偉大にして最後なる戦いが、人間の魂を待ち受けている
反生命論(10)反生命こそ人間の真の運命の躍動
古代ローマの哲学者プロチノスが「偉大にして最後なる戦いが、人間の魂を待ち受けている」という言葉を遺している。これは金属に移行していく人間が魂を取り戻したいなら、魂の戦いを戦い抜くしかないということである。愛も義...
収録日:2024/05/16
追加日:2024/09/27
肉体よりも魂…厳しい修行がなければ文化は継承できない
反生命論(7)生命は、生命讃歌によって滅びる
文化は全部、魂の価値である。ところが、ルネッサンスの頃から神を失い、文化を支える価値も失ってしまった。よって魂の文化の継承はできなくなってしまった。いみじくも、この神の喪失をロシアの哲学者ニコライ・ベルジャーエ...
収録日:2024/05/16
追加日:2024/09/06
神様か仏様か?…和魂漢才・和魂洋才の融通無碍さと得意技
山上憶良「好去好来の歌」を読む(3)神と仏の棲み分けと「和魂漢才」
山上憶良は、遣唐使の旅立ちに送る歌の中で神と仏の棲み分けを示していた。神仏が時に一つになり、時に分かれ、棲み分けてきた融通無碍さは、日本が島国だから生まれた方法である。菅原道真は、受容したものを工夫して使うこと...
収録日:2024/04/02
追加日:2024/06/02
「なあなあ」と自粛警察…大和魂と漢才の対から見えるもの
もののあはれと日本の道徳・倫理(4)「なあなあ」の日本ともののあわれ
日本は「なあなあ」でいい――本居宣長は、人それぞれにある切実な「あはれ」に共感し、不道徳な思いをある程度許容することが日本的な道徳であると説いたが、今回取り上げる考え方がこの「なあなあ」である。表立ったルールでは...
収録日:2023/08/04
追加日:2024/02/08
長編詩「大国主」と4つの魂…和魂、荒魂、幸魂、奇魂
大国主神に学ぶ日本人の生き方(5)長編詩「大国主」を読む
幾度となく理不尽な目に遭う大国主神の性質や様子を、世界神話の神々と比較しながら描いた鎌田氏の長編詩「大国主」。『古事記』を「世界の中の叙事詩の伝統」の中に位置づけてきた鎌田氏が、『古事記』の神聖な響きを維持しな...
収録日:2023/08/08
追加日:2024/01/07
最善が堕落したものは最悪である…無限なのは理想や魂のみ
日本企業の病巣を斬る(3)足るを知る
日本の企業には伝統的な成功パターンがある。三井越後屋は地域密着型の商売を行い、300年繁栄を続けているが、これは当主が「足るを知る」をわきまえていたからだ。ローマ帝国の有名なことわざに「最善が堕落したものは最悪であ...
収録日:2023/10/18
追加日:2023/12/15
現行人類に残された部分は混沌、不合理、魂の野蛮さ
電脳社会の未来(7)魂の野蛮な部分が人間の特質
人に感化を与えるのは、真の教養を持っている人である。同時に、人間は危険な存在でもある。「希望」があると思って、「悪」をやめないからである。だからこそ、悪意に満ちた人類性善説、機械性悪説を打ち砕かなければいけない...
収録日:2023/08/02
追加日:2023/10/27
悪と善とが交互になって、初めて物事が転がっていく
電脳社会の未来(5)善の魂と悪の魂
物事は陰と陽の関係で進む。「陰と陽」を「悪と善」と言い換えれば、悪がなければ善はない。悪と善は交互になって初めて物事が回転していくということだ。悪といわれる場から希望という善が生まれる。悪にはそれぐらい何かを生...
収録日:2023/08/02
追加日:2023/10/13
混沌=魂を持っている人間だけが家畜にならずに生きていく
電脳社会の未来(2)家畜になるかならないか
われわれは今、ホモ・サピエンスの頂点の文明として、自由、平等、民主主義、科学などを掲げて現代を生きている。しかし、こういった人類の掲げた「理想」=綺麗事をAIが受け持つ社会になっていくのではないか。人類が受け持つ...
収録日:2023/08/02
追加日:2023/09/22
魂の苦悩に耐える「こらえ性」こそ日本人には大切である
人生のロゴス(12)最後には必ず正しい道に到達する
永遠の苦悩に向かって生きようとする人間は、失敗と間違いの連続である。だから、〈心さえ歪んでいなければ、最後には必ず正しい道に到達すると思っている〉というような言葉に感激する感性がないと、苦悩に挑戦もできない。今...
収録日:2023/03/29
追加日:2023/08/11
「帰郷」「愛だけが…」…浮かび上がってくる純粋な魂と愛
逆遠近法の美術論(7)八反田友則氏の絵を鑑賞する-2
「帰郷」は逆遠近法の代表的作品の一つで、磔刑で死んだキリストが神のもとへ帰る姿を表している。ここから浮かび上がるのは、子どもの純真さである。絵の中のいろいろな色が子どもの食べるお菓子のようでもあり、キリストの魂...
収録日:2022/08/30
追加日:2023/04/21
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
理想的なポリスから劣悪な社会への堕落が起こる過程で、最も重要なのは「民主制」を経て最後の「僭主制」に移行する段階である。なぜ最も重要なのかというと、そもそも『ポリテイア』の問題提起が「僭主制が一番いい」という議...
収録日:2022/09/27
追加日:2023/03/17
哲人政治から寡頭制、民主制への堕落…金銭欲と分断の末路
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(13)ポリスと魂の堕落過程〈上〉不正の考察
不正とは何か。この議論のキーワードは「欲望」と「分断」。この2つによって、理想的なポリスとしての形が「優秀者支配制」からだんだんと「名誉支配制」「寡頭制」「民主制」、最後の5番目に「僭主制」という順番に堕落したも...
収録日:2022/09/27
追加日:2023/03/10
理性・気概・欲望…ポリスとの類比でわかる「魂の三部分説」
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(9)魂の三部分説
国家論を議論しているようにみえる『ポリテイア』だが、本当のテーマは「魂(プシューケー)」ではないか。ポリスにおける正義・不正を見ることで、類比的に、人の魂を考察できるからだ。ポリスの階層(守護者・軍人・生産者)...
収録日:2022/09/27
追加日:2023/02/10
重要なのは、どういう魂の人が学問をしたか
作用と反作用について…人間と戦争(10)情緒と魂
問題意識がなくなった日本人は、文学も読まなくなった。読んだとしても感応する情緒がなくなっている。30年前に『若きウェルテルの悩み』を恋愛に興味のある若い女性に勧めたが、ウェルテルが自殺する理由がまったくわからなか...
収録日:2022/05/19
追加日:2022/09/02
『源氏物語』紫上の死…紫式部が描くもっとも幸せな最期
『源氏物語』を味わう(8)最愛の人・紫上に対する鎮魂歌
光源氏の正室・女三の宮は、頭中将の息子・柏木とのあいだに不義の子を産むことになる。源氏は女三の宮を女として顧みることなく、ここでも紫上は最終的に救われる。やがて死を迎える紫上だが、何の苦しみもなく、源氏をはじめ...
収録日:2022/02/22
追加日:2022/08/08
「魂をぶっ潰してやる」…流行りに乗って誇りを壊した人々
作用と反作用について…人間と戦争(6)嫉妬心から出る正義感
国家の存続のためには、自分の頭で考える人が「塊」として存在していることが大切である。そのような人間が1人だと「変人」扱いされてしまうが、10人いれば「変人」とはいえなくなる。だが、日本人は戦後、そのような「自分の頭...
収録日:2022/05/19
追加日:2022/08/05
「魂の清純さ」を失っていない人々は自分が損をしても戦う
作用と反作用について…人間と戦争(2)清純な魂を忘れた西側諸国
英米は、相手が民族として生き残れないところまで制裁で締めつけるところがある。つねに弱い者に味方をして、自分一人の地位を向上させようとしてきたのが、イギリス流の「バランス・オブ・パワー」であった。とはいえ、今回、...
収録日:2022/05/19
追加日:2022/07/08
西田幾多郎と魂の苦悩を共有する時間を持ったことへの共感
自信について(5)西田幾多郎の本の魅力は「永遠の苦悩」
「自分が進む道は、これだ」「うまく行くかはわからないけど、やってみる」……その境地に達するために大切なのは「初心」や「原点」の歴史を知ることである。しかし、それによって「憧れ」は抱けるようになっても、「自信」を抱...
収録日:2022/01/25
追加日:2022/04/22
「会社の善なるもの」と「個人の善なるもの」が共鳴する
自信について(4)大和魂のあり方を問う『源氏物語』
企業理念の実現に向けて行動すれば、会社はよいほうに向かいだす。行動するために必要なのは「勇気」だが、じつは勇気を持つのが一番難しい。勇気を理解するには、民主主義や平等思想などを1回捨てて、「魂」の問題を考える必要...
収録日:2022/01/25
追加日:2022/04/15
愛のために一生苦悩するか、魂の苦悩を捨てて幸福になるか
憂国の芸術(9)人間は家畜に向かっている
カトリック信者だったミゲール・デ・ウナムーノは、「人間とは、愛のために一生苦悩して生きるか、それとも魂の苦悩を全部捨てて幸福になるか、どちらかしかない」と書いた。しかし、今を生きる人間の多くが、苦悩を捨てて、「...
収録日:2021/12/02
追加日:2022/03/11
コシノジュンコの絵画作品に感じる「真の反骨精神」
憂国の芸術(3)コシノジュンコの魂と芸術
一番新しい執行草舟コレクション収蔵作品は、ファッションデザイナーのコシノジュンコ氏の絵である。彼女と話すと、日本人の燃える魂を感じる。そして、コシノ氏の母も、とても素晴らしい。生活そのものが芸術になっているよう...
収録日:2021/12/02
追加日:2022/01/28
良き日本人の魂を思い出すのは芸術作品と会ったときだけだ
憂国の芸術(1)芸術作品こそが心を動かす
執行草舟が、自身の芸術コレクションの中から、コシノジュンコ氏の作品などを紹介するシリーズ。執行草舟は、芸術として優れているのに加え、魂の燃焼に命をかけて生きた人たちの作品を「憂国の芸術」と名づけて集めている。そ...
収録日:2021/12/02
追加日:2022/01/14
貧乏国に命懸けの仕事をさせて「感謝もしない」日本人
脱人間論(6)相手の「魂」がわからなければダメ
危機の状況下で物事を解決するには、必ず痛みが伴う。どこを我慢するかが大事なのに、それが決められないから適切な対応ができない。戦争も、西側諸国では、1人でも死ぬ可能性があれば、できなくなっている。そんなことでは、今...
収録日:2021/03/18
追加日:2021/05/28
「本物の芸術作品」には、作者のすべてが入っている
「壁」ありてこそ(6)作品の中に生きつづける魂
価値のあるものを残しておけば、何百年経とうが、才能のある人がその魂を受け取ってくれる。そう思って魂の芸術を集めている。優れた芸術には、作者自身の人となりがすべて入っている。だから『万葉集』を読めば当時の人と会話...
収録日:2021/01/14
追加日:2021/03/26
日本的なるものと西洋的なるものの葛藤が立派な魂を生んだ
「壁」ありてこそ(1)作家との対話が当たり前だった時代
執行草舟が、三島由紀夫との対話などを紹介しつつ、日本における天皇の意味、芸術の意味、西洋と日本の狭間で揺れ動く葛藤の意味などについて語るシリーズ。第1話では、三島由紀夫と16歳から19歳までに7回会って文学論議をし...
収録日:2021/01/14
追加日:2021/02/19
「民のための銀行をつくる」渋沢栄一が考えた日本の道
「近代日本をつくった男、渋沢栄一」の素顔(2)徳川幕府の消滅と「和魂洋芸」
徳川幕府最後の将軍・徳川慶喜に仕え、使節団をひきいて渡仏した渋沢栄一。フランス滞在中におこったある出来事が、彼に「民のための銀行をつくる」という志を抱かせる。そこには「和魂洋芸」という日本が進むべき道への思いが...
収録日:2019/04/24
追加日:2021/02/03
古関裕而のライバルは古関裕而――校歌も社歌も古関メロディで
古関裕而・日本人を応援し続けた大作曲家(7)戦後の歌と鎮魂
終戦によって、国民を励まし、人々とともにあった戦時歌謡の時代は終わった。レクイエムとも言える「長崎の鐘」を作曲した古関裕而が生み出す音楽も、戦後復興とともに次第に明るい曲調のものが増えていく。子どもたちを夢中に...
収録日:2020/08/18
追加日:2020/11/10
後醍醐天皇の鎮魂物語だった『太平記』改訂の秘密
『太平記』に学ぶ激動期の生き方(2)『太平記』の複雑な成立過程
人物の評価が一面的である『平家物語』に比べ、登場する人物のさまざまな側面を描き出している『太平記』。そのような特徴を持つに至った大きな原因は、その複雑な成立過程にあった――。いかにして『太平記』は出来上がっていっ...
収録日:2020/08/26
追加日:2020/11/08
愛を認識する「魂」を向上させるために人間は生まれ、死ぬ
伝染病と死生観(5)魂は永遠で、肉体は借り物に過ぎない
武士道も仏教も禅も、すべては「無常」の哲学を表したものである。般若心経も「人間は死ぬ存在で、もともと何もない」という死生観を語っている。信者が次々に磔(はりつけ)になった原始キリスト教も、「死を思え=メメント・...
収録日:2020/04/24
追加日:2020/06/12
国力の衰えとは、「国民の魂や良心」の衰えである
民主主義の根源とは(4)傲慢さが民主主義を破壊する
日露戦争と昭和の戦争とでは、科学性や知性の基盤がまったく違う。そうなってしまったのは、日本人が謙虚さを失ったからであった。議会制民主主義の最盛期を築き上げた19世紀の大英帝国も、貴族であれ庶民であれ、誰もが負い目...
収録日:2019/12/25
追加日:2020/04/17
滅びるとき、多くの人は「理想社会が実現した」と思うだろう
魂の芸術(10)人間が「自分のオリジナル」で生きる社会
IT産業の社長などが言うような、人間が遊んで暮らせる社会、社会保障が行き届いて、AIロボットが嫌な仕事は全部やってくれて、人間は嫌な労働もしないような社会は、きっと実現するだろうが、そう考えることによって実は人類が...
収録日:2019/09/11
追加日:2020/01/10
本当のことは「身も蓋もない」、身も蓋もあるのは「きれいごと」
魂の芸術(9)本当に社会を動かす「悪」の力とは
「家族を捨てた人間は冷たい悪人だ」というなら、仏陀は、まちがいなく「冷たい悪人」の代表例になってしまうだろう。逆にいえば、それが真実なのだ。女房子どもも捨てるような非情な男でなければ、社会を指導するなどというこ...
収録日:2019/09/11
追加日:2020/01/03
なぜ、「大衆民主主義」の「間違いを排除する社会」は滅びるのか
魂の芸術(8)民主主義は再考せられねばならない
大衆民主主義が絶対に滅びることは、すでにキルケゴールや、オルテガが喝破していることである。しかも、日本や独仏など多くの国が、「間違いを排除する」社会になってしまっている。だから、子どもがケンカすらできないような...
収録日:2019/09/11
追加日:2019/12/27
偉大な芸術家の「魂を共有する力」
魂の芸術(7)肖像画に見る「根源的共同化」とは
戸嶋靖昌の肖像画は、描く対象の顔と、戸嶋自身の顔が融合している。これこそ、まさにハイデッガーがいう「存在の根源的共同化」なのである。だから、その肖像画は、描く対象には似ていない。だから、戸嶋の肖像画はお金にはな...
収録日:2019/09/11
追加日:2019/12/20
自己の魂を信じ、そのなかに芸術を押し込めよ
魂の芸術(6)「自分が愛する芸術」を持つ大切さ
芸術作品について、誰かの解釈を信じたら、その芸術は自らの魂には響いてこない。どの芸術に、どのようなつながりがあるのか。精神的な連関性はどこにあるのか。それらはすべて自分自身で感じ取るべきものなのである。自らの魂...
収録日:2019/09/11
追加日:2019/12/13
戸嶋靖昌と平野遼の絵に込められた魂
魂の芸術(5)「宇宙の呼吸」―求心と遠心
戸嶋靖昌は、がんを宣告され、自らの余命を2カ月~3カ月と聞いてから、最後に作品を完成させたいと、治療も受けずに絵を描くことに打ち込み、それが絶筆となった。戸嶋の絵の凄い点は放散していく力。いわば遠心力である。一方...
収録日:2019/09/11
追加日:2019/12/06
「正しい」を信じるな、「間違い」のほうが役に立つ
魂の芸術(4)オリジナルとは「間違い」である
松下幸之助は、サミュエル・ウルマンの「青春」という詩を好んだが、自分で好きなところだけを、自己流にピックアップして飾っていた。「自分はこれが好きだ」ということが大切なのであって、それが正しいとか正しくないという...
収録日:2019/09/11
追加日:2019/11/29
なぜ「魂を燃焼させる」芸術を後世に残すべきなのか
魂の芸術(3)芸術だけが魂を賦活する
芸術だけに、魂を揺さぶる力がある。だからこそ、そのような芸術を集め、後世に残していかなくてはならない。感性は「頭」ではよみがえらない。「心」からよみがえるのである。200年後、もし日本人の魂がもう潰れていたとしても...
収録日:2019/09/11
追加日:2019/11/22
宗教や芸術のために命を投げ出した人こそ幸せである
魂の芸術(2)命を燃やした芸術
人間は「命懸け」のものに感動する。銀行強盗を描いた映画でも、その命懸けの姿を見せてくれるものは、感動するのだ。古来、大宗教家たちは、「俺のために、お前が死ね」と言えるような人だった。明治国家も、全盛期のアメリカ...
収録日:2019/09/11
追加日:2019/11/15
800年間の涙が沈み込んだ絵
魂の芸術(1)戸嶋靖昌との運命的出会い
執行草舟は、画家・戸嶋靖昌の「街・三つの塔-グラナダ遠望-」という絵を見て、この画家にぞっこん惚れ込み、肖像画の制作を依頼した。なぜ惹かれたか。それはその一枚の絵に、800年間の悲しみが沈み込んでいると感じ、空気中...
収録日:2019/09/11
追加日:2019/11/08
書画に込められた「魂」との対話
人間的魅力とは何か(特別篇4)執行草舟コレクションを見る
執行草舟のコレクションには、山岡鉄舟や白隠ばかりでなく、高橋泥舟や近藤勇、三島由紀夫などの書、さらに安田靫彦の絵画など、数多くの名品が含まれている。それらの書画に間近に接しながら、各々の人物に想いを馳せ、いまわ...
収録日:2019/04/05
追加日:2019/08/09
燃える魂の痕跡――執行草舟コレクション
人間的魅力とは何か(特別篇1)民族の「魂」を呼び覚ませ
執行草舟は、「人間の魂を本当に伝えられるものは、残っている芸術作品だ」という信念に基づいて、書画を蒐集している。その作品から、作者の魂が確かに伝わってくるのである。この「特別篇」では、そのようにして集められた芸...
収録日:2019/04/05
追加日:2019/07/19
人間は、生存に満足したら、それで終わりである
人間的魅力とは何か(5)渇望する魂に叫べ
ダグラス・マレーというイギリスのジャーナリストが書いた『西洋の自死』という本には、「人間から渇望感がなくなったから、経済や世界がダメになった」ということが書いてある。本当に素晴らしいものになろうと思ってもなれず...
収録日:2019/04/05
追加日:2019/06/21
プラトンのイデア論は、ソクラテスの問いかけへの答え
プラトン『ソクラテスの弁明』を読む(5)魂の配慮
ソクラテスは、メレトスとの対話を通じて、裁判でも自らの哲学を遂行する。そして、お金でもなく、名誉でもなく、肉体でもなく、魂に配慮せよ、という。「魂を配慮する」とは何かについて、ソクラテス自身は答えを示さなかった...
収録日:2019/01/23
追加日:2019/05/19
哲学とは魂と魂の人生をかけた対話(ディアロゴス)である
プラトンの哲学を読む(6)問われているものへ
対話とは、言葉によって2つの魂が出会うことである。一方が問いを発し、もう一方が応答する。プラトンの発した問いは時を超え、現代へと続いている。そして、対話こそ哲学だという。では、プラトン対話篇を読む私たちはいかに哲...
収録日:2018/07/11
追加日:2018/10/06
吉田松陰の「留魂録」は世界屈指の遺書文学
幕末長州~松下村塾と革命の志士たち(08)松陰処刑の影響
安政の大獄により30歳の若さで処刑された吉田松陰。松陰の死は、弟子たちにどのような影響を与えたのか。また、幕末の歴史にとってどんな意味を持つのか。松陰が死の直前に書いた遺書『留魂録』を手すりに、歴史学者・山内昌...
収録日:2014/12/24
追加日:2015/02/22
一つの信念のために、自分の命を捨てられる人間をつくる
反生命論(5)人間の初心に還らねばならない
我々人類は、物質文明の頂点を迎えている。これは生命大事とヒューマニズムに塗れ、魂を失ったということでもある。この魂の問題がわからないと、我々の文明が滅亡に向かっていることもわからない。いまこそ「初心」に戻る必要...
収録日:2024/05/16
追加日:2024/08/23
「金属社会」が経済を支え、考えない人間は家畜となる
反生命論(9)反生命が真の人間を創り上げる
人間の歴史は、金属の精錬の歴史である。結果として人間は、AIをはじめとする機械を生み出した。我々人間から魂が去りつつある中、機械が新しい人間になるかもしれない。そこで今、武士道という魂の一部をAIに打ち込んでいると...
収録日:2024/05/16
追加日:2024/09/20
人生の知恵が湧くのは「体当たりして失敗した体験」から
「葉隠武士道」を生きる(7)「真心」以外は通らない
人間関係を良くするために、「スキル」が書かれた本を学ぶ人がいる。もちろん、学ぶことは構わない。だが、結局は「真心」でぶつかるしかない。人間関係を「スキル」でやろうと思う心がけがダメなのだ。「スキル」を学んでどう...
収録日:2021/04/08
追加日:2021/08/20
航海をすることが必要なのだ。生きることは必要ではない
反生命論(2)人類の「初心」とは?
人間とは、魂の生き物であり、魂のために肉体を犠牲にする歴史を積み重ねてきた。スペインの哲学者ミゲール・デ・ウナムーノの『ドン・キホーテとサンチョの生涯』には人間を定義した言葉がある。「人間以上のものたらんと欲す...
収録日:2024/05/16
追加日:2024/08/02
歴史に残る「愛や忠義の名作」はすべて身を犠牲にする物語
反生命論(8)反生命だけが真の歴史を創った
『日本書紀』にはヤマトタケルの命を救うために海に身を投げた弟橘姫の話が出てくる。楠木正成は忠義のために敗北がわかっていて戦いに出ていった。愛や忠義のために肉体を投げ出しているのである。これが魂の本質である。ロー...
収録日:2024/05/16
追加日:2024/09/13
エルの物語…臨死体験から考える「どういう人生を選ぶか」
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(16)エルのミュートス(物語)
ソクラテスが『ポリテイア』全10巻の最後に語るのは「エルのミュートス(物語)」である。戦場で亡くなり12日後に蘇生したパンピュリア族の勇士「エル」は、死後の魂の旅路として2つのコースがあることを知る。100年の人生の死...
収録日:2022/09/27
追加日:2023/03/31
生を殺すものは死せず、生を生かす者は生きず
反生命論(3)殺生者不死、生生者不生
世界の大宗教は「人間の救い」を唱えているが、その内容を研究していくとすべて「魂のために命を捨てなさい」という教えである。だから、「反生命論」は人間の歴史を意味する。武士道や騎士道も、自分の名誉や「義」を貫けない...
収録日:2024/05/16
追加日:2024/08/09
我々の生命を害するものが、我々の生命を強くする
反生命論(6)生命は、敗北によって輝きを増す
「私を殺すものが、私を強化しているのだ」と、フランスの哲学者ミッシェル・セールは著書『人類再生』で説いている。これは人間生命の本質で、敗れることによって生命は輝きを増すということである。この方程式の在り方を、文...
収録日:2024/05/16
追加日:2024/08/30
本を読まない人類がヒューマニズムという化け物に喰われた
読書と人生(6)読書人がバカにされる時代
現代社会では、価値の主客転倒が起こり、読書人がバカにされるようにさえなった。だが、読書人がいなくなるということは、人間が「魂」に対する興味を失ったことを意味している。そして読書をしなくなったから、人間社会はヒュ...
収録日:2019/05/14
追加日:2019/09/20
トインビーが述べた、民族が滅びる「3つの条件」とは?
脱人間論(11)理想、歴史、数量化
20世紀以降、「ヒューマニズム」の名のもと、世界中でエリート教育をしなくなった。だが昆虫ですら、エリートがいなくなれば、その種は滅びる。人類が築き上げてきた諸文明にも、エリート製造システムが機能していた。歴史家の...
収録日:2021/03/18
追加日:2021/07/02
「なぜ」と考え、わからぬものはわからぬまま受け入れよ
読書と人生(5)読書の根本は神秘との対面
昔の人間は、わからぬものは、わからぬままに受け入れた。夫婦でも、「男は女をわからない」「女は男をわからない」と考えていたからこそ、かえって離婚も少なかった。だが、いまは、みんな賢しらで「わかった」と思い込み、思...
収録日:2019/05/14
追加日:2019/09/13
「人間の健康にとって何がいいか」の答えが「読書」?
電脳社会の未来(3)再び中世のような時代になる
あるとき、テレビでAIが質問に対して答えを出していく番組をやっていたが、そのとき、「人間の健康にとって何がいいですか」と質問すると「読書」という答えが出され、「では健康によくて長生きする方法は何ですか」と尋ねたら...
収録日:2023/08/02
追加日:2023/09/29
日本人を日本人たらしめた災難教育とは何か
神話の「世界観」~日本と世界(7)神代から続く日本人の「災難教育」
日本人は神代の時代からずっと災難教育をやってきた、と寺田寅彦は指摘した。自然災害の多い日本には四季の循環がある。そこに「揺るがない巡りがある」というムスヒの生命力に対する絶対的な信頼が生まれてくるのではないか。...
収録日:2020/12/07
追加日:2021/10/31
人間だけが鉄砲の弾に向かって命懸けで突っ込んでいける
反生命論(4)人間文化の頂点にあるもの
「人間」として生きるには、肉体を拒絶しなければならない。フランスの哲学者アランは「魂とは、肉体を拒絶する何ものかである」と言ったが、宗教も含めたあらゆる文化は、全部「反生命」なのである。一方、ヒューマニズムは、...
収録日:2024/05/16
追加日:2024/08/16
全国民に10万円より、医療に12兆円を
伝染病と死生観(2)腹を切る覚悟で断行せよ
新型コロナウイルスを水際で止められなかったのは、政治家が、批判されて「腹を切る」羽目になることを怖がったからである。「伝染病を食い止めるのが俺の死に場所」と政治家が覚悟し、強権を発動すれば今のような事態にならな...
収録日:2020/04/24
追加日:2020/05/22
抗議運動にも脅迫状にも、絶対折れなかった精神の根幹とは
渡部昇一に学ぶ教養と明朗(5)勇気を持つには何が必要か
激しい論争にも臆せず突き進み、反対派の抗議運動の闘士たちに、大学での講義で毎時間突き上げられても絶対に折れなかった渡部昇一先生。自宅にも脅迫状や電話が舞い込んでくる。しかし渡部昇一先生は、自身の心の中で『菜根譚...
収録日:2020/09/09
追加日:2020/11/06
キリストは神の言葉の厳しさを前提に「赦し」を説いた
脱人間論(5)愛のために、自分の体をなげうつのが人類
肉体よりも魂を重んじる人は、現代では落ちこぼれになってしまう。だが、魂のために肉体をいかに犠牲にするかを考えてきたのが、人間である。その代表が武士道や騎士道だといえよう。武士道や騎士道のみならず、魂のために肉体...
収録日:2021/03/18
追加日:2021/05/21
「宗教の時代」が終わってしまったからこそ重要な長篇詩
『ベラスケスのキリスト』を読み解く(1)霊性文明の時代に
執行草舟は、スペインの哲学者ウナムーノが著した『ベラスケスのキリスト』の本邦初訳を監訳した。本シリーズでは、この『ベラスケスのキリスト』について、その要点を解説していく。本書は20世紀初頭の哲学者であるウナムーノ...
収録日:2022/08/02
追加日:2022/09/09
松下幸之助が求めたものは「崇高さ」
崇高と松下幸之助(3)崇高さと人間とは何か
松下幸之助が求めたものは「崇高さ」であり、「崇高さ」の一番分かりやすい例は原始キリスト教だと執行先生は指摘する。原始キリスト教は、「自分の命よりも大切なものがある」という考え方が根本にある。では、自分の命以外に...
収録日:2019/02/06
追加日:2019/04/11
自分とは「探す」ものではなく、自分の中に見つけるものである
武士道の神髄(7)立脚点をいかに見つけるのか
どの家にも、いいところは必ずある。今まで続いてきたということは、生命的に見て、何か「いいところ」があるのだ。それを見つけることが重要で、それが武士道の立脚点にもなる。家族への愛の深さという点で言えば、家族同士の...
収録日:2019/11/26
追加日:2020/02/28
なぜプラトンの『国家』に「エルの物語」が必要だったのか
ギリシア神話の基本を知る(4) ギリシア人が考える「運命」
人間は「運命」が定まっているとギリシア人は考えていた。ギリシア神話の中には、人間が運命を定められる様子を描いた物語があり、それはプラトンの『国家』の最後にソクラテスが語る「エルの物語」というエピソードとして語ら...
収録日:2022/03/29
追加日:2022/09/08
アジア在住の中国人は4千万人もいるのに日本人は40万人
日本企業のグローバル化を考える
最近、日本企業のグローバル化がホットなイシューになっている。重要なポイントは、日本人、日本文化がどうグローバル化していくのかであると語る大上二三雄氏。日本の社会文化がどのように形成されてきたのか、そのプロセスを...
収録日:2014/06/11
追加日:2014/07/24
天に向かう読書に没入、そして「ただ突き進め」!
読書と人生(4)読書だけが運命を知っている
いい人生を送った人とは、自分の運命だけに体当たりした人である。だが、自分の人生は誰にもわからない。だからこそ、読書をし、過去の偉い人もそうしてきたと知ることで、「自分もやるぞ!」という勇気を得るのである。そのた...
収録日:2019/05/14
追加日:2019/09/06
藤原氏は『古事記』をサポートする家だったのではないか
世界神話の中の古事記・日本書紀(7)国家の正統性はどこにあるのか
『古事記』と『日本書紀』の違いの1つは、国譲りの記述にあると鎌田氏は言う。『古事記』では国譲りで壮大な物語が描かれ、『日本書紀』では非常にあっさりとした記述に留まる。その理由はいったい何だろうか。一国の歴史を考え...
収録日:2020/10/05
追加日:2021/05/19
霊性文明とは「一生をかけた、宗教の本質との対決」である
『ベラスケスのキリスト』を読み解く(4)慈善は宗教の本質ではない
昔の宗教家は、信仰のために自らの命を投げ出すことができた。だが、現代人にそれは、とうてい無理である。だから新しい人間の魂を生み出すには、昔の宗教家の魂と対話して、命の価値を考えつづけ、葛藤しつづけるしかない。こ...
収録日:2022/08/02
追加日:2022/09/30
「反生命論」とは「生命=人間ではない」という思想である
反生命論(1)「反生命論」とは何か
反生命論とは「真の人間とは何か」「真の人間の未来とは何か」を問うものである。まず根本的な思想として大事なのは「生命=人間ではない」ということだ。生命よりも、もっと上位の概念にあるのが人間だからだ。たとえば人間は...
収録日:2024/05/16
追加日:2024/07/26
建武の新政と千種忠顕、文観、阿野廉子らは本当に悪か?
『太平記』に学ぶ激動期の生き方(3)2つの評価が交差する「建武の新政」
元の記述に足利政権が改訂の筆を入れたために、複雑な物語となった『太平記』。具体的に、どのような人物についてどのような描き方をされているのだろうか。それを読み取ることで、さらに『太平記』の物語の特長が浮かび上がり...
収録日:2020/08/26
追加日:2020/11/15
神や天皇など崇高な存在がなければ偉大な社会はできない
「壁」ありてこそ(3)崇高なるものの重要性
19世紀までのヨーロッパ人には神への信仰があった。日本は神の代わりに天皇への尊崇心があった。「日本人の心のふるさと」は田園風景や里山などではなく「天皇」だったのだ。それを失ったから日本人はダメになった。崇高な存在...
収録日:2021/01/14
追加日:2021/03/05
八反田友則が絵に込めた、将来に対する「憧れ」と「呻吟」
「壁」ありてこそ(8)特別編:芸術の中の憧れと呻吟
未来に残すべき芸術とはどのようなものか。今回、執行草舟は、まだ若き画家・八反田友則の作品を紹介する。若いがゆえに、一枚の絵に込めることができた「将来に対する憧れ」。一方、別の二枚に描かれたのは「混沌とした未来...
収録日:2021/01/14
追加日:2021/04/09
人にできたことで、自分ができないことは何もない
私の「葉隠十戒」(4)同じ人間が、誰に劣り申すべきや
第九戒「必死の観念、一日仕切りなるべし」は、毎日「やりきる」ことの重要さを述べたものである。明日を思い煩わず、日々自分の生命と対面する。その日に全力を投入せよという意味である。第十戒「同じ人間が、誰に劣り申すべ...
収録日:2021/04/08
追加日:2021/10/22
お金は使い放題…札束を投げて遊ぶほどだった幼少時代
作用と反作用について…人間と戦争(5)お金と読書
背骨がきちんと通るためには教育や生育環境も重要である。執行草舟の父は大変な教養人で、三井物産の英語の仕事を一手に引き受けるほどの語学力があり、その縁もあって、戦後、GHQの物資を運ぶ会社の社長を務め、20代で大金...
収録日:2022/05/19
追加日:2022/07/29
小林秀雄をより深く理解するための「近代日本小史」
小林秀雄と吉本隆明―「断絶」を乗り越える(2)なぜ「批評」は昭和初期に登場するのか
日本は明治維新によって西洋近代化へと大きく舵を切るが、それは大きな矛盾を抱えた大改革だった。そして「和魂洋才」という言葉が象徴するように、日本の国体主義と西洋の資本主義を両輪に推し進めた結果、経済は発展していっ...
収録日:2023/04/07
追加日:2023/08/22
「ずる賢い考え方」をしたがる人類に科学や民主主義は無理
電脳社会の未来(8)やはり最後の記念碑は芸術である
「法の前の平等」は、人間が裁判官をやっている限り絶対に達成できない。人間は平等、正義、科学を標榜しているのに、例えば、縁故とずる賢さと自分だけうまいことをしたいという、さもしい根性を捨てないからだ。AIに、全面的...
収録日:2023/08/02
追加日:2023/11/03
欧米の落ち方は日本の比ではない…これは「人類問題」だ
電脳社会の未来(9)この堕落は「人類問題」
かつて国家は、「働くことが好き」「勉強が好き」という人たちに支えられていた。だが今や、その文化を国家が否定している。知性や合理性、平等、民主主義、科学は全てAIに移行し、われわれホモ・サピエンスが担うのは悪いもの...
収録日:2023/08/02
追加日:2023/11/10
おいしい餌をまく悪魔は、必ず美男美女の姿でやってくる
脱人間論(7)なぜ成功や幸福を捨てねばならないのか
三崎船舶時代に出会った悪漢政との出会いは、人生最大の幸運だった。日本一の船頭で、強烈な魂を持っていた。学歴はないが頭が抜群に切れ、膨大な取引データもすべて記憶していたほど。こういう人が50年前までの日本にはいて、...
収録日:2021/03/18
追加日:2021/06/04
中途半端な教養の人は知識の「箱」をたくさん持っているだけ
「教養とは何か」を考えてみよう(3)知識の「箱」に縛られない
教養が単なる「知識の貯蔵」でないことは、誰もが知っている。知識の「箱」に縛られることなく問いを立て直し、問いと答えの一対一の対応を破り、新たな関係を見いだすためには想像力や発想力が必要とされる。しかし、そうした...
収録日:2020/10/26
追加日:2021/05/11
「忍ぶ恋」のありなしで信念を貫徹できるかどうかが決まる
私の「葉隠十戒」(3)気違ひになりて死に狂ひするまで
第五戒「恋の至極(しごく)は、忍ぶ恋と見立て申し候」の恋は、「憧れ」を意味する。憧れは、絶対に手の届かないものでなければならない。手に届かないものだからこそ、自分の生命に崇高なものをもたらすのである。第六戒「一...
収録日:2021/04/08
追加日:2021/10/15
『葉隠』の「同じ人間が、誰に劣り申すべきや」を信じて
憂国の芸術(2)ベートーヴェン第5交響曲と内村鑑三全集
執行草舟は、ベートーヴェンの交響曲第5番も小学5年から毎日欠かさずに聞き続けた。すると、ベートーヴェンが音符として打ち込んだ言葉の意味が、全部分かるようになった。内村鑑三も好きで、小学生のときから読んでいた。30歳...
収録日:2021/12/02
追加日:2022/01/21
どうして「ズルをする人生」を選んでしまうのか
自信について(7)仕事に「苦悩」はあるか、ないか
現代人は文学を読まなくなり、教養も失った。ゲーテの『若きウェルテルの悩み』を薦めてみても、何が書いてあるかわからない(恋愛文学であることもわからない)人ばかりになってしまった。人間は理想を追求しつづけられる人と...
収録日:2022/01/25
追加日:2022/05/06
苦悩に耐えきれないと「一撃で殴る」ほうが簡単に見える
人生のロゴス(11)無限の憧れと永遠の苦悩
かつて本が売れたのは、反対意見を持つ人たちが、議論して論破するために読んでいたことも理由にある。命懸けで築き上げられた思想は、たとえ嫌いな思想であっても、どこかに共振する部分があるのである。だが昨今では、そのよ...
収録日:2023/03/29
追加日:2023/08/04
「悲しみのディアドラ」と死後の世界ティル・ナ・ノーグ
ケルト神話の基本を知る(3)悲哀の物語と死後の世界
同じ島国で発達してきたケルト神話と日本神話。その地理的特徴から、物語の悲哀、悲劇、もの悲しさという共通点が表われてくる。それは、はるか海のかなたに存在する死後の世界にも通じるものがある。それぞれの神話では一体何...
収録日:2022/04/12
追加日:2023/08/06
なぜ和歌で神意を伝えるのか…古典文献の事例と巫女の歌占
おみくじと和歌の歴史(3)神意を伝える和歌と歌占
古来より日本人に親しまれてきた和歌。神様として信仰されたスサノヲノミコトが最初に詠んだとされる和歌は、神意を人々に伝えるための重要なツールだったが、人々がその神意を受け取るために必要としたのが巫女だった。『伊勢...
収録日:2023/11/10
追加日:2024/01/03
なぜ、かつて人類は伝染病に敢然と立ち向かえたのか
伝染病と死生観(1)逃げ惑う現代人
執行草舟が新型コロナウイルスの流行を背景に、死生観について語るシリーズ講義。これまで人類はペストという国民の3分の2が死ぬような伝染病にも立ち向かい、乗り越えてきた。だが今や人類は、まるで腰抜けのように伝染病に右...
収録日:2020/04/24
追加日:2020/05/15
もはや純粋に生命を捧げることができるのは「芸術」のみ
「壁」ありてこそ(4)そして芸術のみが残った
コロナ禍で世界中が右往左往しているのも、信仰を失った結果である。天皇への尊崇の心があれば、総理大臣も国民に、病気の根絶か経済の建て直しかという選択を迫ることができた。物事をやるには必ず痛みを伴うのに、それを「我...
収録日:2021/01/14
追加日:2021/03/12
「いいね」の数を誇る風潮こそ、物質文明的な虚無思想
「葉隠武士道」を生きる(8)すべて「数」で判断する愚
昔は、真っ正面から真剣に文学論を闘わせるような気風もあったが、最近では、「争いがいけない」「嫌われたくない」ということばかり優先するようになり、友達の数やSNSの「いいね」の数を誇るようになってしまった。しかし、そ...
収録日:2021/04/08
追加日:2021/08/27
ジョブズが考える「永遠に続く会社」、大事なのは価値観
スティーブ・ジョブズの成功哲学(4)永遠に続く会社のつくり方
スティーブ・ジョブズが目指したのは、社会に影響を与え、後世に続く会社を作り上げることだった。目先の利益に惑わされず、明確な理念を掲げ、それを共有した社員とともにより良い製品の開発のために絶えず努力を続けたことが...
収録日:2022/03/15
追加日:2022/05/14
大国主神と大物主神…「いい神様」と「祟り」はなぜ裏表か
大国主神に学ぶ日本人の生き方(9)「大物主神」との関係
「祟る神としての大物主神」という話が、鎌田東二氏の『悲嘆とケアの神話論』に出てくる。大国主と大物主との関係を通して、大国主の性質と『古事記』に込められたメッセージとしての「祟り」について考えてみたい。この両面性...
収録日:2023/08/08
追加日:2024/02/04
「若い人を元気にするために」が最大の課題
「青年塾」運営のための3つの約束
志ネットワーク代表として「青年塾」を運営する上甲晃氏は、塾生に自分の方から三つの約束を手渡しているという。日本中の若者に志を植えつけることを人生のテーマに据えた上甲氏が差し出す「三つの約束」とは? 松下幸之助氏...
収録日:2015/03/20
追加日:2015/04/04
松下幸之助は、成功しすぎて身動きがとれなくなった
崇高と松下幸之助(4)偉大すぎた松下幸之助
偉大になりすぎた松下幸之助は、国家の看板になり、「良い人」としてしか振舞うことができなかった。一方で、「崇高」を求めた彼は、孤独でもあった。そのことは、松下幸之助と魂で触れ合うことができる執行先生にはよくわかる...
収録日:2019/02/06
追加日:2019/04/14
幕末維新の英傑たちは、皆、生命を捧げた人たちだった
「壁」ありてこそ(7)命を投げ捨てる覚悟はあるか
偉大な民主主義国家だった時代のアメリカは、「国のために何ができるかを考えろ」と言ったケネディが当選できた。今の日本に、それを言える政治家がいるのか。王岐山が、日本の若手政治家たちに三島由紀夫や太宰治のことを聞い...
収録日:2021/01/14
追加日:2021/04/02
ニーチェの「神は死んだ」という言葉は、400年間の総決算
脱人間論(4)人類は「戻る」ためのホックさえ失った
宇宙には神の摂理があるが、それを捨てた始まりがルネサンスの人間中心主義で、その行き着く先が20世紀の物質文明である。信仰心を失いながらも「信仰心は大事だ」と思い、葛藤(かっとう)していたのがヴィクトリア朝のイギリ...
収録日:2021/03/18
追加日:2021/05/14
「リベラル・アーツ」と「自由」の関係を歴史的に振り返る
「教養とは何か」を考えてみよう(9)リベラル・アーツと脱我
「本来のわたし」とは、どこまでを指すのだろうか。対外的に意味をなすための名前も地位も「わたし」を守るための鎧だとすると、わたしは鎧に奪われてはいないだろうか。その鎧を捨てたり抜け出したりして自由になるためには「...
収録日:2020/10/26
追加日:2021/06/22
田中新兵衛とリヒトホーフェンが教える「美しい生き方」
「葉隠武士道」を生きる(2)「自己責任」と「運命への愛」
武士は刀を抜くべき場所で抜かなければ「武士道不心得(ふこころえ)」と後ろ指をさされ、お家断絶にもなりかねなかった。逆に、刀を抜いてはいけない場所で抜いても「お家断絶」である。時と場合を、絶対に間違えない「覚悟」...
収録日:2021/04/08
追加日:2021/07/16