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エリートを養成できない国は、免疫機構を失ったのと同じ

脱人間論(10)エリートをつくれなくなったら滅びるのみ

概要・テキスト
1968年のパリでの学生運動の時代から、世の中が変わりだした。魂より肉体を大事と思うようになり、この流れはもう止まらない。今回のコロナ禍でさらに加速し、ホモサピエンスはいよいよ滅びるときに近づいている。過去の文明を見ると、ダメになり始めた後で救われた文明には、かならずエリート集団がいた。イギリスが一番発達したヴィクトリア朝にも、ジェントルマンと呼ばれるエリートが2万人いた。だが、現代ではエリートの養成自体がタブーになっている。その結果、移民も止められず、いまや移民の家族を養うために、もともとその国にいた人々が税金を納める構造になっている。これではデモが起きるのも当然で、そのストレスはもう頂点に達している。(全11話中第10話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:10:28
収録日:2021/03/18
追加日:2021/06/25
カテゴリー:
≪全文≫

●バカな人間はバカ、ダメな人間はダメ


―― 先生の思想は、悪漢政や先生みたいな人たちが、たくさん出ていけるような社会をつくる思想ですよね。

執行 もちろんそうです。『脱人間論』とは、そういう意味です。人間をやめる覚悟がないと自分の意見を言えない時代なので、「人間をやめなさい」ということです。

―― 1960年代、1970年代ですから、たかだか50年くらい前の話です。50年くらい前の人に、三島由紀夫みたいな最期はもう自分自身が芸術になる、あの死にざまをやるような人がいた。本当にわずかのあいだに変わってしまったわけですね。

執行 1970年代から今までの50年が最大です。切れたのは20世紀に入ったころからですが、加速がついたのは1970年代です。

 誰でも言うことですが、何かが変わりだしたのは、1968年のパリの学生運動からです。あのときからフランス社会もすっかり引っくり返ったと、フランス人はみんな言います。

――(学生街の)カルチエ・ラタンあたりから始まるわけですね。

執行 そう、あそこからです。1968年だから、まさに50年です。これはもう止まらない。ますます悪化します。もう人類史の最後が近づいている。だから最後をどう飾り、自分が人類最後の人間として、どう次の人類に正しく人間の魂を継承していくか。そういう時期に来ているということです。

 嫌な言葉で言うと、ホモサピエンスと言われているわれわれ類人猿は、宇宙から人類を託されたわけです。10万年前に。これに応えられなかった、ということです。昔の人の言葉なら、神の期待に応えられなかった。

 前に言ったように太陽系まで含めて、われわれをつくった存在の中心エネルギーは、愛のエネルギーです。それを感知・認識して、「それを実践する人間にならなければならない」と言ったのが大宗教家なのです。

―― 確かにそうです。

執行 われわれはその言うことも聞かずに来たので、ついに滅びるときに近づいたということです。

 私はこのコロナで、ぐっと近づいたと思います。コロナは世界レベルの話で、世界レベルで秩序が崩れ去るのですから。

―― 崩れ去る。

執行 崩れている部分がどういう部分かも、私は全部チェックしています。すると人類をつくり上げていた項目が、全部なくなっています。水平のほうが、ものすごい勢いで伸びているのです。だから滅びるのは早まったと言える。

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