テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
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「愛」こそが宇宙の根源、それを認識するのが人類の役目

脱人間論(3)なぜ大宗教家たちは「愛」を語るのか

概要・テキスト
「愛」を認識する力を持っていることが、人間が他の動物と違うところであり、世界中の宗教家が語っているのも「愛を認識せよ」ということである。宇宙のシステムは、寿命がきた星が爆発して星雲となり、やがてそこからまた新しい星が生まれてくる「無限循環」の姿である。その「無償の愛の循環」を認識し、それを地上において展開していく役割を担っているのが人間なのだ。そして、その「無限の愛の循環」を昔の人は「神」だと言ったのである。かつて、人は「神の命令」「神の言葉」に忠実たらんと欲した。だからこそ、そのついでにヒューマニズムがあることも意味があった。だが、すでに神が死んでいるのに、ヒューマニズムだけ残っているのが現代の問題なのだ。(全11話中第3話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:13:22
収録日:2021/03/18
追加日:2021/05/07
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≪全文≫

●「無償の愛の循環」が宇宙のシステムである


執行 (すべての動物の中で、長い期間、大人に育ててもらわないと成人できないのは)とにかく人類だけです。だから人類の特長です。それが何なのか。自分の経験も含めて考えると、「愛を認識する力」です。自分に愛を与えてくれた人や物を認識する力が「恩」です。私もそうやって始まりました。「人間」になった人は、みんなそうです。私が話していて「人間的」と思う人は、まず全員、恩からです。

―― 確かにそうですね。

執行 確かにひどい親もいます。私の親は大変愛情の深い人でしたが、そうでない「とんでもない親」がいることは、私も知っています。それこそ犯罪者まで含め、たくさん知っていますが、そういう人たちと話し合って私が言うのは、これは当然、科学的に考えればわかることですが、「どんなにひどい親でも、どんなにひどい環境に生まれても、人間が成長したということは『一辺の愛を誰かから与えられている』」ということです。そうでなければ、絶対に人間は死にますから。生きているということは、その「一片の愛」を自分は受けているのです。その認識です。

―― 一片の愛を自分は受けているわけですね。

執行 そうです。私は親から無限の愛を受けましたが、これは運がよかったのです。そうでない人もいますが、それでも「一片」は受けている。受けなければ、必ず死にますから。だから私は、そういうふざけたことを言う人と話すときは、その「一片の愛」を、何とか思い出させるのです。追い詰めていくと、やはりわかります。

 どんなにひどい親でも、子供に対する愛情を、何かしら持っていた。そこに行き着くのです。すべてが立派な親ではない。しかし、一宿一飯の恩義はある。ヤクザの世界ではありませんが、一宿でも一飯でも人から助けてもらえば「恩」であり、「愛」を与えられたのです。その愛の認識を持てるのが人間です。

 それがカリ・ユガ期になり、古代エジプトの時代からダメになったけれど、途中で早めに気づき、警告を与えたのが大宗教家だと私はこの本の中で言っています。キリストであり、モーゼであり、釈迦であり、みんなそうです。

 私は宗教も好きで、世界中の宗教を研究してきましたが、全部同じことを言っています。「愛」というとキリスト教を思いがちですが、釈迦も「愛」のことを言っています。言葉が違うだけです。
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