電脳社会の未来
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混沌=魂を持っている人間だけが家畜にならずに生きていく
電脳社会の未来(2)家畜になるかならないか
考察と随想
執行草舟(実業家/著述家/歌人)
われわれは今、ホモ・サピエンスの頂点の文明として、自由、平等、民主主義、科学などを掲げて現代を生きている。しかし、こういった人類の掲げた「理想」=綺麗事をAIが受け持つ社会になっていくのではないか。人類が受け持つのは混沌、不合理、つまり「悪いところ」を受け持つ。この悪いところとは「魂」のことである。つまり人類で魂を持つ人だけが家畜にならずに生きていくのである。(全9話中第2話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:10分48秒
収録日:2023年8月2日
追加日:2023年9月22日
カテゴリー:
≪全文≫

●「いいところ」と「悪いところ」の分担は?


執行 われわれは今、ホモ・サピエンスの頂点の文明として、いいとか悪いは別にして、自由、平等、民主主義、科学を掲げています。これを現行人類が達成できるかできないかというと、結論から言えば、まず絶対できません。

―― なるほど。絶対できないと。

執行 達成しようと思ったのが、昔の大宗教家です。

―― そうですか。大宗教家たち。

執行 自由、平等、それから愛情、科学文明、正しく物(宇宙)を見る目、さらには宇宙の中の一環としてのわれわれの位置を見る目、これらをキリスト教も仏教も全部説いています。宗教を研究すればわかります。そして警告したのが大宗教家です。

 ところが、大宗教家が言ったことをわれわれは聞かず、物質文明に走って、ここに来ているのです。よく考えると、平等や民主主義、科学的真実を遂行できるのは、今やAIとロボットになっています。

 AIとロボットは科学を遂行できるとわかっていなければダメです。そして、科学を遂行できるということは、われわれホモ・サピエンスが理想としてきた平等も実現できるし、民主的な考え方も実現できるということです。発展していけば、ですが。

―― なるほど。

執行 われわれはこれらを物質主義で、「自分たちの都合」でしか使えませんでした。だから、われわれが頂点の夢として民主主義を描いたなら、この夢を叶えるのがAIなのです。

―― 夢を叶える強力なサポート手段が出てきたということですね。

執行 そうです。いいほうの、ね。

―― いいほうの、ですね。

執行 では、われわれ人類とAIがどのように共存していくかですが、結論から言うとAIとロボットが、いいほうを全部やります。

―― なるほど、いいほうを全部。

執行 知能とか民主主義、平等のいいところ、優しいところ、愛情のいいところ。そういうものを全部AIがやることになる社会ができるということです。できなければ、人類は生き残れません。ではわれわれ旧人類のホモ・サピエンスが受け持つのは何かというと、悪いところだけです。

―― なるほど、悪いところだけ。

執行 悪いところとは、宇宙的な言葉で言うと「混沌」です。混沌。不合理。それから悪い意味の愛。

―― なるほど。混沌、悪い意味の愛。

執行 科学や平等、民主主義、正義といったものでは解決できない混沌が、われ...