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「会社の善なるもの」と「個人の善なるもの」が共鳴する

自信について(4)大和魂のあり方を問う『源氏物語』

対談 | 執行草舟田村潤
概要・テキスト
企業理念の実現に向けて行動すれば、会社はよいほうに向かいだす。行動するために必要なのは「勇気」だが、じつは勇気を持つのが一番難しい。勇気を理解するには、民主主義や平等思想などを1回捨てて、「魂」の問題を考える必要がある。日本の文学で日本人の魂の問題を語っているのは『源氏物語』である。『源氏物語』では、ふだんは情けなくても、いざというとき立派に見える人が大和魂の持ち主と述べている。では企業の場合、勇気がない人が勇気を持てるようになるのは、どのような場合か。(全12話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11:07
収録日:2022/01/25
追加日:2022/04/15
カテゴリー:
キーワード:
≪全文≫

●「大和魂とは何か」が問われているのが『源氏物語』


田村 ただそれは、向かうための一人の勇気があれば、考えればいいのです。「自分たちの会社は、本当に存在する必要があるのかどうか」を考えて、「ある」と思えば、その戦略を自分で考えて行動していく。やることはそんなに変わるわけではないのですが、頭のルートを一つ、社会だとか、そちらのほうへ作るだけです。お金がかかるわけでもありません。やってみてすぐに答えが出なくても、体を動かしながら考えていると「こういうふうに考えると理念に到達できる」となってくるのです。

 そして行動していると、やはり面白くなってくる。「自分の利益」のためではなく、「お客さまのため」とか「社会のため」にやっていると、反応があります。「よくやってくれた」と。それに奮い立つ。そしてもっと頑張ると、また奮う。

 いわば「感謝の人間関係」みたいなものが随所に出てくると、そこで面白くなってくるのです。そして無我夢中になってきて、仏教でいう「無」に近いものにみんながなってくる。それが人間の生き方だと思います。「理想に向かえ」というとなかなか難しいですが、企業においては企業理念が理想だから、それに向かうチームを作れば、人間性はよくなるし、業績もよくなるのです。ここでの障害は、やっぱり「1人の勇気」なのです。その勇気をいかに持たせるか。100人いたら1人や2人は、いそうなのですが。

執行 勇気は一番難しいんです。ほとんどが才能というか血というか、今の民主主義平等社会から一番抵触している問題です。魂から生まれるものですから。知識ではない。勇気の問題になると、話がだんだん別になってしまう。

 勇気の問題を理解するとしたら、ある意味では、民主主義平等思想といったものを全部、一回捨てなければダメです。そしてどこに戻るかというと、私が歴史的に研究したところによると勇気の場合、魂の根源が日本の文学上で表されているのは『源氏物語』です。

 『源氏物語』は「恋愛のもの」といわれていますが、全然違います。それは表面的な物語で、実際に問われているのは「魂の問題」です。それも大国主命から連綿と続いた日本の大和魂です。「大和魂とは何か」が問われているのが『源氏物語』なのです。

 「大和魂」という言葉の初出、日本歴史上で初めて出てくるのが『源氏物語』です。源氏が、夕霧とい...
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