっとした痛みがダメだからです。
物事を解決するには、必ず痛みが要ります。どこを我慢するかが大事なのに、今の人は、たとえば犠牲者が1人出てもダメだと言う。これは無理です。こう言うと「誰かが死んでいいのか」という話になりますが、「死んでいい」と言っているのではありません。「仕方ないものは、仕方ない」という話なのに、それができない。
―― でもそれは、本来は、宇宙の原理ですよね。
執行 そうです。そもそもコロナ問題について、国家ができることはありません。水際対策を間違えて大衆に入ってしまえば、伝染病を止めることなど、どこの国家もできない。だから医療を整え、ひどくなった人を助ける。医療体制に人材とお金を投入することしか、もう国家はできません。しかし、それをやっていないのです。そして国民を動かして、どうにかしようとする。これではアメリカも日本もヨーロッパも、社会が崩れてしまいます。
伝染病は、いったん入ったら止めることは誰にもできません。神にもできません。伝染病には周期があって、必ず3年なり4年なり、行くところまで行かないと収まらないと決まっています。「そうに決まっている」ということを、言える人がいないように思います。
ここで「そうに決まっている」ということは、犠牲者を切り捨てるということになります。「切り捨てる」という言葉はおかしいのですが、仕方がないのです。医療を整えるというのは、助ける設備を整えていくことしかない。蔓延を止めることはできないということです。
今はワクチンで騒いでいますが、すでに1回収まる時期に近づいているので、ワクチンの効果などまったく関係ありません。要は1回、周期が収まるまで、まる3年かかる。まる3年経てば、伝染病はすべて小休止に入ってきます。ワクチンなど関係なく、下がってきます。
―― そういうものなんですね。
執行 これはもう決まっていることです。
―― スペイン風邪のときもそうだし、ペストもそうだった。
執行 ただ今の人が何にも決められないのは、腹がないからです。犠牲者を出せない。今やアメリカとヨーロッパは、戦争もできません。日本もそうですが、西側ではシミュレーションで兵隊が1人か2人死ぬ可能性が出たら、戦争できませんから。
―― 何人死ぬかって、最初に出しますよね。
執行 そう。そして1人、2人出たら、もうダメ。三十年くらい前だったか、アメリカのクリントン政権のときに一度、北朝鮮に攻め込むことが決まりました。それが、なぜやめになったか。裏話を言うと、韓国がシミュレーションしたらアメリカ軍と日本軍は死なないけれど、韓国軍の犠牲者が数百人、数千人出る計算が出たのです。それで攻撃直前で、米軍が中止したのです。西側諸国は、何人か死ぬだけで、もう戦争も出来ない社会になっているということです。要するに、免疫不全です。
ですから、これからは北朝鮮と中国のような国が軍事的に世界を制覇するのは、これは考えなくてもわかることです。好き嫌いではありません。だって、こちらは戦争ができないのですから。アメリカもそうです。
中国は、まだこちらを高く評価して、アメリカにも恐怖心を持っていますが、しかし、こちらは戦争ができないのだから大丈夫です。戦争というのは、良くも悪くも、人間の魂がしますから。しかし、今は「肉体大事」になってしまっていますから、できません。
●マグロ漁の命懸けを理解しない日本人
―― 肉体大事になってしまったら、大きいことは何もできませんね。
執行 何もできないです。それを言うと、東シナ海の石油だって、そうです。あれは日本が見つけて、もともと日本のものだったのに、通産省の許可が下りなかった。日本の石油会社がみんな「掘らせてくれ」と言ったのに、東シナ海は台風の通過点で、工事中に人命の危険があるからと許可を出さなかった。そ...